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更新日:2024年11月11日
電力業界を語る上で忘れていけないのが、東日本大震災です。東北地方を襲った未曾有の大地震は原子力発電所の安全神話を崩壊させ、国内にある全ての原子力発電所が停止する事態にまでなりました。その結果、電力業界内で進んだのが火力発電へのシフトです。
前述したとおり、原子力発電所の事故に伴う原子力政策の見直しは電力業界全体にとって大きな課題です。また、再生可能エネルギーの大量投入、火力電源の親切、リプレイス、地域間における送電網の拡充など、多くのコストを要する対策がたくさんあります。これらの対応をいかにして実施するか。
また、誰が進めていくかを決定しなければならないなど、実行に移す前にもすべきことがたくさんあります。電力広域的運営推進機関(広域機関)の設立や送配電部門の法的分離(発送電分離)などのシステム改革も重要になってくるので、より一層の資金を確保する必要があります。
しかし、電力事業は収益性が高いものではありません。これらのコストアップを事業者の経営合理化などで収縮できるかというと「難しいのではないだろうか」というのが大半の意見です。これからは、そもそもの利益をどう確保し、アップさせるか、という観点も重要になってくるでしょう。
2016年4月から始まった電力の小売全面自由化は、これからの電力業界において大きな影響を及ぼすことになるでしょう。電力業界に属する中小企業も電力の販売を始めており、今後、サービスや価格の競争が更に強くなると思われます。
また、電力の自由化に伴い、これまで電力業界の外にいた企業が多く参入するようになりました。東京ガスや大阪ガス、ENEOSでんき、auでんきなど、都市ガスやガソリン、通信会社…参入している企業の種類もさまざまです。
この事実が示すのは、電力業界は他の業種の企業にとっても非常に参入しやすい業界であることです。今まで電力業界を構成してきた企業は、外から攻めてきたこれらの企業とどう対峙するか、どのような策を講じて対抗するか、電力業界全体をどう盛り上げていくのかなど、様々な意味で目が離せない業界であると言えます。
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