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更新日:2024年08月16日
訃報などのニュースでよく使われる言葉「偲ぶ(しのぶ)」の意味を正しく知っていますか。今回は「偲ぶ」の意味と使い方を、例文を使ってご紹介します。また、同じ読み方の「忍ぶ」についても意味と「偲ぶ」との違いについて紹介しています。
「偲ぶ」には大きく分けて3つの意味があります。1つ目は「なつかしく思い出す」という意味で、思い出をなつかしむ気持ちや賞賛・同情をもって思い出すということです。2つ目は「慕わしく思う」という意味で、物や人に対して、心惹かれて思いを巡らすということです。3つ目は「愛でる(めでる)」という意味で、目の前にある物の美しさに感心し、賞賛することです。
「偲ぶ」は「しのぶ」と読みます。よく「故人を偲ぶ」や「苦労を偲ぶ」などの使われ方をします。同じ読みをする言葉に「忍ぶ」や「慕ぶ」があります。「忍ぶ」についての「偲ぶ」との違いは後述しますが、「慕ぶ」は「偲ぶ」と同じ意味です。
「偲」という漢字は「人(にんべん)」と「思い」という構成でできています。そして、この言葉の意味をそのまま表現している構成でもあります。「偲」の漢字の意味は、「しのぶ」「かしこい」「励ましあうさま」などがあります。
「偲ぶ」という言葉の意味についてお話ししました。「偲ぶ」には大きく分けて3つの意味がありますが、具体的にどのような使い方をするのかを、例文を使って5つご紹介します。
「昔を偲ぶ」は、過ぎ去ったり、遠く離れた人やものを懐かしむ気持ちを表す言葉です。古文においても、現代と同じ「懐かしく思う」という意味でも使われていました。「故郷を偲ぶ」も遠く離れた場所や過去を懐かしむ気持ちが含まれています。 【例文】 「彼に会うと若かったあの頃が偲ばれる。」 「昔住んでいたあの街を訪れて、過去の思い出を偲んでいた。」
「苦労を偲ぶ」は「(人の)苦労してきた日々や気持ちに同情して思い返す」という意味です。こちらの場合は「懐かしむ」というよりも、その人の苦労に対する「賞賛」や「同情」の気持ちが強いです。 【例文】 「今のような科学が発達していないころの、先人の苦労を偲ぶ。」 「歴史博物館には当時の苦労を偲ぶ資料がたくさん保存されている。」
「人柄が偲ばれる」は「(人・物などが自分にとって)好ましいことが推測される」という意味をもっています。この意味で使う場合は「偲ばれる」という形で使います。「偲ぶ」を「れる」という助動詞をつけた形にすると「尊敬」「受け身」「自発」の意味合いが強くなります。 【例文】 「暖かな家の雰囲気に家主の人柄が偲ばれる。」 「誕生日にこんなにたくさんの人が集まるとは、彼の人柄が偲ばれる。」
季節の草花や風景の美しさについて和歌を詠むことは平安時代の貴族にとっての娯楽であったため、「物の美しさを褒め称える」という意味を持つ「偲ぶ」は多くの古文に使われています。ここでは国語の授業でも習う有名な「万葉集」と「徒然草」から例文をご紹介します。 【例文】 「黄葉(もみつ)をば取りてそしのふ」(出典:万葉集) 訳文:黄色く色付いた葉を手に取って、その美しさを賞美する。 「浅茅(あさぢ)が宿に昔をしのぶこそ」(出典:徒然草) 訳文:茅が茂った荒れている家に、昔を思い出すことこそ
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