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更新日:2024年08月06日
敬語として良く使われる「しており」という言葉は、ニュースなどでも「○○などと供述しており」「発言しており」など頻繁に使われています。しかし、実際に使おうとすると似たような言葉で迷うこともあるでしょう。「しており」の正しい使い方について詳しく紹介します。
目次
「しており」は、どういう意味でどういった使われ方をするのでしょうか。「しており」は文法的には次のように成り立っています。 「して」は、動詞「する」の連用形「し」に接続助詞「て」の付いたもので、行為や状態を表します。「おり」は動詞「居る」の変化形で、存在を意味します。「おり」は、「いる」の謙譲語に似た丁重語であり、存在していることを相手に敬意をもって伝える時に使用します。 「しており」は「していて」に由来する言葉で、意味は「していて」と同じように動作の継続を表し、単独で使う場合は読点がつき文章が一旦中止し、次に文章が続きます。 それでは、なぜ「していて」と言わずに「しており」を使うのでしょうか。これから「しており」について詳しく説明していきます。
「丁重語」とは、先にも出てきた言葉ですが、改めてどういった意味なのでしょうか。「丁重語」とは、自分の動作をへりくだることで敬意を表すものの、高める相手がいない場合に用いるのが丁重語です。 「丁重語」と同じような使われ方をする「謙譲語」ですが、こちらは自分の動作をへりくだることで、相手を高めてその人物に対しての敬意を表す言葉です。 例えば、「明日は晴れの予報がでており、~」というのはニュースなどで聞かれる文章ですが、「していて」ではなく「しており」と使うのは、テレビの視聴者に対して敬意を表したいためであり、文法的には丁重語だと言えます。
連用形中止法という言葉は普段あまり耳にしない言葉ですが、なぜここで出てきたかというと、文頭で述べたように文が途中一旦中止し、次の文章につながる形をいい、これが「しており」の使い方の一つになるからです。 「よく食べ、よく眠る」「朝は掃除をし、洗濯をする」といったように、文章が連用形になっています。例文のように「食べ」という表現で、文章を一旦中止し、次の文章につなげています。 「しており」は単独で使うとなると、このような連用形中止法として使われることがあります。例えば、「現地には駐在員が行っており、~」「桜前線が南下しており、~」というのも連用形中止法ということができます。
「しており」は書き言葉として使われることも、話し言葉で使われることもあります。書き言葉として使う場合、「しており」のあとに読点をつけましょう。 例えば、「ご無沙汰しており、申し訳ございません」という文章を書く場合というのは、ビジネスシーンで使われることが多いのではないでしょうか。目上の人へのメールなどでは使うこともあるかもれませんが、この「しており」という形を使う場合、どうしても堅い文章になってしまいます。 それでは、友人に宛てた手紙でしたらどうでしょう。「ご無沙汰しておりますが、お元気ですか」といったように、「しており」を「しておりますが」に変化させると自然な文章になります。
「しており」を話し言葉で使う場合を考えます。例えば、スーパーやデパートなどでの店内放送で、「ただ今、店内が大変混雑しており、皆様には大変ご迷惑をおかけしております」といったように使われます。 企業での製品の試飲会では、「この製品は、わたくしどももすでに試飲しており、効果を実感しております」といった表現が使われるでしょう。 「しており」が話し言葉として使われる場合も、書き言葉同様に、少し堅い文章に使われる場合が多いでしょう。
「していて」を話し言葉として使う例文として、「その時は、お風呂に入っていて、電話に出られませんでした」「バレエ教室に通っていて、その時間は空いていません」といったように使われ、「していて」は動詞の進行形や動詞の状態として表されます。
「しており」には同じ使い方でも二通りの意味が存在します。先述した例文を使います。 ①「バレエ教室に通っており、その時間は空いていません。」 ②「その時は、お風呂に入っており、電話に出られませんでした。」 ①は最近の常のこととして、物事に取り組んでいることを表します。②はその時間、ある行動に取り組んでいることを表します。 この分類に基づき、「しており」の類語をあげてみます。
記載されている内容は2018年02月15日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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