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ファクターの意味と使い方・求め方|化学(分析/滴定)・金融/債券

更新日:2024年01月06日

言葉の意味・例文

ある言葉を知っているつもりで使っていても、時と場合によっては誤解をうけることもあります。本記事ではファクターの語句の意味を化学と金融の分野別に説明します。ファクターの意味を正しく知りたい方、きちんと使いこなしたい方はぜひご覧下さい。

水酸化ナトリウム

水酸化ナトリウムの濃度分析にも中和滴定が用いられます。中和反応を利用する原理は塩酸の場合と同じですが、塩酸などで塩基を滴定する場合はアルカリ滴定、水酸化ナトリウムで酸を滴定する場合は酸滴定と呼ばれます。 この滴定による分析結果により、もとの溶液にどれぐらいの酸が含まれているかを知ることが可能になります。お酢の工場などで、お酢の発酵具合について調べる際に中和滴定が行われています。

チオ硫酸ナトリウム

チオ硫酸ナトリウムの滴定には、酸化還元滴定が用いられます。酸化還元滴定は、物質が酸素とくっつく酸化と、酸素を失う還元が同時に起こる酸化還元反応を利用した滴定分析です。 酸化還元滴定には中和滴定と異なり、酸化剤や還元剤を指示薬の代わりに用います。チオ硫酸ナトリウムはヨウ素滴定の際の還元剤として用いられます。具体的にはヨウ化カリウム溶液に酸化剤を加えると、ヨウ化物イオンが酸化されヨウ素を遊離します。 このヨウ素に還元剤であるチオ硫酸ナトリウムを用いて滴定すると、銅が検出されます。この銅の量が酸化剤として定量されます。

硫酸

希硫酸の濃度を分析する際には中和滴定を用います。指示薬はフェノールフタレイン、メチルオレンジなどありますが、中和点での変化の範囲が酸性側に偏る場合はメチルオレンジ、塩基性側の場合はフェノールフタレインが適しています。硫酸の滴定の場合も他の中和滴定と同じように、酸と塩基の数を合わせることが重要になります。

金融分野での「ファクター」の意味と使用例

金融分野でのファクターの意味は、単体で使用されることは少なく、他の語句と組み合わせて使われる場合が多いです。例えばプロフィットファクターとは損失に対する利益の割合を指します。またリスクファクターとは利子のことを意味します。 前者の意味を見る限り、割合が高ければ良いのではないかと判断する人が多いでしょうが、後者の語句の利子という部分は、お金を借りた立場からすれば、支払う利子は低いほうが負担は少なくすみますが、資金を貸した人からすれば利子率は高いほうが利益に結びつきます。 このように数値が高い、低いといったことだけで良し悪しを判断するのが難しく、一つの指標をより多面的に判断することが金融分野では重要です。とりわけこのファクターという語句は、よりそういった判断を基に使ったり、読み取る必要があります。

債券・モーゲージ債・証券・株

ここからは債券・株式といった個別の語句と組み合わせて用いられるファクターについて説明していきます。

債券・モーゲージ債

債券とファクターの語句の関連性と、モーゲージ債について説明します。債券に関してのファクターの語句として、ディスカウントファクターがあります。これは将来受け取る債券の額を現在の価値に割り引く率です。ディスカウントファクターは主に時価評価の取り引きに使われる概念です。  モーゲージ債とは住宅ローンを担保にして発行される債券のことで、アメリカなどの欧米で広く普及しています。このモーゲージ債から派生したものがリバースモーゲージで、これは持ち家を担保にお金を借りて、お金を借りた本人が死亡した際に持ち家を売却して一括返済する仕組みです。

証券・株

証券や株にもディスカウントファクターの概念は用いられる場合があります。証券や株式でのディスカウントファクターは企業価値を算定する計算方式です。従って株主価値を算定する際にはディスカウントファクターの算定結果から有利子負債を控除することが必要となる点もおさえておきましょう。

ファクタリング会社の意味と例

ファクタリング会社が行うファクタリングについて説明します。これは企業が回収困難と判断されるような売掛債権に自己負担で債権回収えを行う金融業務です。これは自社債権をファクタリング会社に手数料込みで売却し、ファクタリング会社が回収業務を行うことを意味します。  ファクタリング会社を利用するメリットとして、資金を速やかに調達できる点です。ファクタリングは申し込みから実行までが短期間で済み、売り掛け先の信用度があれば買い取りを依頼する企業の経営体力の無さや税金の未納があることを理由に断られることはありません。また借入担保を請求されないところも長所です。  デメリットとしては、手数料が割高になるところです。前述したようにファクタリング会社は担保を確保しないため、債権回収がリスクの高いものとなります。その分を埋める形で手数料を高く設定しているファクタリング会社が多い傾向です。

これでファクターを使いこなせる!

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初回公開日:2017年12月11日

記載されている内容は2017年12月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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