IT人材のためのキャリアライフスタイルマガジン

「営利目的」の意味と使い方・定義・営利目的の範囲・法律

更新日:2024年08月10日

言葉の意味・例文

今回は「営利目的」について考えます。営利目的のアクティビティや関連法などやや堅い内容ですが、インターネットの拡大によって個人レベルの取引が営利目的かどうかの問題が多く発生しています。今の時代を生き抜くのに大切なエッセンスを得ませんか。

ケース②公民館で会費を募って活動をする

教師経験者が地域の人を集めて勉強会を開いた場合はどうでしょうか。案内のパンフレットなどに「会費〇〇円会場代とテキスト代を含む」などと記載されていることがあるでしょう。 講師である教師経験者の方の日当を捻出したり、公民館を使用するにあたり経費もかかります。テキストの値段に上乗せされているとしても、勉強会という目的があるため法外な金額を記載することはまずないでしょう。こうした教室は営利目的ではないと言えます。 では、このような場合はどうでしょうか。公民館で会費を募って教室を開くなどの活動があります。例えば、子供を集めて学習塾を開く場合には明らかに活動目的が学習塾の運営にあります。公民館が場所を提供していることになります。子供であろうが大人であろうが学習塾の運営である限り、営利目的と解されます。

ケース③公民館で無料体験モニターを開催

では、公民館で近所の人を集めて商品の無料モニター体験会を開催したらどうでしょう。このケースでは来場者からお金を徴収しません。しかし、無料モニター体験会の開催主体が自治体ではなく民間企業であればどうでしょう。 その時にはお金を支払わなくても、その商品が気に入れば買いたいと思うでしょう。その時点で商行為として解釈されます。単に、自分が制作した作品を見てもらいたいだけという明確な目的であれば問題はありませんが、展示した商品に価格がつけられていて購入できるとなれば、れっきとした商行為となります。 開催場所が公民館という公共施設であっても、目的が商行為であれば営利目的と言われても当然です。

「営利目的」での著作権とはどの程度まで?

著作権とは?

出来上がった作品には著作権があります。製作者が独占的に有する権利です。皆さんが気に入っているアーティストの楽曲にも著作権があります。個人で楽しむためにパソコンやスマートフォンなどにダウンロードする行為はよいのですが、それを不特定多数の方に販売するとなれば犯罪となってしまいます。

著作者が自己の著作物の複製・発刊・翻訳・興行・上映・放送などに関し、独占的に支配し利益をうける排他的な権利。著作権法によって保護される無体財産権の一種。原則として著作者の死後50年間存続する。

営利目的との境界は、目的に公共性があるか否かで決まる

目的に公共性があるか否かを、次のケースで考えてみましょう。 学校で子供たちに人気の番組のダイジェストを放映するとしましょう。その番組が映画館で見ることができれば、子供たちはその本編を見たくなるでしょう。これはれっきとした商行為にあたり、営利目的と言えます。 では、学年別に学習内容を確認するために単元ごとに解説をしている番組を放映したらいかがでしょうか。番組の内容もさることながら、子供の学習の習熟度を確認する目的で放映されています。教育というれっきとした目的がある以上、公共性を帯びることになります。結論として営利目的ではないことになります。 公共性は営利目的を定義するためには重要なファクターとなります。

「営利目的」に関する法律って?

営利目的に関する法律をいくつかご紹介します。やや硬い表現になりますが、知的財産権という言葉を聞いたことがあるでしょう。建物や製品など形あるものばかりではなく、形にはならない技術そのものなどにも実は権利があります。 ここでは、一般的に知的財産に関する法律についてご紹介します。

特許法

何か大きな発見をすると、そのノウハウが安易に外部に漏洩されてしまうと大発見の価値が損なわれてしまいます。そこで大発見の保護を目的に制定された法律です。保護対象は発見物のほか、ノウハウ全般にわたり広範囲に保護してもらえる法律と考えればよいでしょう。権利の有効期間は出願から20年間です。

発明の保護と利用を図り、産業の発展を目的として、特許に関する手続きなどを規定する法律。1959年(昭和34)制定。

実用新案法

特許と似た性格のものですが、実用新案法は大発見物に対して保護をする性格の法律です。特許に比べて取得期間が短くて済みます。権利の有効期間は出願日から10年間です。

次のページ:公の施設の「営利目的」とは?
初回公開日:2017年11月24日

記載されている内容は2017年11月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

関連タグ

アクセスランキング