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更新日:2024年11月10日
日本がまだまだ不景気のあおりを受けている2000年頃から、ドラッグストア業界は他の業界と異なって店舗数や売上を堅調に伸ばし続けています。その背景には日本の人口が減少していくにも関わらず、少子高齢化による高齢の人々が増え、それに伴う医薬品の需要が年々増しているからです。
他業界からの新規参入や競合他社同士の苛烈な競争によって、成長している売上高から見て、市場の伸びがそれほど見られなくなってきています。大手どころの業界再編もさらなる競争に影響を与えている状況となっています。
日本における競争はインバウンドによる海外からの渡航者の需要を取り込むところにも波及しています。特に中国からの観光客は必ずと言っていいほど日本の薬局に立ち寄り、爆買いをしていきます。
平成26年に外国人旅行者向けに消費税免税制度が改正されたことで、化粧品などの消耗品が免税対象となり、ドラッグストアに押し寄せる外国人の波はさらなる勢いを増すようになりました。
日本の品質の高い化粧品をはじめ、幼児用の食品や、薬が飛ぶように売れて、インバウンド客への対応を急ぐことが求められています。
小売が全般的に縮小する中でもドラッグストア業界は消費者のニーズを受けて堅調に成長を続けてきましたが、近年は成長が鈍化してきています。都市部における店舗の飽和状態に加えて、インターネットでの販売も解禁されたことから、市場の顧客争奪戦が益々激しくなっています。
この競争激化はドラッグストア業界における深刻な問題となっており、各社が利益を追求すればするほど、より競争が激しくなるという矛盾を抱えています。
また、都市部への商品の供給は何も問題を抱えていませんが、地方への商品の供給には課題を抱えています。高齢化社会がバスや電車などの交通インフラの弱体化と組み合わさって、買い物ができなくなる買い物弱者の発生、増加が出てきています。
ドラッグストアの半分の役割は病院と言っても過言ではないため、日本国民に平等に医療を施すためには、このような過疎地域にも様々な種類の薬が届くように配慮をしていかないといけません。
業界再編、他業種からの新規参入によって苛烈を極める出店競争や、インターネット販売の緩和、一般用医薬品の登録販売者制度開始などによって、国内市場は明らかに飽和状態となっています。
コンビニとの融合店舗、陳列する商品の多様化など差別化を図るために各社が異なる戦略を実行していますが、業績によって明暗がはっきりと分かれるようになってきました。
社会的存在意義を求められている業界ということもあり、地域一帯の商圏を獲得するためにM&Aを積極的に行う企業が増え、業界が生き残りを賭けて拡大戦略を図るようになってきています。
2009年のマツモトキヨシホールディングスがコンビニ大手のローソンと業務提携をしたり、同年の末にはココカラファインホールディングスが同じく大手コンビニチェーンのサークルKサンクスと業務提携をし、業界マップが一変する出来事が相次いで起こっています。
ある経済アナリストは、ドラッグストア業界は10兆円にまで拡大すると予測しています。24時間体制による営業、健康増進・病気の予防を目的に介護用品の取り揃えや保険調剤への拡大など、従来のドラッグストアの領域や枠組みから一歩出たサービスの提供が求められています。
今後続いていく高齢化社会においては、このような潜在的な需要があるため、これらを展開していくことでこの先のドラッグストア業界は成長産業として更なる飛躍が期待できる業界と言えます。
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