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更新日:2024年11月09日
生命保険と損害保険は、万が一の事態が起きたときに被害の一部を補償するという意味では同じですが、その内容は生命保険と損害保険で大きく異なります。
日本損害保険協会によると、2015年度の損害保険の正味収入保険料は、前年比3.4%増の8兆3,597億円で、6年連続での増加となりました。
種目別の内訳は、1位:自動車保険(3兆9,986億円)、2位:火災保険(1兆3,374億円)、3位:自動車損害賠償責任保険(1兆0,366億円)となっています。
日本損害保険協会に加盟する損害保険会社の数は、2016年の時点で26社となっています。
損害保険の販売形態は大きく分けて、㈰代理店扱(損害保険代理店が販売)、㈪保険仲立人扱(保険ブローカーが扱う)、㈫直扱(保険会社直接の販売)と3つに分かれますが、代理店の数は20万2,148店と多く、その代理店がさらに専業代理店(損害保険の販売のみ)と副業代理店(損害保険以外のものも販売する)に分かれます。
損害保険代理店の内訳は、専業代理店が4万2,319店(20.9%)で、副業代理店が15万9,829店(79.1%)となっています。
損害保険業界にはさまざまな保険が存在しますが、とうぜんのことながら、何かを補償するということは常に何らかのリスクを抱えるということになります。ですので、ジャンボジェット機、原子力施設、製油所といった巨大なものや、地震や台風など損害が1地域・1時期に集中するものを対象とする保険の場合、「再保険」という仕組みでリスクを分散します。
この再保険は、一般の人々が保険会社の保険に加入するように、保険会社が他の保険会社の保険に加入して、自社の引受能力を超える補償が発生したときにその一部を他の保険会社に肩代わりしてもらうというものですが、損害保険業界には絶えずそういったリスクと隣り合わせになるという危険性があります。
損害保険業界は、上記で説明したような自然災害をはじめとする保険引受リスクの他に、国内有数の機関投資家として資産運用リスクも抱えています。
各社は、現在およびこれからのリスクと自社の資本を比較して、経営の評価を行うとともにリスクテイク戦略等の妥当性を総合的に検証する取り組みを行い、年に1回金融庁に報告していますが、とくに近年、海外事業のリスクが増大していることもあり、さらなる収益の強化または経営の安定化のために、リスク管理をさらに統合的に強化して高度化する必要があります。
総人口が減少し少子高齢化が進むなかで、保険加入の中核層となる30〜40歳代の人口が縮小することが見込まれています。
損害保険業界にとっての主力商品である自動車保険も総契約数が減少傾向にあり、そのなかでも20台前半の契約者数がここ10年で3割以上も減少しています。これは、これまでのビジネスモデルの限界を示しているのと同時に、今後、損害保険業界が自動車保険にかわる新たなフィールドを開拓していかなければならないことも意味しています。
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