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シンガポールの公用語|4つになった理由/歴史・割合・国語など

更新日:2024年05月13日

旅行・アウトドア・スポーツ

皆さんはシンガポールと聞いて、マーライオンの他に何をイメージしますか。きらびやかなホテルや中国と東南アジアが混ざった雰囲気ですか。シンガポールには、実に色んな文化や言語、民族が入り混じっています。そこで使われている4つの公用語についてご紹介します。

シンガポールの4つの公用語

シンガポールと言えば、観光客であふれ返る賑やかな都市というイメージがあります。マーライオンを思い出す方も多いですが、きりりとした立ち姿で口から勢いよく水を吹くマーライオンはシンガポールのシンボルのような存在です。 シンガポール(Singapore)という名前は、サンスクリット語の獅子シンハ(siṃha)に由来するとも言われていますし、「ライオンの町」という意味もあります。今回は、そのシンガポールで使われている公用語についてご紹介します。 シンガポールの公用語は、実は4つあります。英語、中国語、マレー語、タミル語です。国語はマレー語ですが、公用語が4つなので、正式名称もそれぞれあります。

英語での正式名称

Republic of Singapore(リパブリック・オブ・シンガポー)シンガポール共和国という意味になります。

中国語での正式名称

新加坡共和国(シンチャーポー コンホークオ)ですが、各方言によって発音は異なります。

マレー語での正式名称

Republik Singapura(リプブリク・スィンガプラ) マレー語は、マレー半島周辺地域に住む人々の言葉の一つで、広くはマレーシア語やインドネシア語も含まれます。

タミル語での正式名称

சிங்கப்பூர் குடியரச=スィンガップール・クディヤラク タミル語は南インドに住むタミル人の言語です。インドではタミル・ナードゥ州の公用語にも制定されていて、スリランカやマレーシアでも使われています。

共和国っていうけれど?

シンガポールは、いわゆる都市国家の一つです。都市国家とは、一つの都市を中心として、独自の文化や政治形態を持つ地域のことをいいます。日本語で言えば、小国家ということになります。 つまりシンガポールは、シンガポール島をはじめとした60近くの島々で構成されている小さな国なので、一般的な国家のように首都というものは存在しません。 多種多様な文化と民族が入り混じっているからこそ、公用語も4つ必要とされます。

4つの公用語になった理由

シンガポールの公用語がなぜ4つもあるのか?その理由は、シンガポールの歴史にあります。

歴史

シンガポールが確認できる最古の書物は3世紀の中国の文書です。その時代から中国とは交流がありました。そこには「Pu-luo-chung(半島の先端にある島という意味)」と記されていました。 7世紀にはテマセックという漁村があり、マレー半島の先端にあることから、色々な国の船が寄港していました。ジャワ島中東部を中心として栄えたマジャパヒト王国の詩人が14世紀に書いた『王朝栄華物語』にもテマセックという名前が王国の服属国として記されています。 14世紀末にはシンガプーラ(サンスクリット語でライオンの町という意味)と呼ばれるようになりましたが、シンガプーラを含めたマレー半島を巡り、マジャパヒト王国とシャム(タイ王国の旧名)の争いが激しくなります。そしてパレンバン(スマトラ島南部の都市)の王子パレメスワラが、マラッカ王国を建国し、シンガプーラをその支配下におきました。 そののち、ポルトガルの侵略、イギリスによる植民地支配、イギリス極東軍を攻撃し勝利した日本による軍事支配、敗戦国となった日本からまたイギリスの植民地を経て、20世紀にはマラヤ連邦が独立してイギリス自治領となりました。 イギリスの植民地時代には、かなりの中国人が華人(かじん。移住先の国籍を取得している中国系住民を指します)としてシンガポールに住み、人口の大半は中国人だったそうです。その中国人とマレー系住民が対立し、マレーシア連邦が結成された後、死傷者が出る暴動にまで発展しました。 そして1965年8月。シンガポールはマレーシア連邦から追放される形で独立を果たします。 中国人との交流や流入、イギリスによる支配という歴史から、シンガポールの公用語は現地の言葉も含めて4つになりました。簡単に言えば、公用語を1つだけに絞ることは不可能だったと言えます。

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初回公開日:2017年10月26日

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