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「償却」の意味・保証金の償却とは何か・不動産用語としての意味

更新日:2023年11月12日

言葉の意味・例文

「償却」という言葉は、聞いたことはあるけれど、自分で意味を調べたことはない、という方も多いでしょう。本記事では、「償却」を使っている用語の意味についてご紹介します。辞書に掲載されている意味との、違いなどを確認してみてください。

「償却」の意味

「償却」には、「借金などをすっかり返すこと」という意味があります。「償還」と言い換えることもできます。「借入金を償却する」とは、借りていたお金を返却し、借入金の残額が減る、もしくは、ゼロになった、という意味です。 単に「償却」と言っている場合でも、「減価償却」の意味で使うこともあります。「償却資産」といえば、「減価償却の対象となる資産」という意味になります。「減価償却」とは経理用語で、「使用したり、時間が経つことで、所持している資産の価値が減少することを見積もり、減少見込みを耐用年数に割り当て、費用として配分する会計上の手続き」の意味になります。

減価償却

減価償却を、車の購入を例に考えてみましょう。100万円で車を購入すると、現金は100万円減りますが、100万円の価値の車が自分の元に残るので、自分の資産はプラスマイナスゼロです。車を、5年間乗る前提で購入した場合で、5年後には、車は20万円でしか売れないことが予測されるなら、5年間で80万円の資産価値が減少することになります。 購入した車は、5年間で、毎年16万円ずつ価値が減るということになります。この減っていく価値を、毎年の予定費用として捉えようという考え方が、減価償却の考え方です。

保証金の償却とは何か

「保証金の償却」に、「償却」の意味をそのまま当てはめると、「保証金を返すこと」「保証金の償還」という意味になりますが、ここで使われている「償却」は「減価償却」に近い意味になります。ここでいう、「保証金」とは、賃貸借契約の際に、貸主に預け入れる「保証金」を意味しています。 賃貸借契約の際に、貸主に預け入れる保証金の、本来の用途は、借主の賃料滞納などにより、貸主が受ける損害を回避するためのものです。なんの問題もなく、契約が終了すれば、貸主から借主に、保証金が返還されます。「保証金の償却率」が設定されていない保証金であれば、預けたときの金額が、そのまま返還されます。 しかし、「保証金の償却率○%」とされている契約の場合は、1年ごと○%が貸主の収入として充当されてしまい、借主に返還されるのは、預入額から、(償却率×賃借年数)分を減額された金額しか、返還されません。

不動産用語の「償却」の意味

不動産用語の中で使われている「償却」は、「償還されないお金」の意味と捉えれば良いでしょう。「減価償却」の一種と考えることもできます。 不動産の中でも、土地は減価償却の対象資産にはなりません。「償却」という言葉は、不動産用語としては、主に建物に対して使われる言葉になります。

アパート・マンション

アパート・マンション経営をしている場合、アパート・マンションの経営で得た収入は、確定申告する必要があります。確定申告の際には、経費として「減価償却費」を申告することができます。減価償却費は、アパート・マンション経営の経費として、大きな割合を占めます。 減価償却費は、アパートやマンションの材質によって、大きく異なります。鉄筋コンクリート造と木造では、1年で計上できる減価償却費は、木造が鉄筋コンクリート造の倍以上になります。しかし、償却期間は、鉄筋コンクリート造の方が長い期間、減価償却費を計上できます。 不動産投資を考える場合も、アパート・マンションなどの、材質・構造によって、減価償却として計上できる金額に差異があることは、知っておいた方が良いでしょう。

賃貸

不動産賃貸においては、賃貸契約を締結する際に、いろいろな費用が必要となります。そのなかには、解約時や契約終了時に「償却する」と明記されている費用や、「償却」とは別の用語が使用されているものの、実質償却される費用などがあります。 賃貸契約を締結する際には、償却されてしまう費用なのか、否かについて、確認する必要があります。また、償却される場合も、償却されるタイミングが解約時なのか、契約終了時なのかによっても、借主の負担が異なるので、契約締結時に確認すべき事項といえます。 また、保証金などの「償却」は、なんのための償却か、明確になっていないことが多いので、原状回復費用として使われるのか、原状回復費用が別途必要になるのかについても、確認しておくべきでしょう。

礼金

不動産賃貸借の契約の際に、「礼金」が必要になることがあります。この礼金は、貸主である大家さんに、「お礼のために差し上げるお金」です。礼金は、税務上の繰延資産として計上することができ、償却期間などが定められています。 償却期間については、基本は5年で計上します。ただし、賃借期間が5年未満で、契約の更新時に、再度礼金の類の支払いが必要となる場合は、償却期間も賃借契約期間で計上します。つまり、2年間の契約期間の場合でも、基本的には、5年で償却します。しかし、この契約が終了したら、再度礼金を払い直すという取り決めがある場合は、2年で償却します。

敷金

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初回公開日:2018年01月12日

記載されている内容は2018年01月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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