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更新日:2024年09月26日
「α」「β」「Γ」。みなさんご存知のこれらのギリシア文字。よく耳にする言葉であっても日本人にはあまり馴染みのない、このギリシア文字たちの意味と書き方をご紹介します。数学で登場した場合での「α」「β」「Γ」の書き方の違いについても一緒に解説。
ドイツ語に、ギリシア文字の「β」によく似た「エスツェット」という文字があります。ドイツ語「エスツェット」は、ドイツでのアルファベットに加えて使われる文字であり、「s」の無音声をあらわす「ss」とほぼ同じ意味で、この「ss」を一文字で書いたもの。したがって、ギリシア文字の「β」とは全く違った意味を持ち、書き方も異なってきますので混同しないようにしましょう。
数学分野で一番多く登場するギリシア文字。数学で登場した場合のギリシア文字の書き方や使い方について紹介していきます。
数学で「α」が登場するのは、仮の数字や文字を表したいときに最初に用いられる記号として使われます。例えば、複素数(実数の組である「a,b」を虚数単位「i」を用いて解される「a+bi」という数全体)であったり角度や方程式の解をあらわす時に用いられることが一番多いでしょう。他にも、自然科学の分野において角速度の変化率を意味する「角加速度」を求める数式の中で「α」で表記されることが多いです。角度、電離度、膨張率、減衰率においても量記号として「α」が用いられます。核物理学では、高い運動エネルギーを持つヘリウム4の原子核である「アルファ粒子」の流れを表す「アルファ線」として表記されます。数学でも「アルファ線」は登場します。
数式で用いられるとき、「α」の次に用いられるの記号が「β」です。「α」と同じく複素数や方程式の解でよく用いられます。「ベータ線(β線)」といってβ粒子の流れを表す線に対して用い、「α」と同様に放射線を指す場面に登場します。 「ベータ関数(β関数)」は、第一種オイラー積分とも呼ばれる特殊関数です。ここでも「β」の文字が使われます。熱・統計力学で、逆温度(統計力学で定義される物理量)を表したり、電気増幅率を「β」で表します。日常の使い方として、ドイツ語のエスツェットが表示できない場面で、エスツェットが入る印をつけておくために「β」を代わりに表記しておくこともあるようです。
ギリシア文字の順番にしたがって、数学分野で三つ目に用いられるのが「Γ」という記号です。なかでも階乗を一般化した特殊関数「ガンマ関数(Γ関数)」というのがよく知られています。「ガンマ関数」の一つである「不完全ガンマ関数」でも「Γ」が用いられています。 放射線を表すのに「α線」「β線」とともに「γ線」も用いられ、このときの「ガンマ」は小文字の「γ」です。他にも「オイラー定数」(別名「オイラーのγ」)でも登場します。他にも、熱力学では比熱比を表すのに「γ」が使われます。
日本ではあまりギリシア文字が身近ではないため、専門分野の方でない限り、意味や書き方をよく知らない人も多いようです。そこで「α」や「β」「Γ」の意味をきちんと理解しておけば、使用するときにもっと学習が深められますね。 書き方に規則はなく、自分の書き方で綺麗に書くことさえできれば良いです。日常に登場する様々な記号の存在意義を学び、自分の知識をもっと豊かなものにしていきましょう。
記載されている内容は2017年04月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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