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「せう」の意味と使い方・「しましょう」に変化した理由

更新日:2024年07月30日

言葉の意味・例文

皆さんは歴史的仮名遣いをご存知ですか。今では馴染みの少ない歴史的仮名遣いですが、一昔前までは多くの場面で使用されていた言葉です。その歴史的仮名遣いの中には、頻繁に使われていた「せう」という言葉が存在します。今回は、この「せう」という言葉について紹介します。

現代語に直すと違いがわかりやすい

「せう(しょう)」と「しやう(しよう)」のように、似て非なる言葉は多く存在します。歴史的仮名遣いを理解する際、「これは同じ言葉を使用するのか」と疑問に思う時は、まず現代仮名遣いを確認しましょう。 例えば、今回のように「しょう」と「しよう」は、文字に表すと非常によく似ていますが、発音も「ショー」と「シヨウ」というように違います。また表記されている字も「ょ」ではなく、「よ」と表記されているため、違うことがわかります。 このように、迷った際はまず現代語で言葉に出し、発音を確かめ、さらに文字の表記を確かめることで確認することができます。

「せう」とつく方言

ここまで紹介してきた「せう」という古語ですが、実は現代でも同じ言葉を方言で使用している地方があることをご存知でしたか。ここでは、この「せう」という方言が使われている地方と、その意味や使い方を紹介します。

長野県で使用される「せう」

この「せう」という方言は、長野県の中でも特に北信州で使用されている方言です。「北信州では、『しょう』を言う時、『せう』と今でも言うの」と疑問に思う方もいるでしょう。しかし、ここで使用されている方言は、同じ言葉でありながら、意味はまったく違います。 長野県内、特に北信州で使用されている「せう」という方言は、標準語に直すと「言う」という言葉になります。したがって、「言う」や「話す」という意味の言葉を「せう」と言います。活用する際は、このように活用されます。

”言う”、”話す”、”喋る” 基本活用は、「せわない、せいます、せう、せうとき、せえば、せえ」だが、変格活用が多い。

同じ言葉でも、場所によってまったく違う意味になるため、歴史的仮名遣いと方言は、違う言葉として捉えるようにするべきでしょう。

方言の「せう」使用例はこちら

先ほど引用にて紹介いたしました活用形を踏まえて、使用例を紹介します。 例えば「私、昨日彼女と話したよ」という場合には、「話したよ」の部分を過去形に直す必要があります。「話した」は「話す」という意味の「せう」を過去形に直すため、「せった」となります。したがって、「せう」という方言を使用して話すならば、「私、昨日彼女と"せった"よ」となります。 歴史的仮名遣いの「せう」は、基本的に活用形がないため、理解しやすいです。しかし、方言における「せう」は活用形があるため、馴染みのない人にとっては、慣れるまで難しいと感じる人が多いでしょう。

歴史的仮名遣いを使ってみませう

いかがでしたでしょうか。歴史的仮名遣いと聞くと「難しい」と諦めてしまいがちですが、歴史的仮名遣いとは、今、私たちが使用している現代仮名遣いの前に使用されていた言葉です。そのため、一昔前の文学作品や雑誌には、違和感なく溶け込み、使用されていました。 ぜひ古典文学を読む機会を設け、その際苦労せず読めるよう、「『しょう』の前は『せう』と表記されていたんだ」と難しく考えずに受け入れましょう。皆さんが歴史的仮名遣いに対し、ネガティブな感情を捨てることで、より楽しく読める文学作品の幅が広がることを願っております。

初回公開日:2017年11月17日

記載されている内容は2017年11月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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