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「すべからず」の意味と使い方・本来の意味・漢文での使われ方

更新日:2024年07月03日

言葉の意味・例文

「すべからず」という言葉、少し古風な感じで、厳しくいさめるような感じを受けます。なんとなく「すべからず」をの意味をわかっているようにも思いますが本当に正しく理解していますか?間違えやすい似た言葉も交えて「すべからず」をもう1度見直してみます。

すべからずの類語としては「だめです。」「してはいけません」「するべきではありません」「もってのほかです」「禁止します」「許しません」「許可しません」「してはなりません」などがあります。どれも、ある動作や行為をするべきではないと禁止する言葉です。

「すべからず」とよく似た「すべからざる」

「すべからざる」は「することができない」「すべきではない」「してはならない」という意味で使われます。「すべからず」とよく似た言葉です。「端倪(だんげい)すべからざる」という言葉があります。 はじめから終わりまでを気軽に推測するべきではない、容易に計り知れるものではないという意味です。「端倪(だんげい)」は物事のはじめと終わりのことで、全体を把握したり推測することも意味する言葉です。

「すべからず」と「すべからづ」の意味の違い

結論から言うと「すべからづ」は間違いです。「すべからず」が正解です。現代仮名遣いでは基本的に「ず」を使うことになっています。「づ」を使うのは特別な場合です。例えば「つづく」「つづみ」「つづる」など2つの同じ音が重なっていて、後ろの文字が濁る場合。 もう1つは「三日月(みかづき)」のように、三日+月と2語に分解した時に濁点が取れた言葉が「つ」の時は濁った時も「づ」になります。「たけづつ」「たづな」「てづくり」などもそのパターンです。

「すべからず」の漢字

「すべからず」の「す」は「する」という行動を示します。「べからず」は「可からず」と書きます。

「統べ括らず」は「統べからず」ではありません

「統べ括らず」という言葉があります。1つにまとめ上げる、総括するといった意味を持ち、ラ行五段活用の動詞である「統べ括る」の未然形「統べ括ら」に打消しの助動詞連用形がついたもの。この「統べ括らず」は字面だけ見ると「統(す)べからず」と読めそうですが、実はそれは間違いです。正しくは「すべくくらず」と読みます。

「すべからく」と読む「須らく」

少し似ている言葉に「すべからく」と読む「須らく」があります。ある事柄、行為をぜひしなければならない、当然するべきという気持ちを表す言葉です。例としては「学生は須らく学問を本分とすべきだ。」などと用いられます。「学生は当然、学問を本分とすべきだ。」という意味になります。 「須らく」を「すべて、皆」と間違える人も多く、「学生は皆、学問を本分とすべきだ。」と間違って受け取る人も少なくありません。同じく「上司はすべからく部下の失敗に寛容であることが必要だ。」も「上司は皆、部下の失敗に寛容であることが必要だ。」ではなくて「上司は当然ながら、部下の失敗に寛容であることが必要だ。」という意味になります。

「すべからず」の例文

「如何ともすべからず。」の「如何(いかん)とも」意味は「どのようにも」です。文章の意味は「どうすることもできない。」となります。禁止の意味で使う「べからず」なら「芝生に入るべからず。」「落書きするべからず。」と使います。

「すべからず」を英語にすると

「すべからず」で英語に当てはまるのは、「must not do」「should not do」「do not do」です。「好機逸すべからず」のことわざを英語にすると「Seize the opportunity while you can.」です。ただ英語には「好機逸すべからず」と同じ意味を持つ「Strike while the iron is hot.」ということわざがあります。 また「落書きすべからず」は「No scribbling on the walls.」mustを使った分なら「天機もらすべからず」を英文にした「The matter must be kept a secret.」です。「この機逸するべからず」は「Now is the time, or never.」です。

「すべからず」を見直そう

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初回公開日:2017年11月21日

記載されている内容は2017年11月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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