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要求仕様書とは?書き方と例・要件定義書との違い

更新日:2024年09月22日

書類の書き方

システム開発する場合、設計者は要件定義書や要求仕様書を書かなければなりません。似たような名称ですが、違いはあるのでしょうか。また、要求仕様書を作成するにあたって、何に気をつけて書けばいいのかについてまとめましたので参考にしてください。

要求仕様書の定義について

要求仕様書とは、エンドユーザーが「こんなふうに機能を修正したい」または「新しく機能を追加したい」といった要望に沿って、どのような対応するのか、どの程度の費用がかかるか、開発期間はどのくらいか、データ連携有無や注意点がないかなどを記載するドキュメントのことです。この要求仕様書を用いて、クライアント側へ提示し、要望に添っているか否かや費用面でのすり合わせを行い、開発側の対応としても設計やプログラミングなどのための指示書として活用することになります。

システムにおける要求仕様書とは

システム開発で、システムを構築したり修正したりする場合、SE(システムエンジニア)が設計をして、プログラマーが各プログラムを作成したり、修正したりしてシステム開発が行われますが、そのシステム開発の大もとの指示書的役割として、要求仕様書があります。 私は金融系システムの開発を10年以上行ってきましたが、そこでも要求仕様書は書いていました。開発規模により、その内容の厚みは変わってきますが、基本的には、システムとしてどのような対応をするか、修正するのか新規作成するかなどの指針を大まかにまとめたものでした。さらに、費用面や開発スケジュール、外部連携の要否、テスト日程、リリース時期などについて、まとめたもので、クライアント側へ提示して、開発するか否かを決めてもらうという流れで使っていました。 また、その要求仕様書をもとにシステム側でも設計書や仕様書を作成することになっていました。業種が違う場合や、そのシステム会社によって定義は若干変わってくるかもしれませんが、要求仕様書とはユーザーの希望に沿って、システム側でどのように対応するか、などクライアント側とシステム構築側に様々な側面で合意するためのドキュメントだということです。

要求仕様書の記載方針について

クライアントが開発者に開発を依頼する要件を文章化したものが要求仕様書ですが、そこに記載しなければならない内容は、おおまかに言えば5W1Hです。主に、要求仕様書が必要になるのは、クライアント側の規則で相見積もりや許可が必要な場合です。

要求仕様書の記載方針(5W1H)

・WHY(目的) 何のためのシステムか、このシステムで達成することをできる限り具体的に記載します。中長期にわたる開発の場合は、双方気づかないうちに徐々に手段が目的化し、当初の目的を見失いがちになります。そのときに、進路を修正するためにも明文化された目的が必要になります。 ・HOW(予算) いくらまで出せるかという数値になります。このあたりは、いろいろな事情も介入しがちですが、その背景にあるもので金額の規模が変わってきます。また、どのくらいの期間で作り上げるのか、などによっても変わりますので、後でもめないためにも、ここで明確に示す必要があります。 ・WHEN(納期) システムがいつまでに必要なのかを決定します。また、システムを分割できるなら、それぞれのモジュール単位の完成日や受け入れテストの日程や不良が見つかった場合の担保期間についても可能なだけしていした方が良いでしょう。 ・WHERE、WHAT、WHO(運用) 完成したシステムを、どこで、誰が、どんな風に使うのかを想定して明記します。ここで明確でないと最終的な結合テストがどうしても疎かになり、運用開始後のトラブルのもとになります。また、運用開始後に不具合が見つかった場合の手順や改修が必要になった場合の追加依頼方法についても記載します。もうひとつ、運用において大事なことは、既存システムやハードウェアとの兼ね合いです。例えば、既にハードウェア設備が整っていて、そこに追加インストールするような形なのか、社外にインフラを用意する必要があるのか、では開発時の制約が大きく異なります。また、既存のシステムとのデータ受け渡しが発生する場合には、そのフォーマットなども規定する必要があります。

要求仕様書に書く項目について

要求仕様書とは、クライアントが開発担当側に対して開発を依頼するシステム要件を文章化したものです。基本仕様書に似ていますが、こういったことがしたいという要求と予算、開発体制、リリース時期などの記載が主で、実現方法が具現化していない点が違います。 クライアント側でもある程度の知識をもった担当者がいないと、開発担当側がある程度関与していく必要があります。要求仕様書が必要になるのは、クライアント側の規則で相見積もりや入札が必要な場合がほとんどです。以下に要求仕様書を書くにあたって必要だと思われる項目をまとめましたので参考にしてください。

要求仕様書の項目-目的

システムを開発する目的を記載します。開発することによる効果を可能な限り、数値ベースで明確にしましょう。ここで明確化しておくことが、後に開発が進んで要件やスケジュール変更を余儀なくされた場合の指針になります。

要求仕様書の項目-基本方針

開発の基本方針を記載します。 設計方針、テスト方針、等

要求仕様書の項目-機能一覧

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初回公開日:2017年03月19日

記載されている内容は2017年03月19日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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