先日はいつまで使える?ビジネスシーンでの先日の使い方は?

話し言葉でも書き言葉でも「先日」という言葉をなにげなく使ったり、また使われているのをよく耳にしたりします。しかし、違和感を覚えることがありませんか? 「先日」はいつまでのこと? ビジネスシーンを中心に、先日がいつまでなのか、使い方、類語など掘り下げてみます。

先日はいつまで使える?

「先日」とは、いつまでの範囲で使えるのでしょうか? あまりにも何気なく使う言葉なので、じっくり考えたことがない方もいるかと思います。2,3か月前にお会いしたクライアントさんから、「先日はありがとうございました。」とご挨拶をいただいて、あなたは違和感をおぼえますか?

先日の意味

少し前のある日。このあいだ。過日。

出典:http://www.weblio.jp

まずは、三省堂 大辞林で「先日」を辞書で調べてみましたが、はっきりと「過去のいつまでの時点」とか「〇日前まで」との数字的目安は書かれていません。
では、「先日」の意味の中にある、「過日」はどうでしょうか?

過ぎ去ったある日。先日。

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こちらも、「いつまで」なのか具体的な数字の目安はありません。

いつまでか明確でない「先日」のような言葉の例

具体的な決まりがないということは、「先日」が「いつまで」なのかは、感覚によるのでしょうか? 使い慣れている日本語なので、「いつまで」なのか深く考えずに使うのが当たり前ですが、言葉には、明確に意味全てが定義されていないものが意外とあります。

「かなり重い」と言っても、何キロからが「かなり重い」と明確に数字を定義することはできません。なぜなら、平均体重が20kgを下回る幼稚園児が、30kgの体重だと、「かなり重い」と言えるかもしれません。しかし、50kg、60kgが当たり前の大人は体重自体は幼稚園児から比べれば「かなり重い」ですが、大人としては、「かなり重い」とは言えません。

「このあいだ」と言っても、近い過去のことを言っているのはわかりますが、これも明確に決まりのない言葉です。「このあいだ」は昨日のことは指しませんが、一般的な感覚では2,3日前までのこと、中には1週間前、1か月前のことも「このあいだ」という人もいるでしょう。

「先日」もいつまでかは、人によって、使う状況によって、かわってきます。ある人は2,3日前までのこと、1週間前くらいのことの人もいれば、数か月前のことを「先日」で表現する人もいます。
一般的に「先日」は、ビジネスシーンではいつまでなのでしょうか?

ビジネスシーンでの先日の使い方

「先日」の使い方

・先日はありがとうございました。
・先日購入した洋服を返品したいのですが…
・先日いただいたプレゼントのお返しを選びに出かけましょう。

「先日」を「昨日」の意味で使う人もいます。間違いではありませんが、違和感をおぼえる人も少なくありません。

ビジネスシーンでの一般的な「先日」はいつまで

1か月くらい前のことまでを指すのに使われている印象です。しかし、場合によっては、2,3か月前のことを指してもおかしくない時もあります。あまり会う機会がない人に対して使うのであれば、違和感がないでしょう。
しかし、半年前や1年前を指して使うと、多くの人が違和感をおぼえるでしょう。

よりスマートに「先日」を使う

いつまでとの定義は明確になくても、スマートに「先日」をいつまでを指して使うか考えてみましょう。
書き言葉の場合、季節の言葉を添えた文頭の挨拶で、前回会ってから季節が変わっているならば、「先日」とするよりも、「昨春」「昨夏」とした方がスマートではないでしょうか?

先にも述べましたが、「昨日」の意味で「先日」を使い、「先日はありがとうございました。」と言うと、聞き手によっては瞬間的に「昨日」とわからない場合もあります。間違いではありませんが、一般的ではありません。

「先日」は「近い過去の時点」を意味し、その場合には「昨日」も含まれますが、「このあいだ」の意味もあります。「このあいだ」には「昨日」は含まれないので、「先日」が「昨日」を意味しているのをぱっと分からない人や状況もあります。

「先日」を置き換える

「~の際」と具体的にいう

話し言葉にしても書き言葉にしても、「先日」がいつまでに適当なのか迷った時には、「~の際には」とする方がより具体的ですし、受け取る側は「しっかり覚えてくれている」といい印象を持ってくれるのではないでしょうか。

例えば、「先日は(迅速な対応をしていただきまして)、ありがとうございました。」を「部品の仕様変更の際には、迅速な対応をいただきまして、ありがとうございました。」とするのはどうでしょうか? わかりやすいですし、印象も違いますよね。

より具体的な期間を指す言葉にかえる

「先日」はややかしこまった際に使いたい言葉です。しかし、「~の際」のように、具体的な「昨日」「〇日前」「先週」「先月」「1か月前」などの言葉に置き換えてもカジュアルな言い方には聞こえません。覚えているならば、「先日」がいつまでか迷うより、話し手も聞き手もわかりやすいです。

万が一、聞き手が忘れている時には、出来事を思い出すきっかけにもなるかも知れません。会話の中で。「先月はありがとうございました。」といえば、何のことかの説明などその会話の過程でよりコミュニケーションが取ることができ、スムースな関係構築ができるかも知れません。

先日と過日の使いわけ方法

「先日」の意味のひとつ、「過日」

最初に辞書で意味を調べた時に、「先日」の意味の中には、「過日」が含まれていました。「過日」もいつまでとの定義はなく、「過ぎ去ったある日」を指します。一般的には、「先日」よりも少し遠い過去のある時点を指して使う場合が多い印象です。

また、「先日」の方が「過日」に比べるとカジュアルな響きがありますが、ややかしこまった言葉でもあります。「先日」が会話でも文章でも使われるのに対し、「過日」は書き言葉で、特に堅い文章で使われる傾向があります。

また、「過日」には、同じ発音で意味の違う言葉がいくつかあります。「嘉日」「佳日」「果実」などがあるので、瞬時に区別できない可能性があり、話し言葉には多用されない理由のひとつでしょう。

「過日」を使った例文

・過日はお忙しい中、○○の件でご来社くださいまして、誠にありがとうございました。
・過日はご多忙の中、お足元の悪いところ、わざわざご来店いただきまして、心から感謝申し上げます。
・この度の人事異動により、◯◯勤務を命ぜられ過日着任いたしました。

先日・過日の類語

先頃

これも「先日」と同じで、近い過去のある時点を意味する言葉です。「先日」と同じ程度のかしこまった言い方です。
・先頃、お願いいたしました件について、1点確認させてください。
・先頃から寒い日が続いていましたが、明日からは春の陽気が訪れます。
・先頃帰国したばかりの○○さんが、私共の課に配属されました。

先般

「このあいだ」の意味があります。いつまでかの表現だけでなく、副詞的な使い方もされる言葉です。「先日」と同じ意味ですが、「先般」の方がかしこまった言い方です。
・先般は、大変お世話になりました。
・先般申し上げたように…
・先般の件、承知いたしました。

この前

「先日」と同じ意味で使えますが、より口語でカジュアルな言葉です。親しい相手ややり取りが頻繁な相手には使えますが、ビジネスシーンでの口語としては、避けた方がベターな表現です。
・この前は大変お世話になりました。
・この前のミーティングの議事録です。
・今日も、この前のような手順で進めていきます。

「先日」とその類語、置き換えで対応

では、まとめてみましょう。

「先日」は、「このあいだ」を意味し、もっと言うならば「近い過去のある時点」のことです。

ビジネスシーンでの「先日」は、一般的にいつまでを意味するかというと、1か月ほど前の場合が多い印象です。使うシーンによって、「先日」の類語、「先頃」「先般」「この前」なども使いこなせれば、会話でも文章でも表現に幅が出ますし、臨機応変に合わせるという意味でビジネスマナーがアップするのではないでしょうか。


「先日」が相手の感覚に合うかどうか迷った時には、具体的に、「~の際」や具体的に「先日」「先週」「先月」と言えば、わかりやすいうえに、過去のことをしっかりと覚えているアピールになり、印象もアップするでしょう。

ビジネスメールはきちんとかけるようになろう

ビジネスメールはビジネスの中でも基本中の基本です。正しいビジネスメールを作らないと社会人としての常識も疑われてしまうのでしっかりと抑えておきましょう。