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「償却」の意味・保証金の償却とは何か・不動産用語としての意味

更新日:2023年11月12日

言葉の意味・例文

「償却」という言葉は、聞いたことはあるけれど、自分で意味を調べたことはない、という方も多いでしょう。本記事では、「償却」を使っている用語の意味についてご紹介します。辞書に掲載されている意味との、違いなどを確認してみてください。

不動産賃貸借の契約締結の際に必要となる「敷金」とは、一般的には、解約時に返還される費用として理解されています。賃借期間内に、物件を破損させたり、解約時の原状回復費用が発生した場合は、敷金から差し引かれると、理解している人も多いでしょう。 しかし、物件によっては、「敷金償却」と書かれているものもあります。「敷金償却」を知らずに、従来の「敷金」のイメージで契約を締結してしまうと、最終的に損をした気分になる可能性があるので、注意が必要です。 敷金償却とは、現状回復費用として、敷金から充当されるものの、あまった敷金も、借主に返却されず、そのまま貸主の資産となります。「償還率」や「敷引き」という言葉が使われているので、賃貸契約を結ぶ際は、注意して確認しましょう。

家賃

不動産用語には、「家賃償却」という言葉もあります。その意味は、「家賃は、無条件に貸主のお財布に入ります」、つまり、「返還できません」という意味だと思えば良いでしょう。家賃は、貸主に帰属するのが普通なので、あえて「償却」をつけているのは、途中解約などを意識している場合などでしょう。 家賃償却は、賃貸借契約締結時の、敷金の説明で使われていることが多いようです。「敷金は家賃3ヶ月分とし、2ヶ月分の家賃は解約時に償却されます」といった内容が書かれていたら、たとえ、原状回復費用がかからないとしても、2ヶ月分は戻ってこないと理解しなければなりません。 原状回復費用が発生した場合、この2ヶ月分から原状回復費用に当てられるのか、残りの1ヶ月分が使われるのかは、契約時に不動産業者や貸主に、確認しておいた方が良いでしょう。

テナント

テナントとして店舗を借りる場合などは、住宅の賃貸契約よりも、償却率も高く、「償却」という名目で、契約時のお金の多くが戻ってこないことになります。償却率が高い理由についても、明示されていないことが多いので、不動産業者に確認してみるべき内容といえます。

各分野での「償却」の意味

不動産用語以外でも、「償却」という言葉が使われているものについて、内容と意味をご紹介します。

企業会計の「のれん償却」

「のれん償却」とは、企業の勘定科目です。「のれん」の「償却」費目です。企業の勘定科目で「のれん」として計上できるのは、合併など、企業の組織再編が行われた場合に「(相手企業を)購入した価格」と「被承継会社(合併後に名前が残る会社など)の資産-負債」の差額です。「のれん償却」とは、企業の持つ「ブランド力」に関する費用といえます。 「のれん償却」とは、ブランド力を組織再編という形で買い入れ、一定期間で償却するという意味を持つ、勘定科目だと理解すれば良いでしょう。

無形固定資産の減価償却

会計上の、「減価償却」を行う場合は、有形固定資産と無形固定資産で、減価償却の方法が異なります。有形固定資産は、不動産などですが、無形固定資産は、ソフトウェアなどが該当し、減価償却の方法も「定額法」のみです。

債権償却

バブル崩壊後、「不良債権の償却」という言葉を何度も耳にしました。「債権の償却」とは、債務者が倒産するなど、回収の見込みがなくなった債権を、回収不能債権として損失計上するという意味です。

会計上の「償却」の意味を覚えておきましょう

「償却」の意味としては、国語辞書に掲載されている「償還」の意味をもちろんありますが、ビジネスシーンなどでは、会計の「減価償却」の意味を表すために、簡略的に「償却」が使われています。会計や不動産の用語として、使われている「償却」の意味を覚えておけば、アパート・マンションなどの物件契約のときも、まごつかずに済みます。 不動産契約の際など、「知らない言葉が契約書に書かれていて、よくわからなかった」という状態で契約を締結してしまうことのないように、まず、不動産にまつわる「償却」の意味だけでも、覚えておきましょう。

初回公開日:2018年01月12日

記載されている内容は2018年01月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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