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更新日:2024年11月23日
水産業と農林業をまとめて農林水産業といいます。農林水産業とは人々の生活に必要な食料や木材を生産する仕事のことで、総務省の「日本標準産業分類」では、第一次産業として分類されています。
政府は2011年に六次産業化法を施工し、第一次産業の高付加価値化を推進しています。
これは、水産業界・農林業界(第一次産業)の事業者が自ら、加工(第二次産業)、流通・販売(第三次産業)を手がけることで六次産業となる(1+2+3)という新しいビジネスモデルを提唱する法律です。ただ、官民一体となって取り組もうとはしているものの成功した事業者がほとんど存在せず、苦しい状況になっているのが現状です。
その原因としては、第一次産業の事業者が高付加価値を狙って第二次産業、第三次産業へと進むのは不慣れなゆえに時間やコストがかかり、かえって効率が悪くなることが挙げられます。結局は本業の第一次産業に特化した方が収益化しやすいという矛盾も表面化しており、六次産業化法自体の見直しも含めて検討しなければならない段階にきています。
地球温暖化による水産資源の減少、日本周辺水域における近隣諸国との摩擦、人口減少による国内消費の低下など、現在の水産業を取り巻く環境は厳しいものとなっています。ただ、こういった問題は事業者のみでは解決できないものであることも事実で、政府を中心に水産業界をあげて取り組んでいく必要があります。
また、業界の市場規模をさらに拡大するには、国内市場と比較しても規模の大きい世界市場に目を向ける必要があり、国際社会への日本食文化の発信とともに水産物の輸出拡大も図っていかなくてはなりません。
農林業には、狭い農地面積、就業人口の減少、高齢化による後継者不足、耕作放棄地の拡大といった問題があります。政府はそういった状況のなかで、農業ビジネスを推進させ、生産性を高めるために、農地改革や農協改革をはじめとするさまざまな規制改革に取り組んでおり、農林業界は今大きな転換ポイントを迎えています。
前述した6次産業化法にしても現段階では決して上手くいっているとはいえないものの、その施行による流れのなかで多くの農業参入法人を獲得したことは間違いなく、今後は経営の多角化、規模拡大を課題にしながら、農林業界全体で新しい農林業のビジョンを示していくことが重要となるでしょう。
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サラリーマンをやっていた著者が脱サラして農家となり、培った経験を言葉に変えて出版したものです。センスもなければガッツもないし、努力家でもないと自分を評価する著者ですが、その農業理論は極めて論理的かつ科学的根拠に基づいたもので、農業関係者じゃなくても勉強になる内容となっています。
純粋な業界研究本というわけではありませんが、水産業界・農林業界を目指す方々は目を通してみることをします。
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