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「差し上げる」の正しい敬語の意味とマナーのある使い方・例文

更新日:2022年11月15日

敬語表現

1つの単語がシーンごとに多彩に変化する日本語。そんな日本語の中でも『敬語』は特に習得が難しいと言われています。『差し上げる』という敬語はどのような意味を持ち、どのように使うのが正しいかご存知でしょうか?『差し上げる』について、例文を用いながらご紹介します。

『差し上げる』は使っても良い敬語か

結論からいくと『差し上げる』は敬語として使用しても大丈夫な言葉です。しかし、最近になって『差し上げる』の”あげる”の部分が、目上の方へ使う敬語として、不適切ではという意見も出てきているようです。 これは『上げる』という言葉だけを捉え、上から目線になってしまう言い方ではないかと感じる方がいるからです。本当に『差し上げる』という敬語を使うと、目上の方には失礼なのか、言葉の意味を辿りながら確認してみましょう。

『差し上げる』という敬語の意味

[動ガ下一][文]さしあ・ぐ[ガ下二] 1 手に持って高く上げる。「バーベルを—・げる」 2 「与える」「やる」の意の謙譲語で、その相手を敬う。「この花を—・げます」

(1)の『高く持ち上げる』からまずは見てみましょう。 高く持ち上げると聞くと、『下から上に』という印象を受けるでしょう。だからといって目上の方に使う敬語として『不適切』というのは少し違いますね。あくまでも動作として『持ち上げる』わけですから、そこに上下関係の有無などは存在しません。 なので、『上げる』という言葉の響きだけで、『目上の方に使うには不適切な敬語』と決めつけるのは間違いとなります。

(2)の『与える』の謙譲語ですが、そもそも『謙譲語』とは、『尊敬語』の裏返しとなる敬語を指します。こちら側から謙譲語となる敬語を使うことで、相手を立てることが出来る敬語とされています。つまり『差し上げる』という敬語は、『謙譲語』とカテゴライズして問題ないので、使うことで「上から目線な…」と思われるのは本来ありえない話という事になります。

敬語の『差し上げる』は使い方にコツがいる

謙譲語となる『差し上げる』ですが、使い方によっては確かに相手の方に悪い印象を与えてしまう場合があります。やはり”あげる”という音の響きに問題があるのでしょう。 そこで、上手にその時々の空気を読んで、適切な使い方をすれば『差し上げる』という敬語はなかなか万能選手として、あなたをサポートしてくれることでしょう。

『差し上げる』をうまく変換して使いこなす

・のちほど、お電話差し上げます いたって問題のない敬語のようにも感じますが、どこに違和感を感じますか? 「後で電話しますね」と相手に分かりやすく伝えているように感じるかもしれません。ですが、このように『差し上げます』と言い切りの形で終わってしまう事が問題なのです。 これでは相手の許可を求めるまでもなく「電話します」と言い切っていることになりますね。あなたの立場次第では、大変失礼な物言いと取られてしまう可能性が高くなります。 このような時は ・のちほど、お電話させていただいてもよろしいでしょうか? このように差し上げるを変換させると、言葉の響きもやわらかくなり、且つ相手の方へお願いするという気持ちが、強調されます。 さらに、相手の状況を思いやる、確認する余裕まで生まれていますので、顧客などに対して確認する際にぜひ使ってほしい言葉です。『差し上げる』を使う場合でも、『のちほど、お電話差し上げますがよろしいですか?』のように、確認の言葉があれば、印象も格段によくなります。

『差し上げる』はどのような時に使うか

では、『差し上げる』はどのようなシーンで使えばいいのでしょう?先ほどの項目で出てきたとおり、顧客などに使用するのは極力避けたいところ。 しかし、顧客など自分より上の立場の方に使う場合もあります。それは『差し上げる』という言葉を使った際、それを聞いた相手側に何らかの『メリット』が発生する場合です。 例) 100名様に特製ステッカーを差し上げます どうでしょう?これなら『してあげている』のような印象を与えることなく、適切に『差し上げる』という敬語を使えていますね。このように『差し上げる』を使用すれば、顧客への対応としてもバッチリです。

暗黙の了解やマナー、空気を読むことが大切

冒頭からお話ししている通り、使うタイミングさえ間違わなければ『差し上げる』は、敬語として使用することに何ら問題はありません。 しかし、少しのニュアンスで印象が大きく変わってしまう言葉なので、そこが要注意。この辺りが難しいため、企業側では『差し上げる』を使用しないほうがいいと推奨しているのです。うまく言葉を置き換えて、相手とのコミュニケーションを良質なものにしていってくださいね。

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初回公開日:2016年11月10日

記載されている内容は2016年11月10日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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