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間違いも多い「皆様におかれましては」の意味と敬語表現・使い方と例文

更新日:2024年02月16日

敬語表現

「皆様におかれましては」という挨拶文はビジネスでよく使われる文章です。「皆様におかれましては」と平仮名がよいのか「皆様に於かれましては」と漢字がよいのかなどどの言葉を選べばよいのか悩むことが多い文章の1つです。多くの人が疑問に思う点を解説しました。

「皆様におかれましては」の意味とは

メールや手紙、ビジネス文書などで使われることの多い「皆様におかれましては」の表現について解説をします。 「おかれましては」は「おいては」の丁寧な表現です。「おいて」とは、特定の事柄や人、物事の範囲などに話題の焦点を当てる際に用いる表現です。つまり「皆様におかれましては」とは「皆さんにおいては」を丁寧な表現で表した言葉です。 一般的には、「皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」のようにかかわりのある人全員に対して、ますます「健やかで健康に過ごしていることを祝い、慶んでいます」という相手を気遣い、健康を祝う挨拶文によく使われています。

「皆様におかれましては」目上の方への敬語として正しい?

「皆様におかれましては」という表現は、人や会社に対して敬意を込めた表現で、ビジネス文書などで、挨拶文の冒頭としてよく使われる言葉です。「おかれまして」という言葉が敬意を表しますので、目上の方への敬語としては正しい表現の方法ということです。 「皆様におかれましては」のように個人名などを入れずに使うこともできますが、「おかれましては」の前に、個人名や組織を表す言葉などを入れて使用することが出来ます。個人名の場合は、「○○様」のように名前に様をつけて使用します。また、名前を書かずに「貴殿」といった表現を使うこともできます。 宛先が会社などの組織の場合は、貴社、貴店、貴行(会社、お店、銀行)といった言葉を前において使用します。

使い方と例文

ビジネスシーンで「皆様におかれましては」という表現をよく使う場面は、ビジネス文書を作成するときです。時候の挨拶の文章のあとに、安否を伺う言葉として使われているのが一般的です。「皆様におかれましては」のように人を特定しない形で表現をしたり、「○○様におかれましては」のように名前を入れて使われることもあり、会社や組織宛の文章では「貴社におかれましては」のように使われます。

皆様におかれましてはますます

「皆様におかれましてはますます」のあとに入る言葉がいくつかあります。「ご清祥」「ご健勝」「ご清栄」「ご盛栄」「ご繁栄」などです。この言葉は大きく2つのグループに分けることができます。 1つは、健やかに暮らしていることを表している言葉です。「ご清祥」「ご健勝」などがこちらのグループです。 2つめは、主に経済的に豊かであることを表している言葉です。「ご繁栄」・「ご盛栄」は今現在が豊かな状態であるという意味を表しているのに対して、「ご発展」・「ご隆昌」には、豊かさがどんどん膨らみ、さらに豊かさを増すといった意味合いが含まれています。「ご清栄」のように、健康と豊かさを両方称える意味が含まれている言葉もあります。 「皆様におかれましては」という文章は、「皆様が健康ですこやかなことを慶んでおります」「皆様がますます繁栄していることを慶んでおります」という意味の挨拶文です。

「ご清祥」や「ご清栄」・類似語の使い分け

「ご清祥」の意味は相手が健康でしあわせに暮らしていることをよろこぶあいさつの言葉です。「ご清栄」の意味は相手の生活・健康・繁栄などを祝うあいさつの言葉です。意味を見てみると「ご清栄」には健康以外に繁栄を祝うという意味合いも含まれています。 また、同じようによく使われる言葉に「ご健勝」「ご隆盛」という言葉があり、「ご健勝」は健康が優れていて、すこやかで元気なこと、「ご隆盛」は勢いが盛んなことという意味です。 このような類似語は、個人宛なのか会社や組織宛なのかで使い分けましょう。「ご清祥」や「ご健勝」には「健康ですこやかにお過ごしのこととお喜び申し上げます」といった意味合いになりますので個人宛のときに使います。「ご清栄」や「ご隆盛」は「繁栄している」「勢いがある」といった意味合いがありますので、会社や組織宛のときに使うとよいでしょう。

「皆様におかれましては」を使った例文

個人宛の場合の例文 「風薫る季節となりました。皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。」 「コスモスが風に揺れ、朝夕はしのぎやすくなって参りました。皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」 会社、組織宛の場合の例文 「貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素は格別なご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。」 「貴店におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別なご高配を賜り厚く御礼申し上げます。」

「お慶び」と「お喜び」の使い分け

「皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」と「皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます」はどのように使い分けたらよいのでしょうか。 「慶ぶ」にはおめでたいことをよろこぶ、祝うという意味がありますが、「喜ぶ」にはおめでたいことをよろこぶという意味はありません。どちらも間違いではありませんが、「おめでたい」「祝う」という意味の言葉につながりますので、「皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」の文字を使うとよいでしょう。

「於かれまして」と「おかれまして」の使い分け

「皆様に於かれましては」と「皆様におかれましては」はどちらを使用するのがよいのでしょうか。結論から言えばどちらを使っても間違いではありません。 しかし、この文章を使う場合、「皆様に於かれましては」と使うことはあまりありません。表現が堅苦しくなりすぎる印象がありますので、「皆様におかれましては」のように平仮名で表記するのが一般的です。 また、「おきましては」という言葉も意味としてはほぼ同じです。ですが、「おかれましては」という表現にすることにより丁寧な言葉になります。ビジネス文書や手紙の文面として使う場合は、「おかれましては」と使う方がよいでしょう。

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初回公開日:2017年08月18日

記載されている内容は2017年08月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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