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【業界研究】駐車場業界の現状・動向・課題について

更新日:2024年01月15日

業界・企業研究

駐車場業とは、主として自動車の駐車のための場所を賃貸する事業のことを指します。土地あるいは建物内に自動車を停めるスペースを確保して、利用者とのあいだに賃貸借契約を結んでそのスペースを提供することにより収益を得るというのが、そのビジネスモデルです。

時間貸駐車場大手のパーク24(タイムズ)は、駐車場内での洗車サービスを提供しています。2015年の時点で東京、池袋、川崎の3カ所でサービスを実施していますが、今後は10カ所に増やす予定とのことです。これは駐車場を利用した人向けのサービスで、少量の水で汚れを落とす洗剤を使用し、周囲に影響が出ないように工夫しています。普通車の場合は料金は1,500円で、所要時間は約30分となっています。

同社はそれ以外にも、開業を控えた駐車場などで無料の駐車レッスンも実施しています。これはサービスの充実はもちろんですが、運転が苦手な人の動きを分析して駐車場の設計に役立てるという意図もあるようです。

また、三井不動産リアルティは、壁や看板にサンリオのキャラクター「ハローキティ」をあしらった駐車場を設計するなどして家族や観光客の利用増を狙っています。

駐車場シェアサービス

これまではベンチャー企業が中心となっていた駐車場シェアサービスに、駐車場業界大手の参入が相次いでいます。

akippa(アキッパ)は住友商事と連携して参入し、登録駐車場を現在の3倍の2万カ所に増やす計画です。

パーク24は、「B-Times」という新サービスを始めました。これは、土地オーナーが住宅やビルなどで空いている駐車スペースの情報を登録し、利用者とマッチングを図るもので、事前に利用者が予約をしておくことで混雑が予想される地域であっても駐車場探しに苦労しなくて済むというものです。

駐車場シェアは、自動車、家に続く第3のシェアリングエコノミーとして注目を集めています。

パラカの自社保有駐車場

駐車場業界大手のパラカは、自社保有の駐車場の割合を多くすることで、同業他社との差別化を図っています。

コイン駐車場は地主から借りた土地で運営することが多くなっていますが、地主が土地を売却したり、マンションなどを立てようとした場合は、駐車場を閉鎖しなければいけませんでした。また、それ以外にも地主が同業他社の駐車場に乗り換えるというリスクがありますが、自社保有の場合はこうしたリスクなく駐車場ビジネスを展開できるというメリットがあります。

ただ、パラカはむやみに土地を購入して保有するのではなく、マーケティングで住宅や飲食店などが入り組んだ地域などに絞って駐車場を展開させています。

市場動向

駐車場業界の市場規模は増加基調

近年においては、業績が好調な駐車場業界大手企業が相次いで株式上場を果たしており、上場会社の数も売上高も増加傾向にあります。

業界の課題

過剰供給問題

駐車場業は、遊休土地の有効活用やマンション建設までの暫定利用といった側面も合わせもっており、ここ数年都市部を中心に急激に市場を拡大させています。そして、そのなかでもとくに増加しているのがコインパーキングであり、コインパーキングが選ばれる要因としては、

1.遊休土地の有効活用手段としての認識の高まり、 2.契約が一時的なもので地上権等を主張されない、 3.小刻みな時間設定が都市のニーズに合致した、 4.小規模の場合は届け出が不要であること が挙げられます。

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