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更新日:2024年07月03日
精密機器とは、高度な精密さを要求され、電子制御やソフトウェア制御によって精密に動作させることが求められる機器のことを指します。
カメラ映像機器工業会の発表によると、2015年のデジタルカメラは総出荷台数、金額ともに減少しました。とくにレンズ一体型のコンパクトカメラの出荷個数は前年比24.5%減となり、市場の縮小が進みました。
経済産業省の発表によると、2015年の国内の時計生産は個数が前年比2.4%増、生産額が同12.6%増と2年連続で増加しました。国内では高級時計が好調でインバウンド効果の影響もあったと考えられています。
また、計測機器生産額は、設備投資予算が回復傾向にあることもあって増加しました。とくに、電力量計は家庭へのスマートメーター導入で同57.3%の大幅増となりました。
とくに中小企業において、熟練した職人の高い技術をどうやって受け継いでいくかが大きな課題となっています。
高精度の精密測定機器などにおいて、特定分野に特化することで高いシェアを得ている中小企業は数多く存在していますが、そういった技術の多くが熟練工の力によりもたらされていることは周知の事実といってもいいでしょう。
しかし、熟練工になるには長い時間と訓練が必要であり、またその熟練工の多くがもう定年近い年齢になっていることを考えれば、彼らの技術を次の世代に伝えるのに残された時間はわずかとなっています。
近年において、製品の組み立てを海外で行なっている企業が増えています。
しかし、海外の生産工場で海外のスタッフを教育することは必要不可欠の作業ではありますが、海外の技術力を高めていることであり、そして組み立てやそれに付随する技術のノウハウがそのまま海外のノウハウとなっていくことでもあるので、どうしても技術の流出が止められない状況となっています。
人件費の高騰により、世界の工場としては陰りの見える中国ですが、現在でも力を持っていることは間違いありません。素材産業をはじめとする多くの企業が新たな市場を求めて依然として中国への進出を繰り返しています。
しかし、精密機器は日本が最も得意とする分野の一つであり、中国に対しても大きくリードしている状況です。これまでに日本がものづくりによって築き上げてきた信頼は大きく、当分は揺るがないものとも考えられています。
2008年のリーマンショックのあと、輸出額で対前年比約60%も減少するという厳しい状況にありながらも、精密機器業界大手各社は新興国市場への販売を続け、売上比率を高める取り組みに注力してきました。
2011年の東日本大地震で国内の生産拠点が被災したこともあり、2012年に同約10%減少するということもありましたが、精密機器業界全体としては2009年を底に回復基調にあります。つまり、こうした精密機器業界の市場動向は、この業界が、輸出比率が高く、輸出の好不調によって左右される業界であることを意味しています。
中小製造業も、海外商社と代理店契約を結ぶなどして積極的に海外進出を果たしていますが、まだ大きな結果は出ていません。代理店経由による販売は、その販売力を比較的簡単に活用できるというメリットがある反面、各国各地域のエンドユーザーのニーズをつかむことを困難にもしています。
海外のみならず、国内にもいえることですが、とくに精密機器業界の中小・中堅企業がどのような販売体制を構築して強化していくのかが今後の精密機器業界に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。
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