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更新日:2024年10月01日
三線と三味線。「どちらも似たような見た目で違いがわからない」と思う方は多いのではないでしょうか。また「やってみたいけど、どっちを始めたらいいかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。これから始めたい!という方に三線と三味線の違いを紹介します。
三線と三味線。三線は主に沖縄民謡や奄美民謡。三味線は民謡、浪曲等で使われる楽器ですが、ロック・ポップス等のジャンルで使われる事も多々あります。どちらも三本の弦で構成される弦楽器で独特の響きが魅力的です。ぱっと見て、どちらが三線でどちらが三味線か見分けがつかないという方も多くいるのではないでしょうか。 この記事ではよく似ている三線と三味線の違いについて紹介します。違いがわからない方、これからどちらかを始めてみたい方は参考にしてみて下さい。
所説ありますが、元々は15世紀頃に中国の「三弦(サンシェン)」という楽器が琉球王国に伝わったのが三線の起源とされています。その後16世紀頃に三弦が日本に伝わり、そこから三味線が生まれたと言われています。三線の胴はニシキヘビの皮でできており、別名蛇皮線(じゃびせん)や蛇味線(じゃみせん)とも呼ばれます。沖縄民謡や奄美の島唄等、歌いながら演奏する「弾き語りスタイル」がメインです。 一方、三味線の胴は主に犬や猫の皮でできています。日本ではニシキヘビが住んでおらず、皮の調達が難しかったため改良を重ねて犬や猫の皮が使われるようになったと言われています。民謡や長唄等の歌いながら演奏する「弾き語りスタイル」で演奏も可能ですし、箏や尺八等の楽器と合わせて演奏される事も多々あります。
通常三線も三味線も歌い手の声に合わせます。本調子と呼ばれるチューニング方法が一般的で、3本の弦をそれぞれド、ファ、ドとなるように合わせますが、歌う時に歌いにくいようであれば音の高さを調節します。カラオケで歌いにくい時にキーを上げたり下げたり変更しますが、このキー変更と同じ要領です。どちらも大体2オクターブ半程度の音が出せます。
三味線では「さわり」と呼ばれるビリっとした感じの独特な響きを出す事ができます。一の糸(三味線を持った時に一番手前にくる太い弦)の開放弦をわずかに棹に接触させることによって、ビりっとした感じの音を出します。倍音成分を増やして音色に味を付け、響きを延ばす効果があり、このさわりを使う事で三味線独特の響きを出す事ができます。 一方、三線にはこうしたさわりはありません。
三味線も三線も勘所(かんどころ)と呼ばれる弦の上を押さえて音を鳴らします。ドレミの音を鳴らすポジションの事です。ギターでいうフレットに相当するものですが、三味線も三線もギターのようにフレットがないのでポジションを間違うと正しい音が出ません。 各音がどこにあるのかポジションを覚えておく必要がありますし、慣れるまで練習も必要になります。ちなみに三味線も三線も勘所の違いはありません。同じチューニングの場合は同じ位置で同じ高さの音が出ます(三線の方が棹が短いため、相対的にポジション間隔が狭くなります)。
三味線のサイズは大体全長三尺二寸(約100cm)程度ですが、胴と棹(さお)は種類によってまちまちです。一方、三線は全長76~80㎝程度なのでサイズは三味線の方が少し大きいです。重さも三線が1Kg前後に対し、三味線は2~3Kg程度の重さです。三味線の方がサイズが大きい分重さもやや重くなります。 先述の通り、胴は三線がニシキヘビの皮、三味線が犬猫の皮を使用していますが、近年は合皮製のものも製造されており、本革製のものよりも安価です。弦はどちらも絹製ですが、近年テトロン製やナイロン製の弦も多く販売されています。
初心者向けのもので三線が大体2~3万円程度から販売されています。三味線については初心者向けで大体3~4万円程度から販売されています。どちらも上を見たらきりがないですが、全体的に三味線よりも三線の方がやや安価です。 どの楽器でもそうですが、興味のある楽器はネットで購入するより、実際に店舗に行って一度手にしてみる事をお勧めします。実際に見て、手にしてみた感覚で選ぶのが一番良いですし、わからない事を店員さんにどんどん聞いてみましょう。楽器選びの参考になるでしょう。尚、楽器店で勝手に楽器を触ると店員さんに怒られますので、楽器を触ってみたい時は必ず店員さんに声をかけましょう。
三味線も三線もギターのように左手で弦を押さえ、右手で弦を弾いて音を出しますが、三味線ではイチョウのような形をした「ばち」を右手に持って弦を弾きます。一方三線は義甲という爪のようなばちを人差し指にはめて弦を弾きます。三味線も三線も必ずこれらの道具を使わなければならないわけではなく、奏者や、曲のジャンル等により指(爪)やギター用のピック等で弦を弾く事もあります。 また三味線では左手の親指と人差し指に「指すり(指かけ)」というものをかけて演奏します。1つの弦の上で高音と低音の行き来をスムーズにさせるためです。三線では指すりは使用しません。
記載されている内容は2017年09月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
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