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更新日:2024年06月22日
卑弥呼は、古代日本にあった邪馬台国という国を統治した女王と言われています。しかし、卑弥呼や邪馬台国に関する事柄は謎に包まれており、卑弥呼は天皇家に関係のある人物ではないかなど、さまざまな憶測が飛び交っています。今回は、卑弥呼と邪馬台国に関する謎をご紹介します。
目次
「卑弥呼」は、古代日本にあったと言われる「邪馬台国」を統治していた女王として知られています。卑弥呼に関する事柄は多くの謎に包まれており、現在も研究が続けられています。 今回は、卑弥呼や邪馬台国にまつわるさまざまな謎をご紹介します。
卑弥呼は、中国の三国志の中にある「魏志倭人伝」という当時の日本国(倭国)に関する事柄を書き示した書物の中に記述されています。魏志倭人伝によると、卑弥呼は3世紀前半頃、畿内もしくは九州に存在したとされる邪馬台国という国を統治していた女王と記述されています。 238年、卑弥呼は魏に使いを送って朝貢をし、これに対して魏の皇帝は、「親魏倭国王」の称号と金印、銅鏡を授けたという記述が残されています。さらに、247年に邪馬台国が狗奴国(くぬのくに)と交戦している際には、魏は詔書と黄幢を贈り励ましたという記述も残されており、卑弥呼は魏と積極的に外交を行っていた様子が魏志倭人伝に書かれています。 卑弥呼は「鬼道」と呼ばれる占いや呪術の一種を用いて政治を行い、卑弥呼の弟を通じて外部に伝えられたと言われています。卑弥呼は女王となった後は人前に姿を現さず、男子一人のみが身の回りの世話をするために出入りしていました。卑弥呼に夫はおらず、生涯独身であったと言われています。
邪馬台国は、2〜3世紀頃にあったとされる国で、日本に点在する国の中の頂点に立つ大きな国であったと言われています。所在地については、畿内という説や九州にあったいう説など、いまだにはっきりとした結論は出ていません。 邪馬台国があった当時の日本は、男性の王が統治していました。しかし、内乱が長期にわたって続く中、諸国の共立によって邪馬台国の卑弥呼を女王とし、統治することで内乱は収束に至りました。卑弥呼の死後、男性の王が統治しますが再び内乱が起きて国内は混乱状態に陥りました。そこで、卑弥呼の宗女である壱与を女王としたことで、内乱は収束したと言われています。
卑弥呼を女王とし、日本を統治した邪馬台国は、「ヤマト王権」の前身ではないかと言われています。「ヤマト王権」とは、有力な豪族が連合して成立した政治組織のことで、「王」「大王(おおきみ)」を中心とした政治形態をとっていました。 ヤマト王権は300年頃奈良盆地で起こり、400〜450年頃には全国に勢力を広げていったと考えられています。ヤマト王権で権力を持った豪族が、現在の天皇家の先祖だと言われています。 邪馬台国がヤマト王権の前身であったという説が正しければ、卑弥呼は天皇の起源に当たると考えられます。しかし、卑弥呼の死後(240〜249年の間と考えられている)から飛鳥時代(592年)の約400年の間は文献が残っておらず、歴史的に何が起こったのかはっきりわかっていません。 そのため、邪馬台国がヤマト王権の前身であったというのであれば、邪馬台国は畿内に存在していたことになり、空白の期間もずっと卑弥呼の一族が権力を握っていたということになります。しかし、ヤマト王権が邪馬台国を征服し実権を握った、という説もあり、現在も議論が続けられています。
卑弥呼という名前は、太陽の神に仕える権威ある女性を意味する「ヒメコ」「ヒメミコ」「ヒノミコ」という称号を中国語音表記したものであって、個人名ではないと言われています。 そのため、日本を統治するほどの権力を持っていたのにもかかわらず、古代の日本の様子を記述した「古事記」「日本書紀」には卑弥呼という表記は見られません。このことから、卑弥呼は日本では別の名前で呼ばれており、その正体は天皇家に関係のある人物ではないかという説があります。
卑弥呼は邪馬台国の女王でしたが、人前に出ることなく神殿の奥で暮らし神に祈りを捧げていたと言われています。その様子から、「古事記」「日本書紀」に登場する「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」が卑弥呼の正体ではないかと言われています。 また、日本書紀にある「神功皇后紀」に、魏に使者を送ったという記述が、魏志倭人伝に記載されている卑弥呼のエピソードと酷似していることから、卑弥呼は「神功皇后(じんぐうこうごう)」ではないかという説もあります。そのほか、「倭迹迹日百襲姫(やまとととひももそひめのみこと)」が卑弥呼の正体ではないかと言われています。
記載されている内容は2017年11月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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