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役不足の反対の意味・反対語・類語・役者不足はあっているのか

更新日:2024年01月08日

言葉の意味・例文

挨拶やスピーチで耳にする役不足という言葉は、多くの人が反対の意味に間違って使っています。この記事では、役不足の本来の意味や誤用されている反対の意味について具体的に紹介しています。社会人として恥をかかないためにも、ぜひお役立て下さい。

役不足を自分に使う場合の誤用は「そのような大役は、自分にとって身に余る光栄です」という意味合いで用いられることが大半です。つまり、あてがわれた仕事や役割に対して、自分の力量を超過していると謙遜して使われます。反対の意味で誤用される意味に相当する言葉を以下に挙げましょう。 ・僭越 身分をこえること・分際をこえることという意味です。「僭越ながら、私の意見を述べさせていただきます」 ・過分 地位・能力・労力に相当した程度をこえることという意味です。「過分なお言葉、光栄に存じます」 ・身の丈に合わない 身分・地位をこえていることという意味です。「身の丈に合わない野心を持つ」

自分に使う場合の誤用を本来の意味に変換すると

上述したように、役不足を勘違いして用いてしまうと、色々な弊害がある事は想像に難くないでしょう。「私には役不足です」を誤用の意味と本来の意味で検証しましょう。 誤用の意味 「自分の能力に余るほどの重大な任務を仰せつかって光栄に存じます」というように、へりくだって謙虚な様子です。 本来の意味 「ポテンシャルの高い自分にとって、こんな程度の低い仕事は不満である」というように、謙虚な誤用とは一転して正反対の意味になり、尊大な印象を与えてしまいます。

人に使う場合の誤用

役不足を人に対して使う場合の誤用はどうでしょう。「そのような役目は君にとっては役不足だ」を誤用の意味で考えると「そのような重大な任務は君にとっては荷が重すぎる」となります。しかし、本来の意味に変換すると「その任務は君にとって楽勝だから、おもしろくないだろう」という正反対の意味合いになります。 つまり、与えられた役割に見合った力量がないことを示唆するつもりが、力量に比べて役割が軽いと、反対に相手を持ち上げる形になってしまいます。

誤用がもたらすもの

以上のように、役不足の誤用の意味は、本来の意味に乖離しているため注意が必要です。力不足のつもりで謙遜して用いてしまうと、自信過剰で鼻持ちならない人間だと誤解されかねないし、アドバイスのつもりで役不足を誤用すると、相手がつけあがって本末転倒になりかねません。 いずれにしても、うろ覚えで言葉を用いてしまうと、本来の意図とは反対の結末を迎えることになるので、きちんと見定めて使いましょう。

役不足の反対は役者不足であっているのか

役不足や力不足とともに「役者不足」という言葉も往々にして聞かれますが、一体どういう意味があるのでしょうか。役者不足を辞書で調べても掲載はありません。なぜなら役者不足は、役不足や力不足、力量不足などと混同して誤用される造語だからです。 役不足の正反対の意味である力不足や力量不足が間違って使われ、それに加えて「役」や「役者」、「不足」など既存の言葉が組み合わさって「役者不足」という言葉が誤用されるようになったと考えられます。役者不足をしいて使うなら、文字どおり「役者が不足している」場面で用いることが適当でしょう。

自分の言葉に責任を持とう

役不足の反対の意味や反対語、用例などについて紹介しました。役不足は多くの人が誤用しているため、本来の意味とは正反対の意味で認識していた人も多いのではないでしょうか。本来の意味を理解すると、誤用は、不義理で困惑を与えてしまう言葉であることに気づいた事でしょう。 とかく日本語は、間違って使われる事が往々にしてあり、誤用の意味が新たに辞書に追加されることもままあります。しかし、役不足のように誤用の持つ意味が正反対では、取り繕う事ができません。一度口にした言葉は、本意、不本意に関わらず引っ込めることはできないため、社会人として教養を身につけ、発した言葉に責任を持ちましょう。

初回公開日:2018年01月22日

記載されている内容は2018年01月22日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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