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【業界研究】非鉄金属業界の現状・動向・課題について

更新日:2024年11月12日

業界・企業研究

銅や金、アルミ、ニッケルなど、非鉄と呼ばれる金属を取り扱っている非鉄金属業界。自動車や家電、精密機器など様々な製品に使われているので、非鉄金属業界の規模は大きなものがあります。

現状3:平均年収上位3位

平均年収は1157万円。国内でも大規模なグループとして知られるJXホールディングスは、待遇・福利厚生の面でも非鉄金属業界の中で各種制度が充実していることで有名です。年間休日も豊富でワークライフバランスを取れた生活を送ることが可能です。

平均年収は907万円。新幹線のボディや自動車の部品をはじめ、多種多様な業界に金属製品を提供しています。大きな特徴として挙げられるのは国内で随一のアルミ総合メーカーであることです。

スローガンは「チーム日軽金として異次元の素材メーカーへ」。リーマンショックが起きた時は業績が落ち込んだものの、強い経営基盤を生かして不景気の波を乗り越え、順調に業績を伸ばしています。平均残業時間が月20時間以内。職場環境の整備も積極的に推進しています。

平均年収は834万円。コーヒーなどの飲料缶や農産品・水産品などを保管するための食品用空き缶、スプレーなどの製品に使用されるスプレー缶、粉ミルクなどを詰める粉乳缶、お菓子屋のりなどを保管する美術缶など幅広い缶を作っているメーカーになります。

開発、設計、製造、販売まで一貫して担う事業を展開しており、最適なコストも実現。研究開発センターもあり、より高品質で低価格の製品の創造を追求しています。非鉄金属業界においては、独特の事業を展開する企業かもしれません。入社3年後の定着率は90%以上。平均勤続年数も15年以上。充実した待遇・福利厚生も魅力です。

業界の動向

非鉄金属業界は需要こそ高まっているものの、国内全体の需要、売り上げを見ると減少傾向にあります。輸出や金属の時価が影響するため、今後も減少傾向が続く可能性があるでしょう。

特に、前期に減損損失を計上した企業を除き、減収減益傾向の見通しがあるといえます。国内需要は頭打ち、少子高齢化による需要減が予測されるため、今後は海外への輸出を考える企業が多くなるでしょう。

自動車や精密機器、家電の需要が高まっていることに伴い、非鉄金属業界の需要も年々高まっています。しかし、国内全体の需要や売上を見ると減少傾向に。これらの背景にあるのは輸出や金属の時価の変動などになります。

国内の需要は頭打ちと言っても過言ではありませんが、海外に目を向ければ、未開拓の市場はたくさんあるので、海外への輸出を評価する企業が多くなると予想されます。今後は非鉄金属業界全体においてグローバル化が大きなテーマになるでしょう。

動向1:市場動向

資源の価格は世界的に下落の方向に動いています。そんな動向を受けて、非鉄金属業界を形成する各社がどのような戦略を打ち立てていくか、また、鉱山が発掘され尽くしている今、どのように新しい資源を創造するかなど、これからは今までのビジネスに捉われない動き方が必要になるでしょう。

非鉄金属業界を形成する各社の中でも上位に位置する会社は、業界の未来を牽引する意味でも、大胆な戦略を展開することが問われていきます。

動向2:業界の課題

非鉄金属業界を構成する各社の技術やビジネスはほぼ成熟しています。他の業界ではさらなる効率化を追求していますが、非鉄金属業界に属する企業は、これ以上劇的な効率化は難しいと判断しています。

しかし、技術開発の面ではまだまだ可能性が大きく、テクノロジーのさらなる進化が期待されています。その成果によっては、海外の競合他社と対等に渡り合える可能性を秘めています。そのためにこれから合併・統合などが必要になるかもしれませんが、業界の性質上、実現は簡単ではありません。

加えて、非鉄金属業界の課題を挙げるとするならば、グローバル化が大きなテーマになるでしょう。昨今、非鉄金属業界に属する多くの企業が海外での事業展開を強く推進しています。

しかし、詳しく調べてみると、その目的はコストの削減が多いケースが多数。新しい市場を開拓している企業は少ないのが現実です。他の業界では海外の市場を積極的に開拓する企業が多い中、新市場開拓の面で非鉄金属業界は遅れを取っている、というのが現状です。

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