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更新日:2024年08月29日
普段の会話で「及び」を使いますか?幾つかの例を列挙したり、並列で並べたい時に便利な「及び」ですが、意外と見過ごしがちです。そこで今回は、「及び」の正しい使い方や「及び」を使うとなぜ相手に伝わりやすいのかを中心にまとめました。
目次
文章・会話は、分かりやすく相手に伝える、ということが大前提となります。つまり読みづらい文字の連なり、あるいは理解しづらい言葉の組み立てでは、こちらの意志なり意図は伝達されません。ですが、急にライティング能力、トーク術が上げることは実際問題、とても難しいことです。 そんな中、簡単に文章や会話が引き締まる魔法の単語(一言)があります。つまり、これさえ意識して使用すれば、文章・会話が全く違ったものになる、というものです。それが、「及び」です。これを正しく使いこなせるだけで、あなたが発するメッセージは明確で、かつ秀逸なものに変化します。
「及び」とは、漢文訓読で接続詞です。複数の事柄を並列して挙げたい時、別の事物・事柄を付け加えて言ったりする場合において用います。名詞・代名詞などの後につくもの、言葉と言葉を繋げる言葉、です。「及び」と同じ使い方ができるものとしては、「並びに」が挙げられます。
「及び」にと「並びに」は法令用語として使用されています。と、聞くと難しく考えてしまいがちですが、「綺麗に正確に伝えるための言葉」と解釈していただければと思います。同じ法令用語として、「または」「もしくは」が挙げられます。
下記の文面は、国家資格である、「電気主任技術者試験」のリーフレットの一文です。 試験内容を知らせる項目の一部を抜粋しました。 《発電所及び変電所の設計及び運転、送電線路及び配電線路(屋内配線を含む)の設計及び運用並びに電気施設管理》 とあります。何が言いたいかと申しますと、こういった様々な人が目を通すと想定される「国家資格」であるリーフレットにおいても、法令用語である「及び」「並びに」は使われているということです。相手に、丁寧に、的確に伝えるために、です。
「及び」、そして「並びに」は見ることや聞くことはあっても使用することはないという人も多いでしょう。いまいち使い方が分からなかったり、使い勝手が悪いと思われています。しかし、使い方はとても簡単です。まずは、「と」と「・」の代わりに用いる、と理解してください。 この記事の冒頭、『文章・会話は、分かりやすく相手に伝える、ということが大前提となります』の一文から、「及び」を使用するなら、『文章及び会話は、分かりやすく相手に伝える、ということが大前提となります』となります。 他に例を挙げるとすれば、 ・レビュー・口コミ →レビュー及び口コミ ・質問とアンケートはこちらまで →質問及びアンケートはこちらまで となります。一見して文章そのもの、もっと言うならばたった1カ所を代えただけなのに、書き手の印象ががらりと変わります。
「いやいや、『及び』や『並びに』を使っても、別に大してイメージが変わらない」と思った方もいるでしょう。ですが、これを会話に置き換えると、おそらくその違いは明確になります。及びを会話で用いると、相手の理解度が変わってきます。 例えば、面接時に志望動機を訊ねられるとします。 ①「御社のブランド開発能力・スキルアップに適した環境・マーケティングプラン・グローバルな事業展開に惹かれ応募させていただきました」 ②「御社のブランド開発能力とスキルアップに適した環境とマーケティングプランとグローバルな事業展開に惹かれ応募させていただきました」 まずは①の「・」ですが、文章ならばすらりと読めるかもしれませんが、これが会話においてだと、当然、この「・」部分は空白時間となります。実際に声に出して読んで貰えばお分かりいただけると思いますが、非常に不自然です。そして②の「と」を用いた場合ですが、こちらは文章からも読みづらく、会話は間延びした感が否めません。少し幼い印象を与えます。「と」で繋ぐのは、ビジネスシーンには適さないでしょう。 これを「及び」と「並びに」を用いると、「御社のブランド開発能力及びスキルアップに適した環境、並びにマーケティングプラン及びグローバルな事業展開に惹かれ応募させていただきました」となります。すっきりとし、聞き手の脳裏にすんなりと入っていきます。これは、「言いやすい=聞き取りやすい」の方式に基づいているからです。言いづらいこと、読みづらいこと、それは伝えたいことが伝えられない、ということを理解してください。
記載されている内容は2017年03月01日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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