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更新日:2024年09月27日
「ししてしかばねひろうもなし」聞いたことはあるけど、そういえばどういう意味なんだろう?そう思っている方は多いはず。今回は、「ししてしかばねひろうもなし」の意味や由来となったセリフ、日常生活での使い方などについてご紹介します。
目次
聞いたことあるフレーズだけど、「ししてしかばねひろうもなし」って一体なに、そう思った方も多いのではないでしょうか。 「ししてしかばねひろうもなし」まるで何かの呪文みたいです。今回は、「ししてしかばねひろうもなし」の意味や使い方についてご紹介します。
「ししてしかばねひろうもなし」とは、漢字に変換すると、「死して屍拾う者なし」という字になります。このフレーズは、テレビドラマやゲームのキャラクターのセリフなどで使われたため、耳に残っているけれど、漢字は知らなかったという人も多いのではないでしょうか。
では、「ししてしかばねひろうもなし」とはどんな意味の言葉なのでしょうか。現代語に直訳すると、以下のようになります。 しして=死してとは死んでも しかばね=屍とは死体 ひろうも=拾う者とは拾ってくれる人 なし=いない しかし、これではちょっと意味がとおりません。死体を拾うの所がピンとこない方が多いのではないでしょうか。それもそのはず、現代とは死者の弔い方や死生観がまったく違うという背景があります。この背景を考えていくと、「ししてしかばねひろうもなし」の恐ろしさが初めてわかります。
1467年に応仁の乱が起こってから、戦国時代へと突入した日本、続く戦に、次第に民衆は平和や安寧を求めるようになります。路上に誰かが野垂れ死にしていることも珍しくなかった時代です。平均寿命も今よりずっと短く、死はより生活の中に隣り合わせのように存在していました。 また、昔は学校などありませんでしたので、寺で学問を教わったり、檀家制度が定められ、戸籍の管理なども寺が行っていました。供養の方法も、今とは少し方法が異なります。現代の日本ではほぼ100%が火葬ですが、過去には、土葬が多く利用されています。 明治時代以降は、火葬が増えましたが、火葬の設備が不十分だったこともあり、昭和初期位までは土葬が続いていたといわれています。まず誰かが亡くなると、その遺体を自宅へ運び込み、釈迦の故事にならい北枕で寝かせ、死体に悪霊が入り込まないように、魔除けの刃物を胸の上に置きます。そして、お通夜として個人の親しい人が集まって一夜を過ごします。 翌日、遺体をお湯で清めてから、死に装束を着せて、棺桶がわりの桶におさめます。葬儀らしい葬儀は読経だけ。それが済むと、お墓に運んで土葬にしました。 供養の中で、タブーとされることもいくつかあります。不幸が重なるという重ね言葉は使わない、などは現在にも風習として残っています。最も特徴的なのは、仏教などの大きな宗教にしても、土着宗教(地域に根ざした地域独特の宗教のこと)にしても、死者が戻ってこないようにするためのタブーが多くみられます。 例えば、土葬の時に棺を左向きに3回回してから、北枕で埋めるのは方角をわからなくするため。自宅から遺体を運ぶ時も、行きと帰りは違う道を通り、死者を迷わせ、家への道をわからなくさせるためです。 死が生活に根ざしている分、死者は「確かに存在する者」として扱われていました。現代では、遺体も火葬してしまうので、魂だけの「存在しない者」としての扱いなので、畏怖されることも少なくなっていったと考えられます。
前述したように、死者を家に戻さない、さまよわさせないためにタブーが定められ、それがきちんと守られていたということを大前提とすると、逆に言えば、それをしないと死者はさまよい歩き、成仏ができないということです。 なので、死体を拾ってくれる人がいないということは、悪霊が死体を乗っ取り、現世さまよい歩き、ずっと成仏できないことを指し、いつまでも報われずに、苦しむことを意味します。死や宗教が生活の一部でもあった昔は、それはとても恐ろしいこととされていました。 平安時代にも、とても恐ろしく悲惨な死に様として、「しゃれこうべが転がり、そこからススキがはえている」などと表現されているものもある位です。「ししてしかばねひろうもなし」というのは、それほどまでに恐ろしいことでした。
故事成語とは、故事(昔の出来事)が元となって、できた熟語のことです。多くは中国の古典に書かれた故事が元になっています。蛇足や推敲、矛盾、塞翁が馬などは学校の教科書などでも読まれた方が多いのではないでしょうか。
語感が故事成語のような印象はありますが、実は「ししてしかばねひろうもなし」は、故事成語ではありません。では、「ししてしかばねひろうもなし」はどんな由来をもつ言葉なのでしょうか。 実は「ししてしかばねひろうもなし」は、とあるテレビドラマの冒頭シーンで流れる「隠密同心心得の条」というセリフの中で使われたフレーズです。
記載されている内容は2017年11月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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