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更新日:2024年08月20日
最近、一部の会社の電話応対マニュアルから、「お電話差し上げます」が削除されているようです。理由は、「差し上げます」は「上から目線」と受け取られるから、顧客や取引先には不適切との判断のようです。それは全くの誤解です。何故、誤解なのかを詳しく紹介します。
実際の使われ方と例文をみていきましょう。 自分の状況に当てはめて、例文をみていくと良いでしょう。
仕事の際には、取引先或いは顧客との間で電話による対応が必要な場合があります。このような場合には、相手に失礼のないように心掛けるようにして下さい。
・取引先へ電話をかける場合 こちらから電話をかけて、話したい相手が不在であった場合は、こちらからかけ直すのが礼儀です。この場合、電話に出た人が、話したい相手の不在状況を説明してくれるはずです。つまり、少し席を外しているのか、会議中で2時間後に戻ってくる、出張中で明日の午後に帰社予定、と説明してくれます。 もし、説明が無かった場合は、失礼の無い範囲で、訊くようにして下さい。こちらからかけ直すにしても、出張中でその日は終日不在の相手に何度も電話をかけるのは大変失礼なことです。従って、電話に出た人から訊き出した情報によって、相手が確実に在席している時間帯にかけ直すようにして下さい。これも礼儀です。そして、以下のようにかけ直す旨を伝えましょう。 ・では、またのちほど、お電話差し上げます。 ・では、〇〇時頃に、改めて、お電話差し上げます。 ・では、明日の午後に、改めて、お電話差し上げます。 ・取引先から電話がかかってきた場合 相手が話したい自社の社員が不在の場合、その不在状況を確認して相手に説明します。相手に、こちらからかけ直す旨を伝え、相手が同意した場合は、以下のように伝えましょう。 ・では、席に戻り次第、こちらからお電話差し上げます。 ・では、会議終了予定の〇〇時頃に、こちらからお電話差し上げます。 ・では、明日の午後に、こちらからお電話差し上げます。
最近は、ビジネスシーンでの連絡手段が多様化しており、電話以外にメールが一般的になっています。従って、「連絡」ということばには、電話とメールの両方が含まれています。電話のやり取りの中でも、「お電話差し上げます」ではなく「ご連絡差し上げます」と使っても問題ありません。 メールの本文の中で、「ご連絡差し上げます」を使う場合は、前後の文脈を考えて、適切に使う配慮が必要です。例えば、取引先と打合せを行なうことが決まり、その案内をする際にはメールで行なう場合が多いです。お互いの「偉い人」のスケジュールをおさえるために、とりあえず日程と場所だけを決めた場合には、「なお、詳細が決まり次第、別途ご連絡差し上げます。」と記述します。
「差し上げる」ということばの意味と使い方について紹介しました。 「やる・与える」の謙譲語となったことばが、「上げる、差し上げる」であり、「やる・与える」ということばからは別のものになり、独立したことばになったと理解できるでしょう。「やる・与える」の方向は、上から下のみの片方向です。これが謙譲語になり、「上げる、差し上げる」となると、方向が逆になり、下から上の片方向のみになるのです。 「差し上げます」は、目上の方への敬語として正しくて美しい謙譲語です。正しく理解して、仕事に活かしましょう。
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