ソフトバンク「エンジニア」インタビュー|エンジニア組織の強みは”スピード感”と”革新性”
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更新日:2024年06月18日
エンジニアファーストを謳う企業は多いが、何をもってエンジニアファーストと呼ぶのか。エンジニア主体のアサインを行いながら、あえてエンジニアファーストを標榜しないフォーサイト・バリュー・テクノロジーの採用担当、取締役副社長の祖母井(うばがい)さんにお話を伺った。
祖母井:2002年創業で、社員数は92名(2020年3月現在)。開発、運用、コンサル、インフラの客先常駐型プロジェクトに幅広く取り組んでいます。開発ではWeb系、オープン系、インフラではサーバ系、クラウド関連、コンサルではRPAが主力分野です。特定の業種・業界に特化することはありません。
祖母井:エンジニアがやりたいプロジェクトに参画する、エンジニア主体のアサインを行っています。「このプロジェクトに人がほしいから、誰でもいいから送り込もう。そうすればクライアントとの面目が保てる」といった、営業主体の引き受けはしていません。
祖母井:SESとしての魅力を、働く側から考えたときに、会社を変えずにキャリアチェンジできるからです。エンジニアとしてのスキルアップはもちろん、ライフスタイルやワークライフバランスに合わせてプロジェクトを選ぶことができれば、エンジニアも気持ちよく、やりがいを持って働けると考えています。 しかし、採用面接をしてみると、多くのエンジニアはプロジェクトとのアンマッチに悩み、改善されにくい状況から、転職を考えていることがよくわかります。それがSES全体のイメージすら悪くしているかもしれません。 それならば、当社はSESとしての魅力を最大限に発揮する企業になろうと、エンジニア主体の姿勢を明確にしています。さまざまなプロジェクトが用意されていれば、会社を辞めずに柔軟に対応できますからね。
祖母井:創業から10年ほど経ったころ、新たなステップとして受託開発に取り組むことになりました。大型の案件だったので意欲満々で臨んだのですが、当時はまだ財務基盤が弱く、結局はクライアントの言いなりにならざるを得ず、休日出勤や深夜残業など大変な思いをしました。 これでは何のための受託開発なのか、自社にとってプラスになるとは考えにくい。社内で再検討した結果、一旦、この事業からは手を引くことになりました。当時の社員数は40名ほど。これが100名体制になれば、安定した収益も得られ、受託開発も再開できると考えました。 体制拡大に向けてエンジニアの働き方を見直したところ、仕組みが旧態依然で典型的なSESであること、エンジニアの定着率もよくないことなどが課題として挙げられました。 エンジニア主体のアサインを導入するとともに、営業もクライアントとのあり方を再構築することで、双方の全体最適を目指しました。今、その取り組みが功を奏し、100名体制も目前に迫っています。
祖母井:営業による月に一度のフォローアップのほか、エンジニアからの相談に気軽に応じるようになると、エンジニアと営業双方の信頼感が増し、不満を聞くことはなくなりました。エンジニアの数は増えていますが、対応がおざなりになるようなことはありません。
祖母井:エンジニアの希望をかなえることを基本にしていますが、そこに成長への働きかけも加味しています。 たとえば、運用系プロジェクトのリーダーを長く務めていた40歳手前のエンジニア。私たちは他の技術がない彼の将来を案じていました。そこで、これからの分野であるRPAのプロジェクトを依頼したり、運用系の別のプロジェクトを担当したりしたのですが、なかなかうまくいきませんでした。この経験から同じ運用系でも環境が変わるとできないことを、本人が自覚するようになったんです。自分の将来に危機感を持った彼は、自ら再度RPAのプロジェクトを希望。現在はメガバンクのRPA案件で活躍しています。 また、性格は真面目だけれど、やや責任感に欠けるエンジニアを、あえてリーダーに抜擢。これまで自分がしてきた急な欠勤が、チームにとってどれだけ大変なことか、リーダーとして自覚するようになり、姿勢を改めるようになった例もあります。
祖母井:目的意識の高い人や自分からアクションを起こせる人です。希望通りのプロジェクトに参画できたことで留まることなく、それをきっかけに一歩も二歩も踏み出してほしいと思います。
祖母井:100名になったから、受託開発を再開するのではなく、エンジニア一人ひとりの幸せを考え、彼らが活躍でき、かつ企業として成長できることを、改めて考えていきます。 たとえば、現在、流行りのAIやIoTについて。「ウチではAIの開発を行っています」という表現もできますが、決してAIのアルゴリズムそのものに関わっているわけではなく、AIから引き出した情報を、Webに反映させる部分の開発のみ取り組んでいる場合でも広く捉えれば「AIやってます」になってしまいます。IoTも、Things(モノ)に組み込む側の制御や開発の経験を得られなければ、今までやってきたInternetの世界に留まってしまい、真にIoTを経験しているとは言いきれません。 そういう意味で当社は、現時点ではAIやIoTを標榜しないことに危機感はありません。今後その分野の知識や技術があり、やりたいというエンジニアがいれば、新たに展開することも可能性としてあり得ます。状況に応じて柔軟に対応し、エンジニアと共に創り上げていく会社でありたいと考えています。
エンジニアを主体としたFVTのありようが、決して一朝一夕に生まれたものではなく、失敗や経験を経て形作られたことを伺うことができた。だからこそ、現在の同社には盤石な事業基盤があり、95%という高い定着率も誇っている。 採用活動でも「ホンネで」語り合い、情報をオープンにすることを基本にしており、入社後のギャップをできるだけゼロに近づけることを、採用担当の祖母井も全力で取り組まれている。ホンネで話し合える環境を探しているエンジニアにとって、ぜひチェックしておきたい企業だ。
記載されている内容は2020年04月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
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