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お盆の送り火のやり方|燃やすもの・真言宗など宗派による違いは?

更新日:2024年01月04日

ライフスタイル

お盆の風物詩であります迎え火や送り火。見ると心が和みますよね。そんな迎え火や送り火ですが、いざ自分でやってみようとしてもやり方がわからないという方もおられるでしょう。今回は、迎え火・送り火のやり方や、宗派や地域によるお盆や迎え火・送り火の違いを見て行きます。

数多くある仏教の宗派の中で、浄土真宗はお盆に迎え火・送り火が行われません。それだけでなく、浄土真宗ではお盆期間に仏壇への特別な飾付けも行いません。 浄土真宗の教えでは、仏様はいつでもどこでも、1年365日24時間いらっしゃるとされております。すなわち、盆入りにご先祖様が帰ってきて、盆開けにあの世へ戻っていくというのではなく、毎日子孫のそばにいるという教えなのです。そのため、お盆だからと言って迎え火や送り火などといった特別な事はしないのです。 だからと言って、浄土真宗にはお盆の習慣はないという訳ではありません。故人をご縁として仏法を聞かせて頂く日としております。そのため、浄土真宗でもお盆には法要が行われます。

その他の宗派では迎え火・送り火が行われている

浄土真宗以外の宗派では、お盆はご先祖様が帰ってくる日としており、迎え火や送り火が行われております。ただ、迎え火や送り火のやり方は全宗派共通ではなく、各宗派ごとにやり方が異なっております。 仏教が行う送り火で最も有名なのが、毎年8月16日に京都で行われる大文字焼きです。「京都五山の送り火」と呼ばれており、「大」だけでなく、「妙・法」の文字や、鳥居や舟の形が五山から点火される炎によって浮かび上がります。 五山から炎が上がる事により、お盆に帰ってきた故人の霊をあの世に送り届けております。

地域によるお盆の違い

迎え火や送り火は仏教の宗派だけではなく、地域によっても異なります。地域によってどのような違いがあるのか、様々ある様式の中の一部を紹介していきます。

灯篭流しが行われる地域がある

灯篭流しとは送り火の一種であり、故人の魂を弔うために、火を入れた灯篭を川などに流す行事の事を言います。 送り火の一種という事もあり、主にお盆に行われております。地域によってはお盆ではなく、特別な追悼行事として行う所もあります。また、灯篭流しを行わない地域もあります。そのため、灯篭流しは全国どこでも行われている行事ではありません。

長崎県では精霊流しが行われている

灯篭流しと似ているものとして、精霊流しというものがあります。精霊流しは長崎県の各地、熊本県や佐賀県の一部で行われております。行われる目的は灯篭流し同様、故人の魂を弔うためのものです。 灯篭流しとの違いは、精霊流しは精霊船と呼ばれる藁や盆提灯、造花で作られた船を流します。初盆を迎えた故人の家族が、この精霊船に故人の霊を乗せて、流し場と呼ばれる地点まで運びます。 現在では精霊船を海まで流さず、流し場で解体されております。

迎え火や送り火を3回またぐ地域もある

東京都等の都心部では、迎え火・送り火の上を3回またぐという文化があります。焚いているおがらの上を3回またぐことにより、病気から身を守る事が出来ると考えられているためです。 迎え火や送り火のまたぎ方は、家の玄関から外側に向けて3回またぎます。

精霊馬を送り火で燃やす地域もある

精霊馬とは、ナスやキュウリで作った馬もしくは牛の事です。ナスやキュウリのヘタを頭と見立てて、四等分した割箸を足に見立ててナスやキュウリに刺して作ります。ナスで作られたものが牛、キュウリで作られたものが馬とされております。精霊馬は霊の乗り物とされております。すなわちご先祖様はお盆時期にこれらに乗ってこの世とあの世を行き来するという事になります。 お盆が終わった後の精霊馬の扱いは地域によって異なります。川や海に流す地域、塩で清めて白い紙に包んだ後にゴミとして処分する地域など様々です。そんな精霊馬を送り火で燃やす地域もあります。その理由として、ご先祖様を乗せて無事にあの世へ連れて行ってもらえるよう願うためです。

お盆にはご先祖様を温かく迎えましょう

お盆は年に一度ご先祖様が子孫の元へ帰れる日です。そのため、子孫達はご先祖様を迎え入れるために準備を行います。迎え火や送り火もご先祖様を送り迎えするための行動であります。住宅事情等で迎え火や送り火が出来ない方々も多くいらっしゃいます。せっかくご先祖様が帰ってくるのに何も出来ないと思われるかもしれません。 しかし、お盆を過ごすに当たり最も大切な事は、亡くなったご先祖様を想う気持ちです。いくら迎え火・送り火が出来る環境にいても、気持ちが入っていなければご先祖様も喜びは出来ません。迎え火や送り火が出来なくても、ご先祖様に対する気持ちがあればきっとご先祖様も喜んでくれます。 迎え火や送り火が出来る環境にある方は心を込めて火を焚いて下さい。そのような環境にない方は心の中で帰ってくるご先祖様を歓迎してあげて下さい。温かい気持ちを持ってご先祖様を迎え入れる事が最も重要なのです。

初回公開日:2017年03月27日

記載されている内容は2017年03月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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