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「います」「おります」「おられます」の敬語と場面ごとの使い分け方

更新日:2024年11月19日

敬語表現

ビジネスシーンでよく使う「います」「おります」「おられます」などの敬語。これらは、正しい敬語なのでしょうか?「います」「おります」「おられます」のそれぞれの敬語の意味や形態などについて考察し、正しい使い方をご紹介しています。

います?おります?おられます?敬語の正しい使い方

社会人の基本とも言われている敬語。ビジネスシーンでも使う場合が多く、それ故に誤った使い方をしてしまうと、社会人としての常識を疑われてしまう可能性もあります。 今回は、そんな敬語の中でも、特に混同しやすい「います」「おります」「おられます」のそれぞれの意味や正しい使い方について、ご紹介していきます。

「います」「おります」は、意味としては同じ言葉

まず、「います」と「おります」の違いについてご紹介していきます。 結論から話すと、「います」と「おります」は、同じ意味の言葉です。どちらも、その場所に存在していることを意味しています。 存在していることを示す「いる」に、丁寧語の「ます」を付けた形が、「います」です。 「おります」は、丁寧語に分類される「いる」に対して、丁重語に分類される言葉となっています。 ビジネスシーンなどでは、「います」よりも「おります」を使う方の方が多い印象がありますね。また、「おります」の方が、より丁寧な印象を与えられるかもしれません。

丁重語という敬語

敬語について学ぶ上で、「丁寧語」や「謙譲語」などの言葉をよく耳にしますが、それらと比較して、「丁重語」はあまり聞いたことがないかもしれませんね。 丁重語は、謙譲語の1つとも言われており、「自分の動作や言動を相手に丁重に述べる語句(※1)」となっています。 謙譲語と似ているものではありますが、相手への敬意を示す言葉とは、また少し違うニュアンスを含んでいるのが、丁重語なのです。

「おられます」は間違った敬語

続いて、「おられます」の意味について見ていきたいところですが、結論から言うとこの言葉は、間違った敬語です。 「おられます」は、尊敬を示す助動詞である「れる」を、「おります」に付けた言葉です。一見すると、「います」「おります」よりもかなり丁寧な印象がありますね。 しかし、「おります」というのは、そもそも「います」の丁寧語ではなく、謙譲語と言われています。 そのように考えた時、謙譲語として使われている「おります」に、尊敬の助動詞である「れる」を付けたのでは、文法として間違っていることになるのです。 このような考え方から、「おられます」というのは間違った敬語であると言われています。

「おられます」の代わりに使う敬語は「いらっしゃいます」

上記で、「おります」という謙譲語に更に尊敬の助動詞を付けた「おられます」は、誤った敬語であるとご紹介しました。 では、「おられます」の代わりに、どのような敬語を使えば良いのでしょうか? 結論としては、「いらっしゃいます」がベストと言えるでしょう。「おります」は、あくまでも自分や自分の身内に使う言葉なので、「おられます」と無理やり尊敬の助動詞を付けたところで、目上の人や経緯を払う人に対して使える言葉にはならないのです。 上記のような背景から、目上の人がその場にいるかどうか尋ねる際は、「おられますか?」ではなく「いらっしゃいますか?」という敬語を使うようにしましょう。

方言によっては、「おられます」も間違った敬語ではない場合がある

これまで、「おります」に尊敬の助動詞を付けた「おられます」という敬語は、間違っているとご紹介しました。 しかし、一部の地域や方言では、「いる」よりも「おる」を常用しており、そういった地域や方言では「おられます」という言葉を自然と使うこともあるようです。 そのため、「おられます」が必ずしも間違っているのかというと、地域や方言によっては決して間違いではない場合もあります。

「おります」は謙譲語

いかがでしたでしょうか?今回は、「います」「おります」「おられます」に注目して、敬語としての正しい使い方をご紹介しました。 何かと混同しがちな「います」「おります」「おられます」ですが、言葉の性質としては全く異なるものです。 敬語にはいくつか種類がありますが、「います」は丁寧語に当てはまります。 そして、「おります」は謙譲語や丁重語という見解が一般的です。 また、「おります」という敬語に尊敬の助動詞を付けた「おられます」は、一部地域や方言では正しい敬語として使われていますが、一般的な見解としては間違った敬語と言われています。 結論としては、自分や自分の身内が存在していることを示す敬語としては、「おります」を使うのが良いでしょう。反対に、目上の人が存在していることを示す敬語では、「おられます」よりも「いらっしゃいます」を使った方が良いと言えます。 敬語の使い方やルールは複雑ですが、言葉の形態や意味などを1つ1つ考えていくと、自然と使い方が分かってくるものです。敬語について疑問に思うことがあったら、その都度言葉の意味などを調べるようにすると、正しい敬語が習得できますよ!

※1:「自分の動作や言動を相手に丁重に述べる語句」

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初回公開日:2016年11月21日

記載されている内容は2016年11月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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