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【業界研究】重電業界の現状・動向・課題について

更新日:2020年11月06日

就活の業界・企業研究

重電とは、電気機械のうちとくに大型のものを指します。テレビ、洗濯機、電気調理器具、空調機器といった家庭で使われる電気製品(通称、家電)を軽電製品と呼びますが、それに対応する形で発電施設や工業施設、商業施設などで用いられる設備が重電と呼ばれます。

市場動向

重電業界の国内市場は微減にて推移

2015年の国内市場は、前年比1%減の1兆7,374億円となりました。

内訳をみると、 原子力機器は増加(前年比17%増) 送変電機器は微減(同1%減) 発電機器は減少(同21%減) となっています。

原子力機器の増加は原子力施設再稼働対応及び廃炉対応等の影響が要因であり、発電機器の減少は2017年に運転を開始する予定の発電所がないことが要因と考えられています。

業界の課題

ハードウェアを中心とするスタイルからの脱却

日本の重電業界は製品の性能のよさで市場を広げてきましたが、韓国や中国などが猛追の動きをみせています。

両国はまさしく国を挙げて重電機器産業を展開しており、とくに交通システムの分野においては、中国重電各社が中国国内でM&Aを繰り返して巨大化し、国際競争力を持つようになっています。

さらに、注目しなければいけないのは、社会インフラにとっては製品だけではなく、運用・サービスも重要になるということです。性能がよいガスタービンや原子力発電所が導入されても、電力というサービスを安定して供給できる運用技術がなければ意味はありません。

GEはアルストムの火力発電事業を買収した後、アルストムの地元である欧州とアフリカ、中東を中心に、「インダストリアル・インターネット」という重電機器とビッグデータを結びつけるネットワークを確立し、顧客データを分析することで顧客の生産性を高める運用・サービスを開始しています。

重電業界の世界的な市場が大きく変化を遂げようとしているなか、ハードウェア中心に展開する日本の重電メーカーは苦境に立たされています。

業界の今後の将来性

新興国を拠点とした戦略に切り替える必要あり

米GEと独シーメンスを中心に重電業界は世界的な拡大を続けていますが、現在、最も注目されているのが新興国市場です。新興国の中には、電力自由化政策により、海外事業者にも発電開発への参入を認めている国があり、新興国市場での受注数によって今後の業界の体制が決まるといっても過言ではない事態を迎えています。

近年、中国重電企業が相当な勢いで技術的追い上げをみせていますが、この追い上げの背景には、自国市場における重電機器の大量生産、発電所建設の経験とノウハウの蓄積があると考えられています。

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