IT人材のためのキャリアライフスタイルマガジン

「戦略」と「戦術」の意味とは?違いの具体例もあわせて紹介

更新日:2024年06月30日

言葉の意味・例文

「戦略」と「戦術」の2つの言葉の使い方について、悩む方は多いのではないでしょうか。この記事では「戦略」と「戦術」の意味や違い、使い方などについて詳しく解説しています。この記事を読めばあなたも「戦略」と「戦術」の違いを理解し、使い方をマスターできるでしょう。

まず重要なことは、そもそも計画を立てた目的を忘れないことです。目的を忘れないなんて当たり前と思われるかもしれませんが、実は事業を進めていくと意外と忘れてしまっていることが多いのです。 最初に企業としての目標を立てたはずなのに、気づいたらただ金もうけをするだけになってしまい、どんな手を使ってもいいという戦略や戦術を立ててしまうこともあります。 企業としての目的が異なれば戦略や戦術も変わってくるものです。例えば、一般人を相手にすることを目指すのと経営者を相手にすることを目指すのでは、その戦略・戦術は違ってくるはずです。 以上のことから、戦略や戦術を立てる前には、どんな目的のために戦略・戦術を立てるかをしっかりと考えることが必要でしょう。

戦略から戦術への順を間違えない

次に、戦略から戦術の順で考えることです。大局的・長期的な目的を立てる戦略から具体的な戦術を考えないと、そもそものターゲットや業態を間違ってしまう恐れがあり、時間やお金、労力が無駄になってしまうことが多いです。 例えば、商品の広告のため大きな予算を使ってメディアへの露出を増やしたとします。しかし、半年経ってもいっこうに売り上げが上がりません。 よく考えると、売ろうとしている商品は10代~20代をターゲットとしており、雑誌やテレビよりもSNSをよく利用している世代だということがわかりました。 これではいくらメディア露出の予算を使っても、そもそも雑誌やテレビをあまり見ない時点で間違っていることがわかります。 こういった間違いをしないためにも、必ず戦略から戦術の順で計画を立てましょう。

現状を正確に把握する

他のポイントとしては、現状を正確に把握してから戦略や戦術を立てるということです。戦略や戦術を立てる前に現状把握ができていないと、せっかくの計画が机上の空論になってしまうからです。 例えば、同業他社が商品を店舗販売したことで大きな業績をあげており、その方法を真似て店舗を新しく建てて販売しようとしたとします。しかし、そもそも他社と自社では財政規模に違いがあり、店舗を立てる予算も捻出できない企業では、その販売方法は適していません。 もちろん、様々な方法を考えることは非常に大切なことですが、予算や市場、ターゲットを正確に把握しないと事業の成功にはつながりません。 正確な現状の把握は、良い戦略と戦術を立てることには不可欠です。

集団知を結集して施策に反映する

最後に、集団知を結集して施策に反映することです。特に社長が絶対的な権利をもつ企業では、社員の話に耳を傾けることが重要です。 なぜかというと、1人の人間にできることには限界があり、社内で起こることを社長1人ですべて把握することは現実的に不可能だからです。人には得手不得手がありますし、考えることができるアイデアにも限界があります。多くの社員のアイデアを結集しないと、良い戦略や戦術はつくれないのです。 例えば、「サンコー」という会社では、全社員で商品のアイデア出しを行います。集められたアイデアは商品企画部で話し合われ、商品化の可能性が高いアイデアには最大1万円の報酬が出るそうです。この戦略によってサンコーの2020年の売り上げは前年比約250%アップし、約44億円となりました。 上記のように、多くの人が様々な視点からアイデアを出すことで、新しいものが生まれます。決して社長1人で考えず、まずは部下の意見を聞いてみるということが大切です。

「戦略」と「戦術」の英語表現

「戦略」と「戦術」には、それぞれ英語表現が存在し、「戦略」は「strategy」、「戦術」は「tactics」と表現します。 ビジネスシーンにおいては英語表現もよく使いますので、それぞれの意味や使い方について理解しておくとよいでしょう。

戦略はstrategy

「戦略」は「strategy」であらわします。「strategy」には戦略、計画、策略、駆け引きといった意味があります。 また、例文には以下のようなものがあります。「strategy」はビジネスシーンでよく使われる言葉ですので、覚えておくとよいでしょう。

例文
  • I will build a carefully thought out of strategy.(緻密な作戦を立てる)
  • The action of planning out a strategy.(戦略を考えること)

戦術はtactics

「戦術」は「tactics」であらわします。「tactics」には戦術、戦法、作戦、手順といった意味があります。 また、例文には以下のようなものがあります。「tactics」はビジネスシーンだけでなく、スポーツの世界でも「試合運び」などの意味でよく使われる英語表現です。

例文
  • The baseball team is very skillful in tactics.(あの野球チームは試合運び[戦術]が巧みだ)
  • It seems our tactics are not effective.(私たちの戦術はうまく機能していないようだ)

作戦はoperation

「戦略」と「戦術」のほかによく混同されやすいのが「作戦」です。作戦は戦略と戦術の中間にあるものですが、戦術との境界があいまいなため、一般的には「戦略」と「戦術」に分けられることが多いです。 「作戦は」英語では「operation」で表現されます。「operation」には作戦のほかに運営、作業、手術、運転などといった意味があります。 また、例文には以下のようなものがあります。「作戦」は「戦略」や「戦術」とよく混同される言葉ですので、違いについてしっかり理解したうえで使うようにしましょう。

例文
  • He knows nothing about the operation of this computer.(彼はこのコンピューターの操作について何も知らない)
  • They haven’t brought the machine into operation yet.(彼らはまだ機械を作動させていない)
次のページ:「戦略」と「戦術」の違いを理解しよう
初回公開日:2018年02月17日

記載されている内容は2018年02月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

関連タグ

アクセスランキング