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【業界研究】小売業界の現状・動向・課題について

更新日:2024年01月24日

業界・企業研究

小売業界と一言で言っても、明確に小売業界がどのような業界なのかをイメージできる学生さんは少ないのではないでしょうか。

また、多店舗展開することによって、大量仕入、大量販売ができるようになり、消費者に安価でありながら品質の高い商品を提供できるようになり、拡大を加速的に行っています。

動向2:業界の課題

小売業界が抱える課題のひとつに、少子高齢化による市場の縮小があげられます。日本が抱えている少子高齢化の問題は小売業界に大きな影響を及ぼすマイナス要因になっています。

小売業界はまだまだIT化が進んでおらず、店舗への来店による販売はメインになっています。しかし、少子高齢化によって、高齢者の来店客が減少すると、売上も必然的に連動するように下がるので、それをどのように食い止めるのかが大きな課題のひとつとなっています。

その解決方法のひとつとして、来店しなくても家でインターネットによって買い物ができるような仕組みを作ることです。体の調子が悪くて買い物のために外に出られない高齢者がいたとしても、家での買い物を楽しむことができ、売上減少の鈍化に貢献できるものと言われています。

小売業界にはもう一つ大きな問題があり、人件費などのコストの問題です。人件費はテコ入れを図りたいところですが、人件費を削ると、サービス品質の低下に繋がり、うまく立ち行かないことが多くあります。

最悪、その会社のイメージダウンにも影響のある問題のため、安易に人件費をカットするということもできないでいます。

しかし、この問題に関してテクノロジーによって一石を投じている試みがあり、それがセルフレジの導入です。購入品数の少ない人が長い時間レジの会計で並ぶことは苦痛でしかないため、購入品数の少ない人を優先的にセルフレジに誘導して、サービス力を変えずに人件費を削減する試行がされています。

動向3:業界の今後の将来性

小売業界の明暗を分ける重要な要素は、インターネットによる取引です。これを誰でも分かりやすく、簡単に操作できるような端末とソフトウェアを開発し、高齢者や共働きでなかなか買い物に行けない層をいかに上手く取り込むことができるかが、今後の業界内の勝敗を分ける要点になります。

また、ITリテラシーの高い消費者層に対しては、同じような種類の商品を別々の業者から、個々人に合わせた方法で購入できる今の時代において、小売業者としてマーケティング、ロジスティクス、在庫管理などなどのセクションにおいて、どのように対応していくのかが問われています。

なぜ、その会社のその商品でないといけないのか?ということを明確に訴えることができないと、目の肥えた消費者からは見向きもされなくなってきています。

このような現状の中、大手どころを始めとしてインターネットで商品が買えることを進めている業界のプレーヤーは多くなってきました。

しかし、実店舗を構えて来店客に商品を販売することがメインの小売業者は、小売業界の取引がオンラインに流れていく現状をだまって見ているだけではより縮小の一途を辿るだけとなってしまいます。

さらに、今般では本来小売に商品を販売するはずの問屋が、直接消費者に販売するケースも増えてきており、業界を渦巻く競争は苛烈になってきています。

小売業界に大きな影響を与えているものにインターネット専業の会社の台頭が上げられます。アマゾンや楽天、Yahoo!ショッピングなどのEC業者によるインターネット上で売買を完結させる会社の飛躍的な成長によって、店舗を構える小売業者は変革を求められています。

インターネットで販売する業者は、店舗運営と比較すると、人件費も不動産の費用も掛からないため、実店舗よりも安く商品を販売することができます。価格comのように、ひとつの商品の価格を店舗ごとに比較するサイトの登場も、実店舗で商品を購入する消費者の数を減らす原因になっています。

このような状況は益々加速することが予想されているので、従来の商習慣からは一歩脱して、店舗では商品を売るのではなくて、体験やサービスを売る方向にシフトしてきている小売業者も多くなってきました。

店舗で実際の商品を目で見て、触れて確かめて、インターネットで購入する、という一連の流れを他の会社や店舗に目移りさせないように、1社で完結させることができるかが、今後の生き残りに重要な要素となってきています。

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