IT人材のためのキャリアライフスタイルマガジン

間違いも多い「心中お察しします」の意味と敬語表現・使い方と例文

更新日:2024年02月15日

敬語表現

よく耳にする「心中お察しします」という言葉の正しい使い方をご存知でしょうか。正しく意味を知って、使わないと失礼にあたる事があります。ここでは様々なシチュエーションと例文を交えながら正しく相手に届く「心中お察しします」を紹介致します。

「心中お察しします」の意味

比較的よく耳にする「心中お察しします」ですが、正しい意味と使い方をご存知でしょうか? まず「心中お察しします」は辛い出来事や悲しい出来事があった時に、相手の気持ちを推し量って思いやるときに使うフレーズです。 分解すると「お察し」は「相手に示されなくても推測して理解するときの表現」を意味します。「察する」という言葉は非常に日本的な言葉といえます。他の国の言葉でも「推測する」「想像する」という意味の単語はありますが「察する」にぴたりと当てはまる言葉とは言えません。 「察する」という言葉の意味は「推測する」「想像する」に加えて「共感して同情する」という意味も含まれているのです。言葉で聞いた訳ではないのに、辛い状況に置かれている相手の気持ちを推測して気遣うという言葉は日本の文化的背景も含まれる非常に日本独特な言葉と言えます。 この日本的な意味合いを理解した上で使わないと間違った使い方にも繋がるので少し注意をして使う必要がある言葉なのです。

「心中お察しします」の同義語

ニュアンスや日本独自の言葉という事もあり、使い慣れていないと少しわかりにくいでしょう。より理解しやすいように、「心中お察しします」の同義語を挙げてみます。 「気持ちを汲み取る」 「心情を理解する」 「気持ちを慮る」 「気持ちを鑑みる」 これらの言葉が「心中お察しします」の同義語になります。どの言葉も手放しで喜んでいる人に対して使う言葉や、単に推測や想像をした時に使う言葉でもない事がおわかりいただけます。

目上の方への敬語として正しい?

「心中お察しします」は相手の気持ちや状況を推し量って気遣う言葉なので一見誰に使っても良い様に思われがちです。ところが目上の方に使う時は注意が必要です。中には「あなたに私の気持ちがわかると簡単に言わないで欲しい」と不快に感じたり、勿論そんな気持ちは到底無くても「目下の人なのに偉そうに言われた」と感じてしまう方も少なからずいらっしゃるからです。 言葉自体には目上の人に言うと失礼という意味合いは無いのですが、シチュエーションや慣習を考えて使う様にしましょう。また、第三者から伝え聞いただけで気軽に使う事も失礼にあたるので気をつけましょう。

使い方と例文

それでは「心中お察しします」は具体的にどの様に使うのでしょうか。ビジネスの現場や日常での使い方など、様々なシチュエーションでの具体例をあげながら例文を使ってみていく事にしましょう。

不幸があった時の「心中お察しします」

よく耳にするのは不幸があった時の親族にかける言葉ではないでしょうか。身内が亡くなった時の喪失感や悲しみにくれている人にかける言葉で使う事が出来ます。 「ご家族皆様のご胸中はいかがなものかと心中お察しします。」 「さぞやお力落としのことと心中お察しします。」 「長年連れ添ったご主人様とのお別れ、お辛いことと心中お察しします。」 丁寧に伝える為に「心中お察し申し上げます」としても大丈夫です。こういう時の言葉は知らないと何て声をかけていいのか戸惑ってしまいがちです。こういう言葉があるという事を知っておくことで、いざという時に役立ちます。

傾きかけている取引先への督促に

取引先が傾きかけている情報が入った時に気がかりなのが締切までに納品してくれるのか、期日までに支払ってくれるのかという事です。取引際の状態は大変だとわかっていても自分たちの会社も守る必要はあるので心苦しいながらも督促をする時にも使えます。 「心中お察しします。ご事情はおありだと思いますが、期日までの入金をよろしくお願い致します。」 「心中お察しします。色々ご事情はおありだと思いますが、期日までに納品していただきますよう、くれぐれもよろしくお願い致します。」 出来るだけこういうシチュエーションには遭いたくないものですが、いざという時、「大変だけどする事はしてほしい」と念を押す時に便利な言葉なので覚えておくと良いでしょう。

深く気落ちしている方を気遣う時

長い人生の間で思いがけないトラブルや事故に遭う事が在ります。リストラ、交通事故、離婚、詐欺の被害、震災など、大きなトラブルに遭ってしまった為に深く気落ちする事があります。気落ちしてしまっている人に何か声をかけたい時にも使う事が出来ます。 「突然の事でしたので心中お察しします。でも、あなたのやるべき事をどうぞ見失わないでください」 「これからという時に今回の出来事、心中お察しします。どうぞ今はお身体を回復される事に専念してください」 「今回の震災で大変だったことと思います。心中お察しします。お力になりたいと思っていますので、何でもお気軽に仰ってくださいね。」 深く気落ちしてしまっている人へのお声がけは非常に難しいです。何て声をかけて良いのかわからないと放置してしまうも気が引けますし、何とか励ましたい、寄り添いたいと思うものです。そういった時の為に頭の中にストックしておくと便利です。

悩んでる相手にかける言葉として

悩んでいる相手にも使う事が出来ます。例えば責任感の無い上司の下で働いていて悩んでいる人がWeb上で相談しているとします。直接知らない相手なので友達から受ける相談とは少し違っています。 「心中お察しします。とても大変だと思いますが現実を見た方が良さそうです。」 などと、書き始めることでまずは「共感していますよ」と相手に伝えてからアドバイスを書く事が出来ます。お互いの関係性がはっきりしていない場合、いきなりアドバイスを書き込むと「勝手な事を言って」とか「偉そうに」と思われる事もあります。クッション言葉として使うと良いでしょう。 ただ、これは親しい相手にすると仰々しくなってしまうので注意しましょう。親しい相手の場合は「お気持ちわかります」「わかるよ、大変だったね」などの言葉が適切といえるでしょう。

次のページ:正しく理解して相手を思い遣る言葉をかけよう
初回公開日:2017年08月09日

記載されている内容は2017年08月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

関連タグ

アクセスランキング