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「ご報告いたします」の敬語表現|「ご連絡いたします」の違い

更新日:2024年10月03日

敬語表現

上司や目上の人へ、何かを報告するときに使われる「ご報告いたします」という言い回しは、どのように使えば良いのでしょうか。このページでは、「ご報告いたします」の基本的な使い方について、使用する場面を想定して考察・紹介しているので、ぜひ参考にしてみて下さい。

正しく使おう!「ご報告いたします」の使い方

社会人の基本は、「ほう・れん・そう」だと言われています。「ほう」は、「報告」、「れん」は「連絡」、「そう」は「相談」と言われており、この「ほう・れん・そう」を臨機応変にこなせるようにすることこそが、一人前の社会人になるための近道とも言われているほどです。 今回は、上記で挙げた「ほう・れん・そう」の中でも、「報告」にスポットを当て、上司などに報告をする際に頻繁に使用される、「ご報告いたします」という言葉をテーマに、正しい使い方などをご紹介していきます。

「ご報告いたします」の敬語

上司などに、仕事の進捗や取引の結果などを知らせる際に、「ご報告いたします」というフレーズを使用する方は多いと考えられます。中には、「他の人たちがみんな使っているから、自分も何となく使っている」という方もいらっしゃるでしょう。 しかし、文法やマナーの観点から見て、本当に上司や目上の人に対して使用しても良い言葉なのか、気になるところでもあります。そこで、「ご報告いたします」という言い回しは敬語として使うことができるものなのかどうか、考察していきます。

「いたします」は謙譲語

「ご報告いたします」が敬語なのかどうかを見分けるポイントの1つとして、「いたします」という言葉が挙げられます。「いたします」という言葉は、「いたす」という言葉が変化したものと考えられ、以下のような仕組みで成り立っている言葉となっています。 「いたします」は「いたす」という言葉に、丁寧な意味を持つ「ます」が付け加えられた形だと言えるでしょう。 続いて、「いたします」の原型の言葉とも言える、「いたす」の意味について確認していきます。「いたす」という言葉は、「する」という言葉の謙譲語だと言えそうです。謙譲語とは、敬語の種類の1つで、相手を敬うために、自分を謙って表現する敬語を意味します。 ですから、「ご報告いたします」という言い回しは、報告という自分が行う行為を、謙って表現している敬語だと言えるでしょう。

サ行五段活用の動詞「致す」の連用形である「致し」に、丁寧の助動詞「ます」が付いた形。

「する」の謙譲語。自己側の動作を低めて言ったり、改まった気持ちで言ったりすることで聞き手に対する敬意を表す。多く「いたします」の形で用いる。

「報告」に付けるのは「ご」が正解

今回のテーマである「ご報告いたします」の「ご報告」のように、「お」や「ご」を付けることで丁寧な表現になる言葉は多数存在します。言葉によって、「お」が付くものと「ご」が付くものが存在しますが、その違いはどこにあるのか、気になるところです。 丁寧な表現にするために「お」や「ご」を付ける際、どちらを使用するかの基準は、訓読みなのか、音読みなのかという点にあると言われています。「報告」の場合は、音読みのため、「ご」を付けるのが正しいと言われています。 上記のような背景から、敬語として「お報告いたします」という言い回しは誤りだと言えます。「ご報告いたします」という言い回しこそが、敬語として正しいと言えるでしょう。

「ご報告いたします」の例文

「ご報告いたします」の敬語表現や成り立ちについて学んだところで、続いては実際にどのように使っていけば良いのか、例文を通して見ていきましょう。 ・先日のミーティングの内容をご報告いたします。 ・新プロジェクトの進捗についてご報告いたします。 ・今年度の業績について、ご報告いたします。

「ご報告いたします」の文末

メールや文書などで物事の進捗などを報告する際、文末に「ご報告まで」といった文言を入れることもあります。そこで続いては、文末に「ご報告まで」という文言を使用するケースについて、マナーなどを考察していきます。 文末に「ご報告まで」を付ける場合は、「○○に関しては、××となりました。ご報告まで。」といった形になります。このような「ご報告まで」という使い方は、会話では使われず、文章のみで使用できるものとなっています。

「ご報告いたします」と「ご連絡いたします」の違い

冒頭でも触れた、社会人の基本とも言える「ほう・れん・そう」ですが、その中の「報告」と「連絡」は、似たようなニュアンスを持つ言葉だと考えている方もいらっしゃるでしょう。 実際のところ、「ご報告いたします」と「ご連絡いたします」には、どのような違いがあるのか気になるところです。続いては、「ご報告」と「ご連絡」の違いについて考えていきましょう。 「報告」と「連絡」の違いについては、以下のような見解も存在します。

時系列と伝える内容が違う

上記の解説から、連絡はあくまでも情報の概要や事実を簡単に伝えることを意味しており、報告の場合は、物事の展開や結果などを、主観なども交えつつ伝えることを意味していると考えられそうです。 また、時系列も「報告」と「連絡」の使い分けのポイントと言えるでしょう。完了した物事や終了した事柄の結果・結末について述べるのが「報告」で、現在も続いている物事や事柄に伝えることが「連絡」だと言えそうです。

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初回公開日:2017年11月11日

記載されている内容は2017年11月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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