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「末筆ではございますが」の正しい使い方とは?英語表現についても紹介

更新日:2024年10月15日

言葉の意味・例文

「末筆ではございますが」という言葉を使うことはありますか?本記事では「末筆ではございますが」の意味や正しい使い方、さらに似た表現や英語表現について紹介します。ひんぱんに手紙やメールを書く方、特にビジネス文書を扱う方はぜひ参考にしてください。

みなさんは手紙やメールの締めくくりの部分に使われる「末筆ではございますが」という言葉をご存知でしょうか。 見たことや聞いたことのある方は多いのではないかと思います。ただその一方で、正しい意味や使い方がわかる方はどれだけいるでしょうか。さらに、普段から使っている方となるとかなり少なくなってしまうように思います。 この記事では「末筆ではございますが」の意味と使い方、また類似表現や英語表現についても詳しく紹介していきます。また例文についても参考になるよう数多く紹介しています。 記事を読み正しい使い方を身に付け実践することで、どなたでも手軽に文書の質を向上させることができます。またビジネスにおいては、職場の上司や同僚、取引先とのやり取りも円滑にすることができるでしょう。 日常的に手紙やメールを書く方はもちろん、ビジネスにおいて文書のやり取りをされる方は必見の内容となっております。ぜひご覧ください。

「末筆ではございますが」の意味と読み方

「末筆ではございますが」は手紙やメールなどの結びの言葉として使います。「末筆」は「まっぴつ」と読みます。「まつひつ」などと誤って読まないよう注意しましょう。 「末筆」の意味は、「文書の最後の文」という意味です。したがって、「末筆ではございますが」は「手紙(または文書)の最後になりますが」という意味となります。 「末筆ではございますが」は文書の用件とは直接関係のない内容を最後に付け加えるときに使います。また、本来は文書の冒頭に書くべき挨拶文を後で述べる際にも使うことができます。 「末筆ではございますが」を使う際に注意していただきたいのが、「用件に直接関係のあることを書かない」ことです。用件に関係することであれば、当然本文にその内容を含めるべきです。「末筆ではございますが」の後に続く文は、あくまで補足的な内容にしましょう。

まっ‐ぴつ【末筆】 文章、特に手紙の末尾にしるす文句。「—ながら、奥様によろしく」

「末筆ではございますが」「末筆ながら」はどちらが良い?

「末筆ではございますが」と同じ意味を表す言葉に「末筆ながら」があります。「末筆ながら」の「ながら」は接続助詞で、「末筆ではございますが」の「が」に該当します。「末筆ではございますが」をややくだけた言い方にしたものです。 たとえば相手が上司や取引先などの目上の人であれば「末筆ではございますが」を使うといいでしょう。また友人や同僚などの相手であれば「末筆ながら」を使う方が自然でしょう。 ただ、友人同士の手紙であれば口語体で書く場合もあるでしょう。「末筆ながら」は口語表現としては使わないので、むしろ不自然になるので注意が必要です。 「末筆ではございますが」と「末筆ながら」の間に意味の違いはありませんので、基本的には同じ場面で使うことができます。より丁寧な言葉で表現したいのであれば「末筆ではございますが」を使いましょう。

「末筆ではございますが」が使える場面

普段から文書の作成に携わっている方でなければ、実際の使い方をなかなかイメージできないかもしれません。ここでは「末筆ではございますが」が実際に使える場面について説明します。 先述したとおり、「末筆でございますが」は手紙やメールなど文書の結びの言葉として使います。普段使いの文書、というよりはビジネス文書やお礼状などやや改まった文書に使うことが多いと思います。 以下に場面と例文を紹介しますが、「末筆ではございますが」はいずれも文書の最後に位置するということを念頭に置いて、ご覧ください。

年末年始のあいさつ

年末年始のあいさつの場合、例えば年末であれば、「末筆ではございますが」の後に1年間お世話になったことを感謝する内容を付け加えるのが良いでしょう。また年始のあいさつであれば、新たな1年のお付き合いをお願いする内容にしましょう。 さらに年末年始は寒い時期なので、相手の体調を気遣う表現とセットで使うのが効果的です。その年にお世話になった企業や上司、同僚などに送る際に使いましょう。 ・末筆ではございますが、本年も多大なるお力添えをいただき、ありがとうございます。 ・末筆ではございますが、本年も変わらぬご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。 ・末筆ではございますが、時節柄ご多忙かと存じます。ご自愛ください。

季節のあいさつ

続いては暑中お見舞いや寒中お見舞いなど、季節のあいさつに使う場合です。夏や冬などは、先述したように相手の健康を気遣う内容にするといいでしょう。 ただひんぱんに文書をやり取りする相手の場合、毎回同じようなパターンになってしまいがちです。たとえば取引先相手などであれば、春や秋は相手の企業の発展を願うような内容にするのもいいかもしれません。の後が毎回同じ表現にならないよう、工夫しましょう。 ・末筆ではございますが、残暑厳しき折、お体に気をつけてお過ごしください。 ・末筆ではございますが、秋たけなわの頃、皆様の益々のご発展をお祈り申し上げます。

ビジネス文書

ビジネス文書においても基本的にはこれまでと同様です。「末筆ではございますが」の後に、相手の健康を気遣う言葉や今後の良好な関係を願う言葉を続けます。 また先述したことでもありますが、ビジネス文書においては「末筆ではございますが」の後には文書の用件に直接関係する事柄や重要な事柄は書かないようにしましょう。逆に失礼な文書になってしまいます。 ・末筆ではございますが、貴社のさらなるご隆盛をお祈り申し上げます。 ・末筆ではございますが、今後とも変わらぬお付き合いのほど、宜しくお願い申し上げます。

お詫びの手紙やメール

謝罪のための文書なので、内容には一層注意が必要です。 文中にお詫びの言葉をすでに述べている場合には、締めの言葉に改めてお詫びを用いるとくどくなってしまいます。申し訳ない気持ちが真摯であるほど重ねて謝罪を伝えたくなるものですが、表現としては正しくありません。今後の付き合いを望む意味合いの言葉で締めくくると良いでしょう。 ・末筆ではございますが、今後ともご指導ご鞭撻のほど宜しくお願いいたします。 ・末筆ではございますが、今後も末永いお付き合いのほど宜しくお願い申し上げます。 ちなみに、「ご指導ご鞭撻のほど~」という表現は、直属の上司などに使う言葉ですので、使う相手に注意が必要です。同僚や後輩などの相手はもちろん、目上であっても取引先の企業の方に送ることはできません。自分を指導、監督する責務を負う方に対して使う表現です。

お礼の手紙やメール

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初回公開日:2017年12月17日

記載されている内容は2017年12月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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