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更新日:2024年07月07日
就職活動の時期になるとよく耳にする「リクルート」という言葉には、実は2つの意味が含まれています。企業側が新入社員を求める「人材募集」の意味と、主に学生が行う「就職活動」の意味です。それぞれの意味を理解し、正しく使えるようにしましょう。
目次
多くの新卒の学生が、就職活動中に「リクルート」という言葉を頻繁に使っています。使用例としては、 ・リクルートスーツを買いに行く=採用面接のためのスーツを買いに行く ・今の髪からリクルートカットにして、就活に備える=就職活動用の髪型に仕上げる ・SNSでリクルートする=SNSを使って就職活動を行う などです。就職活動中の学生の皆さんは、ほぼ無意識のうちにリクルートという言葉を使っています。就職活動に関わる動きに対して何となく「リクルート」と使っている人も多いので、使用範囲はかなり広くなっていると言えるでしょう。
就職活動時期になると、色々なお店で「リクルートスーツ」という単語をよく目にしますが、どんなものか詳しくご存じですか。日本では一体いつ頃から使われるようになったのか調べてみました。
昔の日本にはリクルートスーツというものはなく、就職活動時期になると大学入学に合わせて購入した学生服を着用するのが定番となっていました。中には、大学の応援団から制服を借りる人もいたようで、当時の週刊誌には「応援団から制服を借りることはやめるべきだ」という旨の記事が掲載されています。 しかし1976年に大学生協と伊勢丹がコラボする形で、就職活動用のスーツを特設販売したことにより、その翌年から他のデパートも真似するようにリクルートスーツの販売に大きな力を入れ始めました。この特設販売に携わった職員は、「リクルートスーツ」という言葉の生みの親といえます。 1980年頃の新聞では、リクルートスーツがデパートの秋の目玉商品として定着した旨が記載されています。この頃になると、就職活動をしている学生のうち10人中9人がリクルートスーツを着ていたとのことで、ほぼ全員の就活生がリクルートスーツを着ていたことがわかります。色の主流は紺系だったようで、就活生の約9割が、就職活動に合わせてスーツを購入していたとのことです。
先述したリクルートスーツの始まりは男性用のスーツの話で、女性用のリクルートスーツの始まりは男性よりも少し遅れていました。 1981年頃の調査データによると、就職活動中の女性の服装はスーツが主流ではあったものの、ブレザーやワンピースを着用する学生もいました。そして男性用リクルートスーツの始まりから遅れること約7年、1983年にようやく伊勢丹が女子学生向けのリクルートスーツも売り出し始めました。 そして男女雇用機会均等法が施行された1986年以降になると、女性の就活生もほぼ濃紺のリクルートスーツを着て就職活動をする、ということが定着しました。
いかがでしたか。何気なく聞き流していた「リクルート」という言葉ですが、実は学生側と企業側、それぞれの立場によって逆の意味になる2つの使い方がされていることが分かったでしょう。英語、ラテン語が語源ではあるものの、意味を考えると日本ではもはや和製英語に近い感覚で使われています。 就職活動中の多くの学生からすれば、この「リクルート」という言葉から一刻も早く抜け出したいという思いが強いです。あまり本人たちの前では頻繁に言わない方がいいでしょう。「リクルート」よりも「新社会人」などの言葉を積極的に使って、彼らの士気をどんどん高めてあげましょう。
記載されている内容は2017年11月14日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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