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「多角的」の意味と使い方・例文5コ・「多面的」との違い

更新日:2024年03月01日

言葉の意味・例文

今回は「多角的の意味と用法」についてお伝えします。この「多角的」という言葉を、自分が書く文章に使ったことはあるでしょうか。この「多角的」の意味や例文、類語、言い換え表現などをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

「多角的」の意味

「多角的」とは、「多方面に渡っているさま、いくつかの方面に派生するさま」を意味する言葉です。 また、「ある物ごとを多くの角度から見渡す」という分析型の用法も含まれています。その物ごとを観察する主体が別にあって、2者の間で交わされる行動的な意味を指してきます。 よく使われているようでありながら、実は微妙なニュアンスの違いがあります。正しい意味と使い方をきちんと理解しておきましょう。

「多角的」の使い方

「多角的」とは、「多角的な○○」や「多角的に○○する」のように使われる形容動詞です。研究論文や小論文、またノンフィクションの小説やドキュメンタリータッチに書かれた評論文の中でよく使われています。 まず主体があり、その主体から特定の対象に向けて動作しているという状態をイメージしましょう。例えば「多角的に人生設計を求める」では、多角的に求める主体は「人」であり、その対象は「人生設計」です。

「多角的」の例文

「多角的」とは、「多方面に派生するさま、多方面から観察・分析するさま」を意味する言葉です。 かかる言葉によってニュアンスが若干異なりますので、それらを見比べながら性質を捉えてみてください。違いを見つける際には、例文の表す状況をひとつひとつイメージにして頭に描いてみると分かりやすいです。 以下にいくつかの例文をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

例文1「多角的に検討する」

この例文では、「さまざまな方面に渡って検討する」という意味合いで使われています。ひとつの物事に対して分析をする、というよりは「ひとつの物事に関して、さまざまな立場に立って考える」というニュアンスです。 「検討する」という動詞が、対象の物事よりも行為としての意味に焦点を当てていることが、分析用法との違いであると考えられます。

例文2「多角的に捉える」

この例文では、「ある物事について、多くの角度から見渡して捉える」という意味合いで使われています。「多角的」の一般的な使用例でしょう。 ひとつの点に限らず、さまざまな観点から物事を見ようとする表現です。それまで植えつけられてきた常識や偏見を排除し、それとは別の視点や視野をもって物ごとを捉えることで、問題の発見や解決が見えてくることもあります。

例文3「多角的アプローチ」

この例文では、「さまざまな立場にわたって対象へ近付く」という意味合いで使われています。「アプローチ」という行動的な意味に対して、さまざまな側面から取り組むことを表します。 あるひとつの物事に強く向かっていない場合、対象を特別にイメージさせない場合には、分析型ではなく、広がる意味合いを読み取るのが無難でしょう。

例文4「多角的な経営」

この例文では、「さまざまな方面に渡った経営」という意味合いで使われています。経営するという言葉には、分析の対象が含まれていません。 「経営」と言う言葉自体に「多角的」のもつ「さまざまな」という意味を付け加えている表現なので、何かを分析する用法でないことが分かります。 したがって、この場合には「さまざまな方面、立場に立った経営」と読み取るのがより適切です。

例文5「多角的な視点」

この表現では、「多くの角度から見渡すような視点」という意味合いで使われています。一見して対象を表したものには見えませんが、「視点」とは何かに向かう物です。そのため、対象をイメージさせる言葉であり、それに対して「多くの角度から見渡す」という意味を付け加えています。 「ある物事に対する分析」という意味を読み取ることがより適しているでしょう。

「多面的」との違い

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初回公開日:2018年01月05日

記載されている内容は2018年01月05日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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