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【業界研究】損害保険業界の現状・動向・課題について

更新日:2024年11月09日

業界・企業研究

生命保険と損害保険は、万が一の事態が起きたときに被害の一部を補償するという意味では同じですが、その内容は生命保険と損害保険で大きく異なります。

損害保険会社は、たいていの場合、「総合職」と「一般職」に分けられています。

総合職は、営業・損害査定などの損害保険業の基幹に携わり、全国に広がる支店を転々とすることになります。転勤が多くなるのは、特定の顧客や代理店とのしがらみを排除するためという理由があるようです。

一方で、一般職は、転勤をすることはなく一般事務に携わります。近年では、「地域型従業員」と呼んでいる会社もあります。

業界シェア上位3位

1位:東京海上ホールディングス:2兆8,707億円 2位:MS&ADインシュアランスグループホールディングス:2兆8,116億円 3位:SOMPOホールディングス:2兆2,689億円

平均年収上位3位

1位:東京海上ホールディングス:1,387万円 2位:SOMPOホールディングス:1,172万円 3位:MS&ADインシュアランスグループホールディングス:1,119万円

業界の動向

3メガ損保による寡占続く

損害保険業界では、東京海上ホールディングス、MS&ADホールディングス、SOMPOホールディングスという大手3グループが「3メガ損保」を形成し、3グループで市場の約90%強を占めるという寡占状態にあります。

金融庁によると、2016年度の3グループの連結純利益は5,727億円で、2年連続で過去最高を更新しました。損害保険業界の売上の約半分を占める自動車保険での保険料値上げや、リスクに応じた等級制度の見直しにより収支が拡大したものと考えられています。

大手3社の海外展開

東京海上HDは2015年、米国のHCCを9,400億円で買収しました。東京海上HDは海外事業を積極的に展開しており、収入保険料の40%近くが海外事業からのものになっています。

MS&ADインシュアランスグループHDは2016年に、6,400億円で英国大手のアムリンを買収しました。そして、スリランカの保険グループにも出資するなど、アジアを中心にネットワークを広げています。

SOMPO HDは、英国キャノビアスを買収し、ブラジルやトルコといった新興国に進出する準備を進めています。

テレマティクス自動車保険

あいおいニッセイ同和損害保険は、2015年にテレマティクスを活用した自動車保険「つながる保険」を発売しました。

テレマティクスとは、自動車に通信システムを組み込んで、走行距離などのデータを収集・提供するサービスです。筆頭株主のトヨタ自動車のTコネクトが利用できるカーナビを搭載した車両が対象となり、そのTコネクトが収集した毎月の走行距離に応じてキロ単位で保険料が変わるという仕組みになっています。

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