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更新日:2024年06月21日
「制服貸与」など、求人情報には「貸与」という言葉が多用されています。よく見かける言葉だからこそ、「正しい意味を知っている」と勘違いしていることもあります。あいまいな理解で、大切な条件を勘違いしてしまうことのないよう、本記事では貸与の意味についてご紹介します。
貸与は、「たいよ」と読みます。それ以外の読み方はなく、また「たいよ」と読む他の熟語もありません。パソコンなどのワープロ機能で「たいよ」と入力すれば、「貸与」とすぐに変換されます。
日常的に使う熟語で、「たいよ」と読むものは「貸与」のみなので、ワープロ変換で誤字変換する危険性はありません。
「貸与」の意味は、熟語を構成している漢字が持つ意味そのものです。「貸」+「与」で構成されいているので、意味は、「貸し与えること」になります。もう少し意味の深読みをすると、「貸与」は、与えるだけではなく、貸し与えることを意味しているので、その先に「返却」が必要であることまで、意味しています。 例えば、「奨学金の給付」は、返還する必要がない奨学金が支給されることですが、「奨学金の貸与」は、決められた条件に基づいて、卒業後に返却しなければならない奨学金が支給されます。前者は「もらったもの」と捉えればよく、後者は一種の借財であると捉えるべきものです。
「貸与」は、貸し与えることを意味し、物を貸したあと、その物が返却されるまでを示唆しています。物を「貸すこと」は、もともと「返してもらうこと」までがセットになる行動です。それでは、単に「○○を貸します」というのと、「○○を貸与します」というのでは、意味が異なるのでしょうか。同義なのでしょうか。 「貸与」と「貸す」は、同義語なので、同じ意味だということができます。「貸す」というと、貸すその瞬間をイメージし、「貸与」というと、ある期間中貸しているというイメージになります。
貸与には「与える」という意味が含まれます。貸すだけではなく、与えてもいる、と読み取ることができます。単に「貸す」というと、物を貸したという事実は伝わりますが、時間的な背景などまでは、言葉から読み取ることはできません。「○○を貸与する」という使われ方からは、貸与された物が、その人の所有物となるイメージを受けます。 貸与は、買取ではなく、あくまでも貸出品ですが、与えられた人の支配配下にある物という扱いになります。契約など、貸与期間が経過するまでは、まるで与えられた人の、持ち物かのように使えます。しかし、あくまでも借り物なので、契約による期間が経過したら、物は手元に残らず、貸与元に返すことになります。
貸与は、「貸し与える」という意味なので、貸す側の人間が使う言葉です。「○○を貸与する」は、持主が、その○○を必要としている人に、貸してあげるときに使います。貸与する物の所有者が使う言葉であることを知っておきましょう。貸してもらう側の人間は、「○○を貸与される」と受け身で「貸与」を使用するか、「○○を借用する」のように、「借用」を使用します。 では、実際に「貸与」を使う文例をみながら、「貸与」に含まれている意味を把握しましょう。文例にある「貸与」を「貸した」に置き換えて、言葉から受けるニュアンスの違いを感じてみましょう。
「資金を貸与する」とされている場合は、「資金を貸し付ける」場合に比べると、返却の際に求められる利息や元本の扱いが異なります。通常の資金貸付では、元本に対し、貸借期間の利息が加算された金額を、契約終了時に返却します。資金貸与の場合は、課された条件をクリアすることで、返還が免除されたり、利息が優遇されたり、返還に要する期間が緩和されたりします。 借金のイメージとは、異なり、資金貸与は、返還に関しても、画一的ではなく、条件によって返還方法や内容が異なる、柔軟性のある資金提供を意味しています。 【文例】 医師不足地域において将来医師の業務に従事しようとする者に対し、医師修学資金を貸与する。
例えば、会社の「制服を貸与する」とされている場合は、渡された制服は、その会社を辞めたり、制服が変わったりしない限り、ずっと同じ人(渡された人)のものです。太ってサイズが合わなくなった場合は、それまでの制服を返し、合うサイズの制服を新たに「貸与」してもらうことになります。 【文例】 制服貸与なし。各自白ブラウスと黒パンツを着用のこと。
記載されている内容は2017年12月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
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