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「そちら」は敬語か・正しい使い方・会社などに使う場合の表現

初回公開日:2017年11月18日

更新日:2020年02月04日

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敬語

ビジネスシーンで「そちら」という言葉を、丁寧な敬語表現にしたいことがよくあるでしょう。そんな時、相応しい表現がすっと出てこないことがありませんか?ここでは、「そちら」の基本の意味から振り返り、「そちら」の敬語表現や会社内外で使える「そちら」などをご紹介します。

「そちら」は敬語?

「そちら」は、こそあど言葉「あっち・こっち・そっち・どっち」のうちの「そっち」にあたります。丁寧な言葉ですが敬語とは区別され、「そっち」の改まり語が「そちら」です。 「そちら」の使い方には、指示代名詞と人称代名詞の使い方があり、人称代名詞では二人称、または三人称として使われます。

「そちら」の基本的な使い方

「そちら」の使い方を、あらためて振り返りましょう。

指示代名詞

指示代名詞とは、ことや方向や指す言葉です。 「そちら」は、聞き手に近い方向を指します。たとえば、立っている聞き手の横にある椅子を指し、「そちらのお席にお座りください。」と案内したりします。また、聞き手のいる方向を指す時もあります。 聞き手の近くにあるものを指すこともあり、「お客様のお手元右側、そちらのスイッチを押してください。」などと表現することもあるでしょう。 敬語ではありませんが、「そっち」などの他の指示代名詞よりは、充分に丁寧な表現です。

人称代名詞

人称代名詞手は、話し手、聞き手、話の中に出てきた人や物を指すための言葉です。 二人称の「そちら」は、「私が話をする前に、そちらのお話を伺います。」などと聞き手本人、または「そちら側」として聞き手の側を指すこともあります。 三人称としては、聞き手のそばにいる人を指します。「ご一緒のそちら様のお名前も伺えますか?」などの使い方ができるでしょう。まれに、話し手と地位が同じくらいの人を指して「そちら」とすることもあります。

「それ」と「そちら」は違う?

「それ」は、敬語でも改まり語でもありません。「あれ・これ・それ・どれ」の代名詞のひとつです。 「それ」は、話し手とりも聞き手に近い物事を指し、「それは私の靴です。」などと使います。また、すでに取り上げた話題を再度取り上げる時にも「それ」で表します。たとえば、「それとこれは、全く別な話です。」や「それはそれでいいと思うよ。」などの「それ」にあたります。 書き言葉の「それ」は、話題だけでなく、名詞を繰り返すときに使うことがあり、「北海道の面積は、九州のそれの2倍以上あります。」などと使います。

「そちら」の敬語の正しい使い方とは?

「そちら」はすでに丁寧な言葉ですが、ビジネスシーンではより丁寧な表現にしたい時があります。「そちら」そのものは、代名詞なのでこれ以上丁寧な敬語にすることはできません。 しかし、丁寧な言葉を付け足したり、置き換えたりして、より敬語らしい丁寧な表現にすることは可能です。

ビジネスメールでの「そちら」の敬語表現

ビジネスメールで「そちら」を丁寧な表現にしたい時に使える敬語表現は、「そちら様」や「そちらの方」などでしょう。これは、相手の側を指す人称代名詞としての使い方です。

例文

「そちら様のご都合で決めていただいても、問題ありません。」 「そちらの方とご相談のうえ、再度ご連絡ください。」 場合によっては、「そちら様」も「そちらの方」も、敬語の「お連れ様」に置き換えた方がより丁寧で相応しい表現になることもあります。また、「そちら様」の名前がはっきりわかっているならば、「○○様」と名前にしたほうが具体的で、敬語以上に丁寧になります。

電話での「そちら」は?

電話で「そちら」を使う時には、電話の相手を指しているでしょう。相手個人を指している場合で名前がわからないのであれば、電話でも「そちら様」と敬語表現することができます。ビジネスメールと同様、名前がわかっているのなら、「○○様」とする方が丁寧と言えます。 電話での「そちら」が、会社や団体を指す場合には、以下を参考にしてください。

会社に対して使う場合の「そちら」の敬語表現

電話や会話の相手の会社を指して「そちら」という場合にも、「そちら様」でも表現することはできます。しかし、会社に対して「そちら」という表現を使うのは、前後の文脈や人の敬語の感覚で丁寧に感じない人も少ないでしょう。 相手の会社を「そちら」にかわることばで表現するなら、敬語の「御社」(おんしゃ)か「貴社」(きしゃ)になります。「御社」は、一般的には会話などの話し言葉の敬語として使われる言葉で、「貴社」は書き言葉での敬語で使われます。 「貴社」(きしゃ)は、記者・帰社・帰社などの同音異義語が多いため、話し言葉で使うには相応しくないとされています。

会社以外の団体に対して使う場合の「そちら」の敬語表現

会社以外の団体に対して使う「そちら」を丁寧にしたいのであれば、会社と同じように話し言葉の敬語「御」と書き言葉の敬語「貴」の使い分けがあります。 学校は、小学校から高校、専門学校などの敬語で「御/貴校」、大学は「貴学」というのが一般的です。「御学」という表現は一般的ではないので、話し言葉の際には「そちらの大学」というか具体的な大学名に置き換えるのがいいでしょう。 病院は、「御/貴院」になります。クリニックの場合には、「貴クリニック」と書き言葉にすることはありますが、「御クリニック」という話し言葉は一般的ではありません。 他の団体は、書き言葉では「貴+組織形態」とするのが一般的です。たとえば、委員会であれば「貴委員会」、NPOであれば「貴NPO」などとなります。

「そちら」と「こちら」の使い方の違いは?

「そちら」は、基準が聞き手になっていたのに対し、「こちら」は話し手が基準になるのが違いです。 「こちら」の意味は、指示代名詞で話し手に近い方向、話し手の側にある場所や話し手の近くにあるものを指します。たとえば、「こちらに来てください。」と自分の方に人を引き寄せたり、「こちらの席の方が、見晴らしがいいですよ。」などと場所を指したりします。 また、人称代名詞では、一人称として話し手自身、または話し手の側を、三人称で話し手のそばにいる人を指すこともあります。「こちらも真剣に考えています。」や「こちら(側)の意見としては、~。」などと使います。自分の隣にいる人を聞き手に紹介する時には、「こちらが課長の○○です。」などと紹介する時にも使います。

会社を示す「こちら」の“当社”と“弊社”の違い

自分が働く会社や自分の会社を「こちら」とも言えますが、「当社」や「弊社」という表現も聞いたことがあるでしょう。指しているものは同じですが、「当社」と「弊社」には違いがあります。 「当社」の「当」は自分や私たちという意味があるので、一般的には「当社」は社内で使う言葉とされてえいます。「わが社」としてもいいでしょう。 それに対して、「弊社」は社外に対して使う言葉で、会社の敬語表現と言えます。「弊」には、劣る・弱いなどの意味があるので、「弊社」とすることでへりくだった表現になっています。敬語の中でも謙譲語の意味合いに近い言葉です。それゆえ、顧客や取引先などの社外に対して使う、会社としての「こちら」の献上の意味での、敬語表現として覚えておきましょう。

社外にも”弊社”でない方がいい場合も

ただし、会社として社外に対してクレームしたり、目上の立場から交渉などをしたりする時には、「弊社」とへりくだる表現ではないほうがいいでしょう。 その際には、「こちら」、「当社」や「わが社」のほうが効果的、かつ失礼にもあたらない時もあります。状況による「こちら」やその使い分けで、ビジネスの心理戦にも有効です。

「そちら」もしっかり使い回してコミュニケーションを円滑に!

いつも何気なく使っている言葉こそ、いざ丁寧に敬語表現しようと思うと、迷ってしまうことが多いでしょう。「そちら」のそんな言葉のひとつです。丁寧な言い方や他の表現方法を身につけると、コミュニケーションが丁寧になるだけでなく豊かになって、伝えたい気持ちまでしっかり伝わります。 「そちら」の敬語表現は基本的には「そちら様」、または前後の文脈や相手の立場などから言い換える言葉を探すと覚えておきましょう。 敬いや尊敬の気持ちを伝えるコミュニケーションは、ビジネススキルのひとつにもなります。せっかくの気持ちも間違った表現では伝わらないだけでなく、失礼にあたることもあります。「そちら」を把握して使いまわし、ワンランクアップしたビジネスパーソンになりましょう。

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