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「いとおかし」の意味とは?使われ方や現代語訳もあわせて解説

更新日:2023年11月17日

言葉の意味・例文

「いとおかし」にはさまざまな意味があったことをご存じでしょうか。この記事では「いとおかし」が持つ意味、併せて類語や現代語訳まで解説しています。「いとおかし」の意味を知りたい方や古語に触れてみたい方は是非この記事を読んでみてください。

「“いとおかし”ってどんな意味だったっけ?」 「“おかし”って面白いって意味?」 「“いとおかし”を現代語訳で使ってみたい」 中学校や高校の国語で習う「いとおかし」ですが、意味や使い方を忘れてしまった人も多いのではないでしょうか。 本記事では、「いとおかし」について、意味や使い方といった基礎知識を始め、現代において「いとおかし」はどのような言葉で使われているのかといったことまで幅広く紹介しています。 この記事を読むことで、「いとおかし」の意味を深く知ることができます。さらに、現代語訳までチェックしておくことで、心が動かされた時など感情を表現する際に役立つでしょう。 「いとおかし」を忘れてしまった方や、表現を磨きたいと思っている方は是非チェックしてみてください。

「いとおかし」の意味

中学校や高校での古文の授業で「いとおかし」という言葉を見かけたことがあるのではないでしょうか。「いとおかし」は古語であり、日常生活では使わないことから意味を忘れてしまっている方も多いでしょう。 「いとおかし」は心が動かされて感動した気持ちを意味します。さらに、その対象は自然の景色や綺麗なもの、かわいいもの、面白いものなど多岐にわたっているので汎用性の高い言葉と言えるでしょう。 ここでは、「いとおかし」を構成している「いと」と「おかし」の意味にも注目して紹介していきます。

「いと」は形容詞を強調する言葉

副詞にあたる「いと」は後に続く形容詞を強調する効果があります。現代語で例えるなら「とても」や「すごく」という意味になるでしょう。 「いとおかし」を構成している「いと」も「とても」という意味で、後に続く「おかし」という形容詞を強調しています。 また、「いと」には「それほど」や「たいして」という打消しを意味する場合もあります。真逆の意味なので、誤って解読してしまうと文章の意味も全く異なってしまう可能性があります。文脈や後に続く言葉に注意してください。

「おかし」にはさまざまな意味がある

「おかし」は形容詞です。「いとおかし」がさまざまなシチュエーションで使えるという点からもわかるように、「おかし」にはさまざまな意味があります。 現代語の「おかしい」と同じように「面白い」、「滑稽だ」という意味に加えて、美しい景色に対して「風情がある」という意味もあります。さらに、女性や子どもに対して「美しい」や「かわいい」という意味で使う場合にも「おかし」は使われるのです。 このように、「おかし」にはさまざまな意味があるので、古典文学で「おかし」が出てきた場合にはどの意味で使われているのか注意して解読する必要があります。

「いとおかし」の書き方

「いとおかし」は、「いとをかし」を現代語仮名遣いで表した語です。「いとおかし」そのものは現代の語彙には存在せず、一般に使用されないので、本来は「いとをかし」が古文で使用されている正しい表記になります。 また、「いとおかし」には漢字表記が存在しません。もし、「いとおかし」を文章で使う場合は「いとをかし」か「いとおかし」とひらがなで表記しましょう。

「いとおかし」の使われ方

これまで「いとおかし」について意味や書き方について解説しました。しかし、意味や書き方がわかったとしても使い方までイメージするのは難しいのではないでしょうか。ここでは「いとおかし」が文章の中でどのように使われているか、例文を通して紹介します。 「いとおかし」が使われている文章を実際に読むことで、どのように「いとおかし」をつかって感動を表しているのかイメージすることができるでしょう。

感動を表したい時

・「秋は夕暮れ。夕日のさして山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとおかし。日入りはてて、風の音、虫のねなど、はたいふべきにあらず。」 現代文訳「秋は夕暮れ時がいい。夕日があたり、山の尾根のとても近い所へ、烏がねぐらへ帰ろうと3羽4羽、2羽3羽など急いで飛んで行く景色さえも情緒があって胸に染みる。ましてや、雁などが1列になって飛んで行くのが、とても小さくなって見えるのは、たいへん風情があっていい。日が沈み、暗くなってから聞こえてくる風の音や虫の声なども、また言葉にするまでもない。」 ・「おもしろく咲きたる桜を長く折りて、大きなる瓶にさしたるこそおかしけれ。桜の直衣に出袿して、まらうどにもあれ、御せうとの君たちにても、そこ近くゐて物などうち言ひたる、いとおかし。」 現代文訳「きれいに咲いた桜の枝を長めに折り、大きな瓶に差した様子は実に見事です。桜の直衣(貴族が外出用に着る和服)に出袿(着こなしの一つ)して、お客様であれ、ご兄弟の方達であれ、その(桜を差した瓶)傍に腰をおろして、何かお話されているところは、非常に立派であります。」

「いとおかし」を現代語に訳すと?

「いとおかし」を現代語に訳すとすると「とても趣がある」が挙げられるでしょう。「趣」は風情があることを意味しています。 また「エモい」という俗語も「いとおかし」の現代語訳といえます。エモいの「エモ」は感情的なという意味の「emotional」が由来です。「エモい」は心が動かされた時や感情的になった時、感動した時に使われます。 「いとおかし」は現代ではあまり使われませんが、「とても趣がある」や「エモい」など同じ意味を持つ現代語は存在しています。心が動かされた時などに、これらの言葉を使って感情を表現してみてはいかがでしょうか。

「いとおかし」の類語

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初回公開日:2018年01月11日

記載されている内容は2018年01月11日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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