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「はりぼて」の意味と使い方・はりぼての作り方・工作方法

更新日:2024年02月04日

言葉の意味・例文

「はりぼて」と言う言葉をよく耳にします。この「はりぼて」の意味には安っぽいなどと言ったネガティブなイメージの言葉が多いです。実際にどのような使い方をするのでしょうか。また張り子の作り方を始め、日本の文化に潜んでいる「はりぼて」の紹介などをしていきます。

ここまでは、型を作った上でのはりぼて制作について説明してきましたが、張り子はその他に、木や竹の枠を組んで形を作り、その上に紙を貼り付けて行く工法で作られるものも存在します。この工法で作るはりぼては、中の型を取り出すことはありません。 青森県の有名な夏の祭りである「ねぶた祭」この山車に乗せられるインパクトのあるねぶたは、この工法で作られている巨大な張り子です。角材で支柱を作り、針金や糸を使用して形を作って行きます。 灯となる電球などを取り付けた後は、紙を貼って行き、最後に顔などの模様を描き、着色して完成です。 詳しい作り方を青森のねぶた祭公式サイトで写真付きで公開しています。

はりぼて結婚式とは

人生の大きなイベントの一つである結婚式ですが、この結婚式ではりぼての結婚式があることをご存知でしょうか。一般的には「偽教会と偽牧師」で挙げる結婚式のことです。式場内の教会は雰囲気のためだけの「はりぼて教会」であることが多いです。 なぜこのような物が多いのでしょうか。日本式の結婚式よりも、海外のウエディングドレスを着た結婚式に憧れた女性が1980年代頃に急増し、結婚式の一種のビジネスになると言われ、はりぼて教会は増えて行きました。 正式なキリスト教徒ではない日本人ですし、伝統の儀式よりも雰囲気を味わえれば良し、という理由があります。この中身のない様子のことを、はりぼてと言っています。 以下のリンクで牧師をしている方が舞台裏を詳しく語っています。やはり、はりぼての結婚式は複雑に思うのでしょう。

はりぼて感とはどのような感じ

はりぼての意味は「中身がない様子」という事を前述しました。それと共にチープな感じのものを指して、主に「はりぼて感がある」といった様子で使われることがよくあります。 人に対してもこの「はりぼて感」は言えるでしょう。形と見た目だけで、話のネタはよく出てくるけれども、どれもこれも中身がない。そのような人は、はりぼて感がある人で、つまらないと言われてしまいます。

興福寺の阿修羅像もいわゆる「はりぼて」細工

2009年に上野の東京国立博物館にて、興福寺創建1300年を記念して行われた阿修羅像の展示のことを覚えている方もいるでしょう。阿修羅像でありながら少年のような表情とその美しさに惹かれ、多くの人々が長蛇の列を作りました。 この興福寺にある美少年の阿修羅像もいわゆる張り子と同じ工法で作られていたことを、ご存知でしょうか。厳密には「脱活乾漆造」(だつかつかんしつづくり)と呼ばれる工法です。 藁や砂を混ぜた粘土の型の上から麻布(まふ)と呼ばれる布を貼り付けた上から漆を塗っていく方法で作られます。 漆を大量に使うことから、非常にコストの掛かる工法ですが、途中で型は取り除くので中身が空洞になり、非常に軽量になるのは張り子と一緒です。 興福寺は幾度も火事で焼けていますが、阿修羅像が無事であったのは、軽量であるために火災の度に搬出されていたからでもあります。

その他の脱活乾漆造りの仏像

脱活乾漆造の工法で作られた仏像は、阿修羅像の他にもあります。以下に挙げる仏像は、どれも国宝に指定されているものばかりです。 唐招提寺金堂「盧舎那仏坐像」 唐招提寺御影堂「鑑真和上坐像」 興福寺西金堂「十大弟子立像」 東大寺法華堂「不空羂索観音立像」(ふくうけんざくかんのんりつぞう) 東大寺法華堂「梵天・帝釈天立像」

「はりぼて」は素敵な伝統工芸品!

はりぼてとはチープという、ネガティブな意味で使われる場合がありますが、実際のはりぼて(張り子)はとても繊細で芸術的な作りの工芸品です。 古くは仏像を作る際にも使われてきたものです。ネガティブな「はりぼて」のイメージは言葉だけで使って行きましょう。お休みの際は手を動かしてみたり、お寺巡りをして、「はりぼて」本らいの美しさに触れてみるのも良いでしょう。

初回公開日:2017年11月12日

記載されている内容は2017年11月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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