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「頂けます」の意味と使い方|頂けますよう/頂けますでしょうか

更新日:2024年06月30日

言葉の意味・例文

日常的にもよく使われている「頂きます」。あなたは正しい使い方が出来ているでしょうか?この記事では「頂きます」の使い方や意味、似ている言葉との使い分けについてご説明しています。正しい日本語について理解したい方や、これから社会に出る方は、ぜひ読んでみて下さい。

「頂けますでしょうか」は二重敬語!

二重敬語とは、同じ種類の敬語を重ねて使うことです。 「頂けますでしょうか」は「頂けます」という謙譲語と「〜でしょうか」という丁寧語の2つの敬語が存在しているため、二重敬語となり、日本語の使い方としては間違っております。 意外とよくレジの店員が使ってる「頂戴いたします」も二重敬語になるため、日本語としては誤りです。これは「頂戴」が「もらう」の謙譲語であり、「いたします」も謙譲語なため、二重敬語になります。 一見「頂けますでしょうか」という表現は、相手への敬意を高めた言い方のように感じますが、二重敬語になるので誤った表現方法です。人によっては「まわりくどい」と感じてしまうこともあるため、二重敬語にならないよう注意しましょう。特にビジネスシーンにおいては、相手からの印象が悪くなってしまいますので、気をつけて下さい。

「頂けます」と「いただけます」の違いは?

「頂けます」も「いただけます」も読み方は全く同じですが、実はひらがなと漢字の違いによって使われ方が異なります。 「もらう」「飲食する」という意味の動詞の謙譲語として使う場合は、漢字の「頂く」を使用します。 動詞に補助的な役割をもたせる場合(補助動詞といいます)には、ひらがなの「いただく」を使います。名詞の後ろにつくと「頂く」で、動詞の後ろにつくのが「いただく」と覚えておけば大丈夫です。 もう少し分かりやすいように、例文を使ってご説明します。

「頂く」「いただく」それぞれの例文

たとえば、「ジュースを頂く」「お昼ご飯を頂く」で使われている「頂く」は、「もらう」「飲食する」という意味の動詞の謙譲語です。ですので、この場合は漢字の「頂く」が正解です。 ひらがなの「いただく」を使う場合は、「参考にしていただく」「ご覧いただく」など、「参考にする」や「ご覧になる」の動詞の後ろにつくものはひらがなの表記です。これの一番の特徴は、「いただく」そのものの単語に意味を持ちません。 前述した漢字表記の「頂く」は、「もらう」や「飲食する」の謙譲語です。つまり、「頂く」という単語自体に「〜をもらう」「〜を飲食する」という意味が存在します。一方、ひらがな表記の「いただく」には、それ単体には意味を持ちません。 このように、「頂く」と「いただく」では使われ方が全く異なります。

「頂けます」と「下さいます」の違いは?

「頂けます」は、これまで色々と説明してきたように「〜をもらうことができる」という意味で、「頂く」という謙譲語に可能の助動詞がついたものになります。 一方、「下さいます」の「下さる」も「〜を与えてもらう」という、意味としては「頂く」と同じように使われます。 この両者の決定的な違いは、謙譲語か尊敬語かの違いです。 「頂けます」は、自分を下に置いてへりくだることによって、相手を上に立てる意図で使われます。これが謙譲語です。「下さいます」は尊敬語にあたり、自分より目上の人に対して使われます。使う相手やシーンによって「頂けます」「下さいます」を使い分けましょう。

謙譲語と尊敬語の使い分けは?

敬語の種類の「尊敬語」と「謙譲語」の使い分けについて簡単にご説明します。 どちらも敬語には変わりありませんが、実は使い方が異なります。覚え方としては、「尊敬語」は相手の動作を表す時に、「謙譲語」は自分の動作を表したい時に使います。 例えば、「ご飯を食べる」という例文で考えてみます。「自分がご飯を食べた」と言いたい場合は、「ご飯を頂いた」という謙譲語を使用します。「先輩がご飯を食べた」と言いたい場合は「ご飯をお召し上がりになった」という尊敬語を使用します。 このように、動作をするのが自分なのか相手なのかによって、尊敬語と謙譲語を使い分けます。

シーンによって上手に使い分けよう!

以上のように、「頂けます(いただけます)」で同じ読み方でも、漢字とひらがなで使い方のルールが異なりますし、「頂きます」「頂けます」のように一文字違うだけでも意味の変わる文章になります。 また、言葉を丁寧にしたいがために、意外と多くの方が使ってる「頂けますでしょうか」の二重敬語も間違った敬語表現です。 同じような意味を持つ単語でも、謙譲語と尊敬語では使われ方が違いますので、使う用途やシーンによって、上手に使い分けをしましょう。 きれいな日本語を使われる方は、相手からの印象がぐんと良くなります。自分の話す言葉が二重敬語になっていないか、謙譲語と尊敬語の使い分けはできているのかなど、普段から意識しましょう。

初回公開日:2018年02月20日

記載されている内容は2018年02月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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