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ビジネスシーンで使われる「佳境に入る」の意味|使い方/誤用例/例文

更新日:2024年07月08日

言葉の意味・例文

「佳境に入る」という言葉を、ビジネスシーンにおいて、またテレビなどメディアでもよく聞くことがあるのではないでしょうか。しかし、何気なく耳にする、「佳境に入る」の意味を正しく理解しているでしょうか。今回は使い方や、間違った使われ方とともに、意味をご紹介します。

佳境に入るの使われ方

佳境に入るという言葉は、日常的にどのような場面で使われているでしょうか。佳境に入るが使われるのは、ひとつのシーンだけではありませんから、戸惑うこともあるのではないでしょうか。

物語や舞台

テレビを見ている時、ドラマの宣伝などで、佳境に入った、という言葉を聞くことがあります。佳境に入るというのは、ドラマの見せ場、面白い部分、つまりクライマックスに差し掛かっているということです。「佳境に入り、○○の秘密が明らかに。お見逃しなく」などと宣伝されていると、期待感が膨らみ、興味をそそられます。ぜひ、見なければという気持ちにさせられるものです。 佳境に入るという言葉が本来の意味で使われているのは、ドラマをはじめ、映画や舞台、小説や漫画など、物語のクライマックスに対してでしょう。ストーリーが展開していき、少しずつ興味深い場面に差し掛かっていく、そのような時に佳境に入るという言い回しをします。

メディア

鍵掛峠に雪の回廊 除雪作業が佳境

では、それ以外ではどんな場面で耳にするかというと、ニュース番組などメディアでもよく使われています。「今年も○○の出荷が佳境に入り……」と、アナウンサーが読み上げるのを聞いたことがありませんか。これは、農作物などが、最盛期を迎えたという意味で使われています。 本来、物語のクライマックスを指す言葉ですので、農作物の最盛期を伝える言葉としては使用されてきませんでした。これは、近年になって定着してきた言い方です。年末には、「年賀状の仕分けが佳境に入ってきました」という言葉をよく耳にします。物事が頂点に差し掛かるという意味で、佳境に入るという言葉が使われるようになっています。

佳境に入るの意味は?

では、佳境に入るの佳境とは、何でしょうか。佳境に入るの語源はどこから来ているのでしょうか。

佳境に入るの佳境とは?

佳境に入るの「佳境」は景色の良い所、美しい場所という意味です。そこから、ドラマや小説、演劇などの面白い場面という意味で使われるようになりました。漢字単体で見てみると「佳」は、良い、すぐれているという意味、「境」は、土地という意味があります。

佳境に入るの由来

佳境に入るという言葉の起こりは、中国の古い逸話に由来し、「晋書(しんじょ)」という、伝記に記されています。 サトウキビをかじる際、普通の人は甘い方からかじりますが、顧 愷之(こ がいし)という有名な画家は、甘みのない根の方からかじっていました。その理由を問われた顧 愷之は、「漸入佳境」(ようやく佳境に入る)と答えたのです。サトウキビの甘くない根の方から食べていくと、だんだん甘みが増してきて、最後においしい部分を味わえるという意味です。 この場合の佳境は、おいしい部分という意味で使われていますが、やがて面白い場面という使われ方をするようになりました。

ビジネスシーンにおける佳境に入るの使われ方

ビジネスシーンにおいても、佳境に入るという言葉は、たびたび使われることがあります。どのような場面で使われているでしょうか。

仕事における重要な場面

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初回公開日:2017年06月24日

記載されている内容は2017年06月24日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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