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更新日:2024年11月21日
「ならぬ」という言葉は昔から使用されてきた言葉です。そのため歴史も古く、様々な意味を持ちます。今回は「ならぬ」とはどのような意味を持っているのか、そして使い方などの理解を深めた上で、今と昔では意味が異なるのかなど、「ならぬ」の様々な部分に着目していきます。
目次
「ならぬ」という言葉は、時代劇や小説の中でよく見かける言葉です。しかし、「ならぬ」の意味を聞かれて正しい意味をすべて答えられると言い切れないという人もいるでしょう。 そもそも「ならぬ」とは、主に3つの意味を持っています。1つ目は皆さんもご存知のとおり、「してはいけない」という禁止の意味です。2つ目に、「しなくてはならない」「する必要がある」という意味を持ちます。3つ目は「そうではない」「違う」という意味で使用されることがあります。 では、今回紹介する「ならぬ」ですが、皆さんはこの言葉を使用することはありますか。時代劇などで使用されることが多いため、現代では使用しないと考えている人も多いでしょう。しかし、「ならぬ」という言葉は「ならぬ」だけでは使用する機会があまりないものの、他の言葉と結びつけて使用することはあります。
「ならぬものはならぬ」という言葉を聞いたことはありますか。話し方から、現代で使用されることが少ないということは想像に難くないでしょう。こちらは後に詳しく説明しますが、日本の歴史が強く関係しています。 意味だけを見ると、「ならぬ」という否定や禁止の意味の言葉が二重になって入っているため、「いけないことをしてはいけない」や「ダメなことはダメだ」という意味になります。 しかし、この文章は前述したとおり、歴史が深く関係しています。会津で有名な鶴ヶ城(会津若松城)が関係しており、当時の城下町において使用されていた言葉です。今でいう教訓の最後の文章に当たる言葉のため、元々は「ならぬものはならぬ」以前に記されている教訓文の締めの言葉としての意味を持っています。
こちらは2つの意味が考えられます。1つは否定や禁止の意味を持つ「ならぬ」を否定する文章である意味です。もう1つは違うという意味を持つ「ならぬ」を否定する文章である意味です。つまり、2つ目は「間違いではない」という意味になります。 1つ目の否定や禁止の意味の「ならぬ」を否定している場合、「ダメではない」や「いけないことではない」といった意味になります。しかし、二重否定となってしまうため、この文章を使うのであれば、「良い」や「許可する」と一言で言う方が正しいでしょう。 したがって、この「ならぬではなく」という言葉はあまり使われることのない言葉であり、通常ならば「良いですよ」や「間違いではありませんよ」と言う方が正しく、そして伝わりやすいと言えます。
ここまで紹介した使用例とは違い、現代でも「ただならぬ」という言葉は聞く頻度も多いですし、使ったことがあるという人もいるでしょう。この「ただならぬ」という言葉は、2つの意味を持っています。 1つ目は「普通ではない」や「ただごとではない」という意味があります。皆さんが使用したり、または聞くことの多い意味はこちらでしょう。使用例としては、「ただならぬ気配を感じる」や「ただならぬ状況だ」といったように、状況や性質を表す時に使用します。 2つ目は、度合いが非常に強い様子を表す際に使用されます。意味は1つ目と似ていますが、「ただならぬ衝撃」というように、精神的な状態などを修飾する際に使用することが多いです。しかし、どちらも同じ言葉ですので、わざわざ区別をする必要はありません。総合すると「普通ではない状態」という意味を持っていることには変わりはありません。
皆さんは「ならぬ」を使用した言葉の1つである「ひとかたならぬ」という言葉を耳にしたことがありますか。取引先の方とメールのやり取りをしている際、目にしたことがあるという人も多いことでしょう。この言葉は、主にビジネスシーンで使用されることの多い言葉です。 この言葉は先ほど紹介した「ただならぬ」と似た意味を持っており、「普通ではない」という意味を持ちながら、「並々ならぬ」といったニュアンスも持ち合わせています。そのため、ビジネスシーンにおいては、相手に「お世話になりました」というようなお礼の意味を込めて使用されることがほとんどです。 例えば「この度は、ひとかたならぬお世話になりまして、本当にありがとうございました」というように使用されます。前述したとおり、直接話す際に使用するよりも、メールなどの文書上で使用した方が自然です。
「ならぬ」という言葉には3つの意味があるため、多くの類語が存在します。禁止の意味を表す類語であれば、「駄目」といった日常会話でも頻繁に登場するような言葉から、「言語道断」といった四字熟語まで多岐にわたります。少々古い言葉で当てはまる類語であれば、「すべからず」という「してはならない」の意味を持つ言葉があります。 また「必要」の意味を持つ類語であれば、「するべきだ」や「する必要がある」といった言葉が類語に当てはまります。
最初に「ならぬ」の使用例として「ならぬものはならぬ」という例文を取り上げました。この文章は、「什(じゅう)の掟」という会津藩の子ども達に向けて定められた教訓の最後の締めの言葉です。会津藩の6~9歳までの子ども達同士で10人ごとのグループを作り、そのグループのことを「什」と言いました。 基本的には子どもに向けた教訓のため、「大人の言うことを聞きなさい」や「嘘を言ってはいけません」というような現代でも教えられることが記されています。しかし什によっては、「外では食べ物を食べてはいけません」や「外で女性と話してはいけません」といった時代を感じさせるような教訓もあったというから驚きです。 このようにいくつもの教訓が定められた後、最後に「ならぬものはならぬ」といった締めの文章が付け加えられています。したがって、この「ならぬもの」とは、その前に記されていた「してはいけない掟」のことを指していることになります。
記載されている内容は2017年12月15日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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