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日本語の婉曲表現の例とその理由・よくある婉曲表現の一覧

更新日:2024年08月29日

言葉の意味・例文

婉曲表現とは、一般的に否定的な意味をもつ語句を用いず他の語句に置き換える語法です。具体的に聞き手が不快に感じる困惑を少し和らげる目的で、話し手が不都合やタブーの抵触を避ける目的に用いられるようです。どのように婉曲表現を使用するのがマストなのかご紹介致します。

婉曲表現とは?

婉曲(えんきょく)表現とは、古典の文章にも出てきましたよね。訳す時は、『~のような』と訳しましょうと習った覚えがあるのではないでしょうか。どのような場合に使用するのかと言うと、婉曲表現は、主に遠まわしな表現をしたい時に使用します。なぜなら遠回しな言い方は、日本人にとって、奥ゆかしく、謙虚で教養がある人だと感じさせます。ただ回りくどく言い過ぎると、イライラさせてしまう事も少なくはないでしょう。しかし直接的な言い方だと、相手に不快な思いをさせてしまうかもしれません。その為ちょうど良い婉曲表現を用いて、相手とのコミュニケーション能力を高め、聞き手が、話し手の話しを受け入れやすくするには、なくてならない話術なのです。また他人との衝突を避けるために用いられることもあります。例文をあげて、みていきましょう。

古典での婉曲表現

古文に出てくる【む】の助動詞について説明します。 助動詞『む』  ①ス→推量 ②イ→意志 ③カ→仮定 ④カ→勧誘 ⑤エ→婉曲 ⑥テ→適当 このように覚えるように習いましたよね。 例文 心をさめ(む)方なき(に)  訳 心を静める方法もないのに 数ある意味の中から、どうやって婉曲をみつけるのかと言うと 連体形の場合、仮定、婉曲の意味になります。 ※連体形とは、用語、助動詞の活用形の1つ。考える人や、白いパンなどの 考える、白いは体言を修飾する時に用いられる形。 この『む』は訳さなくても良い。ただ未確定な事を表すことは覚えておきましょう。  

婉曲表現に時代は関係ない

いつの時代でも、人は言いにくいと感じたことを相手に伝えるのに、婉曲表現を使用するのかもしれません。それが婉曲表現だと気づかないまま使用している場合も少なくないでしょう。あまり気にしたことがない人でも相手の気持ちを優先した場合自然と、このような言い方になりことが多いはずです。

現代文の婉曲表現

現代文の婉曲表現には、著者の言いたい事が一番述べられているので注意が必要です。 例えば、『いつもどんな本を読んでいるの?』と聞かれたら、『推理小説だとかビジネス書とかかな』と言う時の、『とか』が婉曲表現です。さらに語尾に~と思われる。~と言えるのではないだろうか。との言い方には、著者の強い主張が現れています。あくまでも自分の考えであることを言う主観、推論表現。このような言い方をするのは、ストレートな言い方をするよりも相手に受け入れてもらい易くなるからです。 また『皆はこう思うよね。でも実は~』だと文章を読む人がイライラしてしまうかもしれません。『こう思う人も多いのではないでしょうか、しかし実際は』と推測の表現にするとどうでしょう。さらに母親が子どもに対して『私はこう思うから、こうしなさい』と言い切るよりも、『あなたの考えもわかるんだけど、お母さんはこう思うの、参考にしてみてくれない?』と話すと、なんだか聞き入れてもらえる可能性が高くなるように思えます。

婉曲表現を使ったビジネス文書の書き方

直接的な言い方は、相手がイライラしたり、カチンときたり、摩擦を生む可能性がありますよね。特にビジネス文書やメールにおいては、会話以上に相手に、冷たい印象を与えかねません。どのような婉曲表現でそれを緩和できるのでしょうか。それには一旦ワンクッション置く事をお勧めします。

1.相手に手間がかかる内容を依頼する時の書き方

再度確認お願いします。→『お手数をお掛けしますが』、再度確認お願い致します。 このお手数をお掛けしますが、とあるのとないのとでは、受ける側の印象が違ってきます

2.相手の意向や、都合を確認する際の書き方

こちらで処理いたします。→よろしければ、こちらで処理いたします。このように婉曲表現を使用すると、物腰が柔らかく感じられます。自分よりも相手の気持ちを尊重してることがわかります。

3.返答や、回答を相手に求める場合の書き方

○日までに返信よろしくお願いします。→恐縮ですが、○日までに返信いただけるとありがたいです。 このようにさっと読み流してしまいそうな部分ではありますが、ワンクッションつけることによって、相手側の立場で考えた場合、受け入れようとしてくれる人が多いでしょう。

婉曲表現をする理由とは

婉曲表現は、なぜ使用したほうが良いかと言うと、聞き手に判断を委ねながら、押しつけがましくない働きかけを行うものだからです。どんな言い方がそう感じるのか具体的に説明しましょう。

例えばあなたが営業事務で、得意先から受注したものを仕入先に発注する仕事をしていたとします。得意先から大至急の注文があり、仕入の納期を早くしてもらわなければなりません。本音でありのままな表現で仕入先に伝えたとしましょう。 『急いでいますので、○日までに納品お願い致します』この注文を受けた側からすれば、あなたが得意先から言われた『至急納品してほしい』なんて、関係のない事でしょうから、イライラしてしまうかもしれません。さらに『なぜもう少し余裕を持って注文をしてくれないのか?』『在庫を持って置いたら良いのではないか?』と相手側にいろいろ疑問や不信感を抱かせてしまうこともあるでしょう。こんな風に仕入先に思わせる理由は、あなたが、仕入先に商品を注文する際に、得意先の気持ちばかり優先してしまっているからです。ビジネスマンであれば無理ないことですが、仕入先担当者への配慮がもう少しあれば、衝突を少なくできるかもしれません。その為『恐れ入りますが、大変急いでおりまして、できましたら少しでも納期を早めてもらえないでしょうか?』と相手の意志を優先するかのような婉曲表現を用いた発注をすればどうでしょう。思いやりの気持が仕入先の担当者に伝わり、出来る範囲で納期を早めててもらえる可能性が増すはずです。このように、本音を相手に伝える事は、すごく大切な場合もありますが、ビジネスに置いては、この本音と建て前を上手く使い分ける必要があると言えます。

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初回公開日:2017年03月27日

記載されている内容は2017年03月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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