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クリスタルイヤホンの仕組み|スピーカー/価格/販売/ラジオ

更新日:2024年01月17日

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イヤホンには「クリスタルイヤホン」という種類のものがあります。一般的には、あまり馴染みがないかもしれませんが、ラジオを聴くには便利なイヤホンです。今回は「クリスタルイヤホン」についての詳細や、仕組み、価格などについてご紹介していきます。

クリスタルイヤホンの仕組みとは?

イヤホンの種類の中に「クリスタルイヤホン」というものがあります。「クリスタルイヤホン」は、振動子として「ロッシェル塩(酒石酸カリナトリウムの結晶)」や「セラミック」を使ったイヤホンであり、圧電作用を使って結晶体を振動させます。 結晶に圧力を加えると電圧を発生します。これが圧電作用です。電圧を加えると、逆反応として微細な形状変化を起こすため、この作用を発振回路に使用し、それを音の振動に用います。 一番の特徴としては「小さい電力で駆動できること」です。このため、電源を持たない鉱石ラジオやクリスタルラジオなどでよく使われています。また、防災用のラジオなどにも適しています。

昔は「ロッシェル塩」などが使われていた

また、昔は酒石酸カリナトリウムの結晶である「ロッシェル塩」などを圧電素子に用いていましたが、現行では「セラミック」が主流になっています。ロッシェル塩が使われている「クリスタルイヤホン」は、低入力の感度が良く、利用価値の高いイヤホンです。低音特性がよいため現在でも使われていますが、最近は見かけることも少なくなりました。

クリスタルイヤホンなのに「水晶」は使っていない?

「クリスタルイヤホン」という名前ですが、実際に「水晶」を使った水晶発振子は共振周波数が高すぎるため、音声用としては使われていません。現在は「クリスタルイヤホン」という名前で売られているもののほとんどが「セラミック」を使用しています。

「クリスタルイヤホン」と「セラミックイヤホン」の違いは?

先にご紹介したとおり、現在では「セラミックイヤホン」が「クリスタルイヤホン」として売られています。現在は「セラミックイヤホン」が主流になっていますが、「セラミックイヤホン」と「クリスタルイヤホン」は、実際には違うものです。 「クリスタルイヤホン」と「セラミックイヤホン」の違いは、インピーダンスに現れており、セラミックが使われているものに比べ、ロッシェル塩が使われているものは静電容量が小さく、セラミックが使われているものは、数十[nF]ほどの静電容量を持ちますが、ロッシェル塩が使われているものの場合は、数百~数千[pF]です。 本物の「クリスタルイヤホン」は、現在はほとんど流通しておらず、どこかの店頭で奇跡的に見つかるくらいです。また、もし見つかったとしても、経年劣化で感度が落ちているでしょう。

「クリスタルイヤホン」と「セラミックイヤホン」の見分け方は?

「クリスタルイヤホン」と「セラミックイヤホン」は、形は昔と同じままですが中身が変わっています。昔の「クリスタルイヤホン」は、ロッシェル塩の結晶を用いており、現在のものはセラミックの圧電素子を用いています。つまり、現在「クリスタルイヤホン」として売られているもののほとんどが、正確には「セラミックイヤホン」です。 「クリスタルイヤホン」と「セラミックイヤホン」の見分け方は、ロッシェル塩を使った「クリスタルイヤホン」は、中の振動板を覗くと中央に突起があり、セラミックを使った「セラミックイヤホン」は平らになっております。

ロッシェル塩を使ったクリスタルイヤホンが流通していない理由は?

ロッシェル塩を発音体に用いた「クリスタルイヤホン」は、湿気で結晶構造が崩壊してしまう現象が生じると、使用不可能になってしまうという弱点があります。この現象を「潮解」といいます。これが主な理由となり、現在では生産が中止されたため、現存する「クリスタルイヤホン」はとても少なくなっています。

メーカー別クリスタルイヤホンの種類

「クリスタルイヤホン」は、メーカーによって違いがあるのでしょうか。 ここでは「インピーダンス」と「ロッシェル」についてご紹介していきます。

インピーダンス

メーカーによって「クリスタルイヤホン」のインピーダンスには違いがあります。実際に耳で聞いてみて、明らかに音色や音量が違う場合もあり、特性の個体差によるばらつきや製造誤差などが多いのではと言われています。

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初回公開日:2017年11月26日

記載されている内容は2017年11月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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