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「有難い」の意味と使い方|類語・対義語・言い換え表現も紹介

更新日:2024年08月05日

敬語表現

有難い、さらりと言ってしまう言葉ですが、ビジネスの場では失礼な言葉だと言われています。しかし本当にそうでしょうか。有難いとは、感謝を示す言葉です。失礼には当たりません。しかし、どんな言葉も誤用すると相手に不快感を与えます。使い方に間違いがないか確認しましょう。

「有難い」の意味と使い方は?

「有難い」の意味と使い方は?

有難いは、本来「滅多にないこと」「珍しく貴重」という意味です。枕草子での「ありがたきもの」は、「この世にあるのが難しい」という意味で使われています。そのため、有難いは「滅多にない、稀なこと」を意味していた言葉だということがわかります。 時が流れて、この言葉は、宗教的に意味を持ち、仏の慈悲などを受けている=貴重で得がたいものを得ているという、仏への感謝を示す言葉となり、転じて感謝を表す言葉として広く浸透しました。 このことから有難いは「人の好意などに対し、滅多にないことだ、と感謝する」という意味、雨が上がったなど「自分に都合よく物事が進んだことを喜ぶ・嬉しく思う」という意味、そして「勿体無いと感じること、またとない尊いこと」という意味で使われるようになりました。

使い方は?

有難いの使い方は、大きく分けて三つに分けられます ・人の好意に対して感謝する「感謝の気持ち」を表す ・都合よく物事が進み、嬉しく思う「嬉しい気持ち」を表す ・もったいないと思う「恐れ入る気持ち」を表す 有難いは相手に失礼に当たる言葉でも、ビジネスの場面で不適切な言葉でもありません。しかし、使う場面を誤ったり、言葉を惜しむことで、相手に不快感を与えかねない言葉でもあります。 使い方は、感謝を込めて「ありがたく頂戴します」、嬉しく思う気持ちを込めて「〜していただけるとありがたく存じます」、恐れ多いという意味で「ありがたいご厚意に感謝いたします」と使います。 有難いは、主に口語で使用する場合が多いです。文書やメールでは、ほかにふさわしい表現があります。

クッションとしての「有難い」

また有難いは、依頼の際や依頼を断るときに、クッションの役目もします。「〜していただけると非常に有難いのですが」と依頼に使ったり、「とても有難いお誘いですが、都合がつかず、辞退します」などとやんわりと断る際に使ったりできます。 しかし、有難いをそのまま「有難いです」というように使うと、あまりにもくだけた表現になってしまうので、注意が必要です。 あまりにくだけすぎると、相手に敬意が伝わらなく、反感や怒りを買うことがあります。使う際には、「ありがとうございます」「有難い申し出です。感謝します」と言葉を出し惜しみせずに、感謝の意を伝えましょう。

「有難い」の漢字の意味は?

有難いは、漢字で「有る」「難しい」と表記します。つまり、あることが難しいものという意味で、滅多にない・貴重で珍しいものという意味で使われていました。宗教的な意味で、「貴重な仏の慈悲という、得がたいものを受けている」という感謝の意味があります。 有難いは元々は、お釈迦様が弟子に話した、例え話からきています。お釈迦様が、「人間に生まれたのは、とても有ることが難しい・困難なことなのだよ」と説いたという逸話です。 生きているとは当然のことのようですが、たくさんの偶然が繋がって自分という存在が有るわけです。だから、生きるは有難いことだという解釈になり、「有る」「難しい」で有難いとなりました。

「有難い」とは敬語ですか?

有難いは敬語ではありません。有難いは、形容詞という品詞で、形容詞は「添え言葉」という意味です。例えば「赤い」「長い」というように、名詞を装飾する働きを持つ言葉、名詞や事物の性質や状態を表す言葉です。 そのため、有難いを使う際には、その後ろに言葉をつなげて敬語表現にします。「有難いお気持ちに感謝します」「有難いお誘い、ありがとうございます」とすると、丁寧な印象になります。

「有難い」は丁寧語ですか?

丁寧語ではありません。その前後に続く言葉で、丁寧な言葉にします。「有難いです」は一見丁寧なように見えますが、非常にフランクな印象を受けます。 「有難い」という気持ちを表すのであれば、言葉をケチらずに、きちんと「ありがとうございます」「有難い〜です。感謝します」と感謝を述べましょう。 有難いは、少しくだけた表現であることを忘れてはいけません。相手との距離感によっては、怒りを買うこともあります。

「有難い」の類語はどんなものがあるの?

ありがとうという、感謝と誠意を持って伝える言葉は多くあります。今では使うことは少ないですが、古い言葉には「かたじけない」があります。お侍さんが使いそうな言葉なので、現在ではあまり使いません。 そのほかには、「恐れ多い」や「幸いです」などが同じ使い方ができます。また「非常に有難いこと、また嬉しいという気持ち」を表す「幸甚」という言葉がありますが、少し堅苦しい表現です。これは口語で使用せずに、文章に使用します。 しかし「幸甚」はあまり乱用しすぎると、意味が軽くなり、「とりあえず形式だけ」という感が否めません。この言葉は、ここぞというときに使うと意味が重くなり、重宝します。

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初回公開日:2018年02月19日

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