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「察するに余りある」の意味/類語/敬語表現・使い方と例文

更新日:2024年07月20日

敬語表現

人間に本能的に備わっている、人を思う気持ちが「共感」と言います。その共感力を言い表す言葉は多くありますが、深く相手の気持ちに寄り添うのがこの「察するに余りある」です。「察するに余りある」は、思いやりの言葉です。この言葉の類語や使い方をご紹介します。

「察するに余りある」の意味

人の気持ちはわかりません。悲しみに暮れている人を見ても、その悲しみがどれほどの深さを持っているのか余人にはわかりません。そんな時、慰めの意味で使うのがこの「察するに余りある」という言葉です。 「胸中察するに余りあります」や「悲しみは察するに余りある」などと主に悲しみの深い場合に使用します。「察する」は推し量る、推測するという意味の他に「思いやる」という意味もあります。「余りある」はゆとりがあることです。 このため、意味は「その(感情の)程度がいかばかりであるか、推測の限界を越えている」となります。この言葉は「察する」の意味にもあるとおり、相手を思いやる時に使う言葉です。 これは、悲しみだけではなく、怒りや戸惑い、喜びなど色々な感情にも使うことができますが、主に使われるのは悲しみや怒りなど負の感情の場合です。察するに余りあるというのは、その悲しみ、怒り、戸惑いを強調するために使われる言葉でもあります。

「察するに余りある」の類語

「察するに余りある」の類語は多くあります。それだけ人の気持ちに寄り添う言葉がたくさんあるということです。「共感」や「気持ちを汲み取る」など、優しさの詰まった言葉を紹介します。

共感する

共感とは、他人と同じような感情・意見を持つこと、またその気持ちのことを言い、同感とも同じ意味になります。「共」は、ともにという意味、「感」は心に深くしみこむ、心に感じる、感情を動かされるなどの意味があります。 「共感する」よりも「察するに余りある」の方が、相手の感情を深く汲み取っているという印象を受けます。「共感」は、人間に本能的に備わっている力です。このため「察するに余りある」と表現する場合は「本能で感じ取った以上の感情を相手が持っている」ということを表すため「共感」よりも「察するに余りある」の方が強く相手の感情に寄り添う形になります。

感情移入する

映画やドラマを見て、主人公になりきって怒ったり、泣いたりした経験はありませんか。その体験こそが感情移入です。 感情移入とは、文学や芸術作品、自然物などの対象物の中に、自分の感情を移し入れて、溶け合うこと、または他人の言葉や表情をもとに、その感情を自分のもののように感じることを言います。 「共感」と「感情移入」は、似ていますが「共感」は、対象が「人」だけなのに対し、感情移入は「人」や「もの」に対しても気持ちを感じることを言います。 感情移入は、悲しんでいる相手を見て「あの人(もの)はこういう気持ちなんだ」と勝手に自己投射して感情を動かすことですが「共感」は、相手の表情などから気持ちを汲み取って「同じ気持ちになる」という相手を思いやる人間の「優しさ」が生み出す本能です。

痛いほどわかる

相手の気持ちが突き刺さるように、心にひしひしと感じることを「痛いほどわかる」と表現します。「よくわかる」「十分にわかる」よりもさらに上の表現です。 「痛いほど」というのは「苦痛を感じるほどに」「甚だしく」などその程度を表す言葉です。「痛い」は肉体や心の苦しみを感じることです。「身にしみて」「痛切に」「骨身にしみて」などと同じ使い方をします。「彼の緊張が痛いほどに伝わってきた(わかった)」などと使います。

感じ取る

「彼の表情から、彼の不快感を感じ取る」などと使われる「感じ取る」は、相手の様子から、その人の感情やその場の雰囲気を直感的に察知することを言います。「不穏な雰囲気を感じ取る」や「その場のただならぬ気配を感じ取る」など人だけではなく、空気感や物などから受ける感覚です。 「共感」や「察するに余りある」が感情を共有しているのに対し、この言葉は察するのみで共有はしていません。これは、感情というよりは感覚に訴えた表現で、客観的な要素を持った言葉と言えます。

気持ちを汲む

気持ちを汲むとは、気持ち(心に抱いているもの、心の状態)を推し量る、推測する、よく理解することを意味します。「共感」とも似ている意味ですが、「共感」は本能的に行うものこちらは「事情や気持ちを解釈する、察する」という意味ですので、その深さは「共感」の方が上です。 相手の気持ちを汲むということは「しっかりと相手に意識を向ける」ということです。相手に意識を向けて、相手の感情や思考を察して、相手が言いたいこと、したいことをした時に、「汲み取る」という表現を使います。「気持ち」をあえて使わずに「汲み取る」だけでも意味は通じます。

「察するに余りある」の敬語表現

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初回公開日:2017年11月22日

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